アイドル |
【スポンサーリンク】
|
「アイドル idol」というのは、大辞泉の説明によると、「1 偶像、2 崇拝される人や物、3 あこがれの的。熱狂的なファンをもつ人。[1]」とある。 日本の文化において「アイドル」と言うと、芸能産業で働いている人のうち、あこがれの的となっているような人、「可愛い」(あるいは「かっこいい」けれど(若くて)「かわいい」)などと感じられている人のことであり、例えば、歌手・役者・テレビタレント、写真モデルなどである。 なお、日本の文化では、基本的に若い人に限られており、40歳50歳などになると「アイドル」ではなく、熱心なファンがいたとしても基本的にはあくまで「元アイドル」という位置づけになる。また、たとえ「あこがれ」の的となっていても、たとえばヘヴィメタルのミュージシャンであったり、あくまで作詞・作曲などの正統的な音楽的能力が主たる職業能力であったり、年配で年齢相応の威厳のある印象などが前面に出ている男性などは(男性が、自分がなりたい姿としてある意味「あこがれる」タイプのひとつではあるが)「アイドル」には分類されず、また本人も(何かの間違いで)「アイドル」に分類されたりすると、それを嫌ったり恥じたりするのが一般的である。 由来「アイドル」idolの本来の意味は、偶像、すなわち神や仏などの存在をかたどって造られた像で、かつ崇拝の対象となっているようなもののことである。つまり、神や仏というのは、本来は不可視で触れることもできないはずで、物体的な像などでは表現したり代用できるわけもないのに、像が作られて(不適切にも)崇拝されるようになってしまったもののことである。(もともとは、そうしたことを若干ほのめかしている面、風刺する意味もこめられていたからこそ、この用語が選ばれていたのではあるが)、やがてこの用語が転用され、発展し、アメリカで「若い人気者」としての意味で1927年に「マイ・ブルーヘブン」をヒットさせた歌手のルディ・ヴァリーや1940年代に「女学生のアイドル(bobby-soxer's idol)」と呼ばれて熱狂的な人気を生んだフランク・シナトラらが「idol」と呼ばれ始め[2]、デビュー時のエルヴィス・プレスリー(1950年代)やビートルズ(1960年代)らも「アイドル」として認知されていた[3]。先駆的存在として、明治期の女義太夫が挙げられる。 「アイドル」の呼称の始まり以上のような経緯によって、日本においては当初「アイドル」という言葉は、主に外国の芸能人を対象にした呼称として用いられ[4][5]、日本の芸能人を対象としては、一般的に「スター」と呼ばれ、特に未だテレビが普及していない時代における日本の芸能界の主力が映画だったことから、人気ある若手の芸能人もほとんどが加山雄三、吉永小百合、浜田光夫ら特に「青春スター」と呼ばれた映画の俳優であった(「東映ニューフェイス」も参照)。 その後、本格的なテレビ時代の到来、産業としての映画の全体的な斜陽化、そして絶頂期のビートルズの来日(1966年)などを受けたザ・スパイダース、ザ・タイガース、ザ・テンプターズなどのグループ・サウンズのブームが巻き起こる過程で、徐々に「青春スター」の呼称も使われなくなり、「アイドル」の呼称に取って代わられるようになった[6]。その更に後の1970年代に至り、未成熟な可愛らしさ・身近な親しみやすさなどに愛着を示す日本的な美意識を取り入れた独自の「アイドル」像が創造され、1980年代には、市民権を得るようになった[7]。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
|