耶蘇基督イエス・キリストの十二使徒名、中日英対訳一覧

中国語日本語英語語源・意味人物簡易解説持物アトリビュート
彼得
(伯多祿)
シモン・ペテロ
(シモン・ペトロ)
Simon Peter
《サイモン・ピーター》
ヘブライ語 Shimeon 「耳を傾けている、聞いている、従順」と、ギリシャ語 petros「石,岩」使徒の筆頭格。アンデレの兄で漁師。
本名はバルヨナ・シモン。バルヨナ(Barjona)は「ヨナの子」の意。ちなみにヨナは「鳩」の意。
ペテロは、イエスにより付けられた「岩(ケファ。ギリシャ語でペトロス)」という仇名に由来。
カトリックにおいては「初代のローマ教皇」とされている。
漁師、船員(漁師だったからか)、錠前職人(天国への鍵をたくされたという伝承がある)・鍛冶屋、屠殺業者、時計職人の守護聖人。
記念日(聖名祝日)は6月29日(ユリウス暦を使用する正教会では7月12日あたり)
ローマで逆さ磔で処刑
  • 上下逆の十字架(聖ペトロ十字)
  • 三重横木司教杖
  • 書物
  • 雄鶏
  • ジャスパー
安コ烈
(安コ肋)
アンデレAndrew
《アンドルー》
ギリシャ語 Andreas「男性の」から派生。「男らしい,強い,雄雄しい,勇敢な」ペテロの弟。漁師。
一説に兄と共に洗礼者ヨハネの弟子であったが、ヨハネがイエスを「神の子羊である」と言ったのを聞いて、イエスに従ったとも。
魚屋、漁師の守護聖人。記念日は11月30日。
アカイアでX型の十字架にて磔刑
  • 斜め十字(聖アンデレ十字)
  • ブルーサファイア
雅各
(雅各伯)
ゼベダイの子ヤコブ
大ヤコブ
James, son of Zebedee
《ジェームズ 
サン オブ ゼベダイ》
旧約聖書に登場するヤコブ(別名イスラエル:神の勝者)
原意は「踵(踵を掴む者=人を出し抜く者)」(双子の兄エサウの踵を掴んで生まれてきたことから。)
「アルファイの子ヤコブ(小ヤコブ)」と区別するため、大ヤコブとも呼ばれる。
ヨハネの兄弟。兄弟揃ってイエスに「ボアネルゲス(雷の子)」とあだ名される。
労働者、農民、牧者、巡礼者、騎手、兵士、薬屋、獣医、鍛冶屋、毛皮職人、リューマチ患者、関節炎患者の守護聖人。
記念日は7月25日。正教会での記憶日は4 月30日
(ユリウス暦を使用する正教会では5月13日に相当)
ヘロデ王(ヘロデ・アグリッパ1世)によって殺害される。
  • 帆立貝
  • 巡礼杖・外套・鍔広帽・瓢箪
  • ホワイトカルセドニー(白玉髄)
約翰
(若望)
ヨハネ
ゼベダイの子ヨハネ
福音記者ヨハネ
John
《ジョン》
ヘブライ語 Johanan「神(ヤハウエ)は恵み深い」ヤコブの兄弟。『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの手紙一』、『ヨハネの手紙二』、『ヨハネの手紙三』、『ヨハネの黙示録』などの著者と言われる。
書店、印刷業、製本工、製紙業、彫版師、文筆家、書記、、彫刻家、漁師、葡萄農家、ガラス屋、蝋燭製造、籠職人、公証人、鏡職人、てんかん・足の病気・火傷の患者の守護聖人。
記念日は12月27日。
正教会での記憶日は10月9日(修正ユリウス暦使用教会では9月26日)
天寿を全うしたらしい。
  • 蛇又は竜の付いた杯
  • 書物(本・巻物)、ペン、インク壷
  • エメラルド
腓力
(斐里伯)
ピリポ
(フィリポ)
Philip
《フィリップ》
ギリシャ語のphilos(友愛)+ hippos(馬)で「馬を愛する者」ナタナエル(バルトロマイ)とイエスを引き合わせた。
ギリシア系の人物らしく、ギリシア人(またはギリシア語を話すユダヤ人)がイエスに面会するときには仲介者となった。
帽子屋、手芸材料店の守護聖人。記念日は11月14日
(ユリウス暦をもちいる場合、グレゴリオ暦11月27日に相当)
小アジアで磔刑
  • 十字架
  • パン
  • 巻き物
  • サードニクス(瑪瑙)
巴多羅買
(巴爾多祿茂)/拿但業
バルトロマイ/ナタナエルBartholomew
《バーソロミュー》
Nathaniel《ナサニエル》
バル・トロマイ→アラム語「タルマイの息子」
ナタナエル→ヘブライ語「神は与えたもう」
最初はイエスに対して懐疑的だった(「ナザレくんだりから傑物が出るはずもない(意訳)」)が、ピリポの薦めで実際にイエスと会って感激し、弟子となる。
生皮剥ぎの刑で殉教したとされることから、解剖学の象徴とされる。
皮革職人の守護聖人。記念日は8月24日
  • ナイフ
  • 剥がされた皮
  • 書物
  • レッドカーネリアン
馬太
(瑪竇)
マタイ/マテオ
(徴税人のマタイ/
福音記者マタイ)
Matthew the Evangelist
《マシュー
ジ エヴァンジェリスト》
ヘブライ語「神 (ヤハウェ)の贈り物」「アルファイの子レビ」とも。元ローマ帝国収税人。突然現れたイエスに「ついてこい」と言われ、そのまま職を捨てて付き従った。
『マタイによる福音書』の著者とされる。
取税人という自出らしく、銀行(金融関係)、税務署の守護聖人とされる。記念日は9月21日。
ペルシャで殉教、あるいは、エチオピアで剣で殺されたとも
  • 有翼の人物
  • 書物
  • ペン・インク壷
  • 戈槍
  • アメシスト
多馬
(多黙)
トマスThomas
《トーマス》
アラム語で「双子の」「ユダ・ディディモ(ディディモはギリシア語で「双子の」)」とも呼ばれるため、本名はユダであるという説も。
情熱的だが、一寸ずれた所がある。イエスが復活したと聞いても、「自分の目で見て、触れてみなければ信じない」と言ったことから西欧では「疑い深いトマス」、正教会では「研究を好むフォマ(トマスの東方教会風の呼び方)」とも呼ばれる。
建築家(大工・測量技師・左官・石工)、差物師、幾何学者の守護聖人。記念日は7月3日 。
インドにて剣で殺害される。
  • 腰帯
  • 槍・短剣
  • 指矩(曲尺)・定規
  • ベリル(緑柱石)
亞勒腓的兒子雅各
(阿斐爾的兒子雅各伯)
アルファイ(アルパヨ)の子ヤコブ
小ヤコブ
James, son of Alphaeus
《ジェームズ 
サン オブ アルフィウス》
アルファイはヘブライ語「形態を変える」の意(らしい)
あるいはギリシア神話の河神アルペイオスに由来する人名か
「ゼベダイの子ヤコブ(大ヤコブ)」と区別するため、小ヤコブとも呼ばれる。
イエスの兄弟、または従兄弟と言う説がある。
帽子職人、反物商の守護聖人。記念日は5月3日。
エルサレムで石打の刑に処される。または、縮緬棒で打ち殺されたとも。
  • 縮絨棒・砧・棍棒
  • 司教杖・司教冠・司教服
  • トパーズ
奮鋭黨的西門
(熱誠者西滿)
熱心党のシモンSimon the Zealot
《サイモン ザ ゼロット》
シモンは「シメオン」が変化したもので、「(神は)聞かれた」の意。
ギリシア語原文のマルコの福音書では「熱心者のシモン」、ルカによる福音書では「熱心党員のシモン」と、微妙に表現が違っていたりする。
熱心党(ゼロテ派)とは「信仰に熱心なあまり、過激派的な行動を取りがちな人々」の総称。ローマ支配に対するユダヤ側のレジスタンス闘争者の事を指す。
「熱心者シモン」「ペトロと呼ばれたシモン」とも。
新約聖書に名前が出てくるのみで、詳細は記されない。
「イエスの兄弟シモン」と同一視されることもある。
ペルシャにて殉教。鋸引きの刑(というか、のこぎりで体をまっぷたつに切り裂かれて)で処刑されたとされる。
木こりの守護聖人
  • 鋸(のこぎり)
  • 十字架
  • ピンクヒヤシンス
達太タダイ
ユダ・タデオ
Jude
《ジュード》
Jude Thaddaeus
《ジュード・タディアス》
タダイは「母の胸」の意味の「タドゥ」が変化したモノ。
彼の名を、「心」の意味の「レーブ」から変化した「レバイ」とする写本もある。
本名はユダ(ヤコブの子ユダ)だが、イスカリオテのユダと区別するために「タダイと呼ばれるユダ」と呼ばれる。
小ヤコブと共に、イエスの兄弟、または従兄弟と言う説がある。
イスカリオテのユダと名前が同じであったため、かつてはその名前を出すことが憚る者が多く、長く「忘れられた聖人」となっていた。
そういった経緯から、敗北者、窮乏・挫折・絶望に陥った人々、無実の罪や誤解によって失墜した人の復権、成功の見込みのない運動と主張の守護聖人とされる。
記念日はカトリックでは10月28日、正教会では6月19日
ペルシャで殉教。
  • 棍棒
  • 戈槍
  • クリソプレース
馬提亞マティア
(マテア、マッテア)
Matthias
《マティアス》
マタイと同義。古くからのイエスの弟子。
イスカリオテのユダの死後、籤によって選ばれ、12使徒に加えられる。
記念日は5月14日
天寿を全うしたらしい。
  • 鉾槍
  • クリソライト(ペリドットまたはクリソベリル)
加略人犹大
(伊斯加略人猶達斯)
イスカリオテのユダJudas Iscariot
《ジューダス・イスカリオット》
「ユダ」は「賛美」の意。イスカリオテは「イーシュ・カリオテ」と仮定すると「カリオテ出身の男(イーシュ)」。イスカリオテ(カリオテ人)のシモンの子ユダ。
使徒集団の会計を司っていたが、不正をはたらいていたという。銀貨三十枚でイエスを売り、それを悔いて首を吊って自殺
(転落して臓腑をぶちまけたとも)
  • 財布・銀貨をいれた袋
  • 悪魔
追記
中国語日本語英語語源・意味人物簡易解説
公義者雅各主の兄弟ヤコブ/義人ヤコブJames the Just
《ジェームズ ザ ジャスト》
 イエスの「兄弟(異母兄・従兄弟・実弟など諸説有り)」とされる人物。清廉潔白な人物で「義人」と呼ばれた。
外見がイエスと良く似ていた。(イスカリオテのユダが、イエス捕縛の合図として「接吻」したのは、ヤコブとイエスを取り違えないようにするためだったらしい)
イエス存命中は彼の行動を理解できなかったが、その死と復活を目撃し、一転熱心な信仰者となる。
伝統的には新約聖書『ヤコブの手紙』の筆者とされる。
アルファイの子ヤコブと同一視されることが多い。
保羅/掃羅パウロ(パウロス)/サウロPaul
《ポール》
ラテン語paulus、ギリシア語Paulos「小さな」
元は仇名で、家族名(名字)に変化
熱心なユダヤ教徒であり、キリスト教の迫害者だった。
キリスト教徒捕縛の旅の途中、突然「何故迫害するのか」というイエスの声と光を浴びて倒れ、失明。イエスの「ダマスコの町へ入れ」との言葉に従い、その地でアナニアという信徒が彼のために祈ると「目から鱗のようなものが落ち」、光を取り戻す。
以降熱心なキリスト者となり、各地への布教、特に異邦人への伝道を行う。
新約聖書「パウロ書簡」群の著者とされる。
織物業者、神学者の守護聖人。記念日は6月29日。
ローマで斬首される。
巴拿巴バルナバBarnabas
《バーナバス》
「慰めの子」の意本名はヨセフ。
パウロの第一回の宣教旅行の同行者。「マルコによる福音書」の著者「マルコと呼ばれたヨハネ(福音記者マルコ)」の従兄弟。
財産をすべて売り払って、その代金を使徒たちに差し出した。
石工の守護聖人。記念日は6月11日。
馬爾谷マルコ
福音記者マルコ
マルコと呼ばれたヨハネ
Mark the Evangelist
《マーク ジ エヴァンジェリスト》
ローマ神話の軍神「マルス(Mars)」に由来するらしいラテン語のMarticus(マルティクス)の省略形のMarcus(マルクス)が語源。新約「マルコによる福音書」の著者とされる。
公証人、ガラス職人、建築労働者の守護聖人。カトリック教会・正教会での記念日は4月25日(ユリウス暦を使用する正教会では5月8日に相当)。
  • ライオン(翼のあるライオン)
路加ルカ
福音記者ルカ
ルカノス(ルカヌス)
Luke the Evangelist
《ルーク ジ エヴァンジェリスト》
ラテン語のルキウス (Lucius) 、ルカス (Lucas) に由来。
語源はラテン語で「輝く」の意の「ルクス(lux)」
新約聖書の「ルカによる福音書」および「使徒行伝」の著者とされる。
新約聖書「コロサイ人への手紙」に『愛する医者ルカ(4章14節)』と記載されており、職業は医師であったとされる。
また、画家であったという説もある。
カトリック教会での記念日は10月18日、正教会での記憶日は4月22日(5月3日)。医者と画家の守護聖人。
  • 牛(翼のある牡牛)
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