っとりと重たそうに地面に落ちた。
その後すぐ、龍は木の枝にかかっていた自分の服をひっつかんだ。それはまだ乾ききってはいなかったけれど、彼は無理矢理に袖を通した。
しめった服を強引に着たものだから、布地が奇妙にねじれてしまって、ギュウギュウと体を締め付けた。
ズボンは特に酷かった。穿いた途端、お尻の縫い目が変な風に体に食い込んでしまって、歩こうとするとしただけでお尻の穴が痛くなった。
龍は着心地が悪いのや痛いのをがまんして、走り出した。
とにかくお墓から離れたかった。
闇雲に池の周りの土手になっているところをぐるりと走る。でも、彼は元来た取水口のあたりには戻らなかった。土手が一段高くなっている方へ駆けて、草の根っこを掴みながらよじ登った。
そっちに何があるのかはぜんぜん知らなかったし、見当も付いていなかったのだけれども、なんとなくその方が良いような気がしていたのだ。
そしてその「なんとなく」は、ほんとうになんとなくだけれども正解だった。
土手を上りきると、そこには太い道路があった。何台ものトラックがすごいスピードで行ったり来たりしている。