※ピサンカ(Pysanka)※
ウクライナ語で「イースターエッグ(復活祭の卵)」のこと。複数形はピサンキ(Pysanky)。
鶏卵の殻の表面に動植物文様や幾何学紋様を描いた、民芸装飾品。
語源はウクライナ語の「ピスカ(描く)」
複雑で美しい文様は、蝋纈染め(色を付けたくない部分を蝋を溶かしたもので覆い、蝋のない部分に色を付ける染色技法。何度か作業を繰り返すことによって、多色を塗り重ねることもできる)に似た技法で描かれる。
ウクライナでは紀元前から(つまり、キリスト誕生以前から)、卵に装飾する風習があった。
硬い卵が割れて新しい命が生まれることから、卵は生命の象徴であり、神秘的な力があるのだと考えられていたからである。
やがて、キリスト教の「復活」のイメージ……硬い岩穴の墓地から、十字架上で刑死したイエスがよみがえる……が重なり、ヨーロッパ各地にこの風習が広がる。
(装飾を施した卵を家や庭のいたるところに隠しておき、パーティで子供達がそれを探す、とい
う遊びをするのがヨーロッパ的復活祭パーティ。この卵探し遊び感覚から「ソフトウエアの中に
ちょっとしたおまけや実害のないいたずらを隠す」というお遊びが生まれた)
イースターエッグは当初、本当の鶏卵の殻に絵を描く(ピサンカのように細かい模様を描くこともあれば、玉葱の皮の煮汁などの自然染料・顔料をつかって単色で染めたり)ものであった。
しかし、ロシア帝国ロマノフ王朝のニコライ二世(ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ 1868年5月18日-1918年7月17日、在位:1894年 - 1917年)が
出入りの宝石商「ファベルジェ」に発注し、家族のために「卵の形をした金細工」を作ったことから、貴金属による細工物も作られるように
なった。
この「貴金属細工のイースターエッグ」は、卵殻細工と区別するために「インペリアル・イースターエッグ」「ロイヤル・イースターエッグ」などとも呼ばれる。
(Imperial:皇帝の 高貴な 極上品)(Royal:王の 威厳ある 高貴な)
参考文献(Webサイト):Medley from Izu_Kannami イセデリカ バンクーバー新報