夏休みの前から夏休みの終わりまでの話。 − 【26】

った。
「家は古いけれど、車庫とお風呂は新品なのよ。新しすぎて、時々使い方が判らなくなるくらい」
 そう笑って、Y先生は龍を中庭の端の方にある真新しくて小さな別棟に案内した。
 先生のおっしゃるとおり、お風呂はぴかぴかの新品だった。
 床と壁はアイボリー色の四角いタイルでできている。洗い場も湯船も5人くらいいっぺんに入ってもまだ遊べるくらいに広い。
 そして、壁からはまるで銭湯のように、二口の蛇口と、シャワーのホースが出ていた。
 夢のようなお風呂だった。……少なくとも、龍にとっては。


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2015/09/26update

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まろやか連載小説 1.41
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