お姫様倶楽部Petit資料室 著作権法に抵触しない「お姫様関連文書」に以下の2編を追加。
三つの指環(仮)作家名:芥川龍之介
芥川の未決定稿。
はじめに物語の筋とおぼしきものが書かれ、その後に書きかけのシナリオ形式のものが綴られている。
王位を継いだばかりの若い王は不可解な乞食に「害なす者があれば知らせてくれる」という指輪を渡される。
落魄した賢い娘は、乞食から「どのような男の心も捉える」という銀の指環を渡される。
市場で壺をひさぐ老爺は、乞食から「人の秘密も残らずわかる」という鉄の指輪を渡された。
さて、この三人と三つの指輪を巡る物語は……。
怪談綺談作家名:小酒井不木
お城の広間にあるシビル(ギリシア神話の予言の女神)の絵画を異様に畏れる令嬢。
発掘に関わった人々が次々に不幸に見舞われたという木乃伊(ミイラ)の行方。
70才の誕生日を迎えた詩人が聞いた不可思議な調べ。
奇妙な夢を見た夫人たちの話。
母に死なれた一人娘の狂乱を鎮めた何者かの存在。
あるヒステリー症状のある女性が見た幻の蜂。
旅行者が聞いた「予言」についての小話。
作者が「西洋の文献を探し」見つけた「いささか変ったところ」のある7つの掌編。
初出:「講談倶楽部」1928(昭和3)年3月号