・直リンは「絶対悪」なのか?

結論から言うと、「いいえ、違います」……ですが、「絶対的な正義でもありません」

インターネットの成り立ちから考えると、直リンは「当たり前」の行為です。
インターネットは、軍事と学問のための生み出されたものです。
離れた場所にある基地や学校のデータベース間をつないで、情報の共有をはかるのが元々の目的でした。(インターネットの歴史に関してはAOWAOW-Networkさまがコラム「インターネットの歴史」でわかりやすく解説してくださっています)
ですから、本来ならあちらのサーバーにある論文、こちらのサーバーにあるグラフのグラフィック、こちらにあるデータベース…等というものに直接リンクを張っても構わない訳です。

現在でもインターネットは軍事と学問の為に存在しています。
一般的なユーザーが「個人的に書いた日記」であっても、インターネットに繋がっているサーバーコンピュータの中に存在し、その内容が有用(色々な意味で…)であるであると判断されれば、必要な人が直接その内容へアクセスすることを拒否することはできません。
価値があると判断されれば「個人的に書いたファンアート」だろうと「オフィシャルなロゴマーク」であろうと、必要な人が参照するでしょう。

確かに、むやみに参照されると困るデータ…企業の顧客データや、企業秘密、軍事機密など…は データはプログラム的にアクセスが制限されています。
では、アクセスを制限されていないデータであれば、どんなアクセスの仕方をしても良いかと言うと…そのような利用方法をすると時として困った事態が起きることがあります。

商標登録されている商品の写真や、著作権法で保護されている著作物を、商標や著作権を管理している人から「表示して良い」という許可を得ずに、何の必然性もなく、直接自分のサイトの中に表示するとどうなるでしょう?
あなたは商標や著作者から法律に違反しているとして訴えられる可能性があります。
これが困った事態の一つ目…道義的な問題…です。

もう一つは、データが引用できなくなるという技術的な問題です。

たとえ話をしましょう。
あるサイトにすばらしい画像がありました。そのすばらしさに感動したたくさんの人々が、自分のサイトでもその画像を表示しようとして、ファイルを直接アクセスさせました。
一つのデータにアクセスが集中したことにより、そのサイトのデータが納められているサーバーコンピュータには大きな負担が掛かりました。
つまり、コンピュータはそのデータにのみ計算能力を振り分けることになって、同じ記憶媒体に入っている他のデータを正常に処理することができにくくなったのです。
そのサーバーには、複数のWebサイトのデータが納められていました。
しかし、コンピュータが一つのサイトのデータを処理するのに手間を取られているため、他のサイトのデータを表示させることができなくなってしまったのです。
そのサイト管理者にWebサイトのスペースを貸しているサーバーの管理者は、自分のコンピュータが止まってしまうことを避けようと努力をしました。
大量の処理に対応できるコンピュータに入れ替えることがベストでしょう。
しかしその「アクセスが多すぎるデータ」一つの為に、高価な新しいコンピュータを買うことはできませんでした。
サーバー管理者は、負担を掛けている原因のデータをそのコンピュータから削除する方法を選びました。

こうしてアクセスの多い…つまり人気のある…Webサイトが消滅したのです。
一つのサーバーコンピュータに複数のWebサイトを保存して管理している(特に無料であったり、低価格であったりする)ホームページサービス・Webサーバーなどは、このようなことがまれに起こります。

自分のサイトを消されたくないWebサイト管理者は、このような最悪の事態を回避する為、訪問者へ協力を呼びかけています。
それがすなわち、「画像や音楽データやプログラムファイルに直接アクセスしないでください」という「お願い」や「使用上の注意」や「利用規約」や「禁止項目」です。

もしあなたが、そのサイトやその画像(素材・アイコン・壁紙など)、音楽、プログラムなどを気に入っていて、それをできるだけ長く使いたいと思っているなら、Webサイト管理者への協力を惜しまないことが肝要です。

つまり、素材として配布されているものはダウンロードして利用すること。
アイフレなどと呼ばれている「他のサイトのデータをIFRAMEインラインフレームタグで呼び出す行為」を無断で行わないこと・それを行うことを強制しないこと。

たったこれだけのことです。

直リンは決して「絶対にいけないこと」ではありません。
ただし、直リンをすることによって、そのファイルが納められているサーバーコンピュータとサーバー管理者とそのファイルの制作者に、何かしらの負担を与えていると言うことを自覚してください。
自分が抱えられない負担やできないことを、他人に変わってもらおうという考えは、やめた方がよいでしょう。
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