夏休みの前から夏休みの終わりまでの話。 − 【30】

いくつもの石の塔が見え隠れする。
 石の表面には文字が刻まれていた。
 龍の、できることなら見たくもない文字だった。そして絶対に声に出して読みたくない文字だった。
 なのに。
 龍の唇はそう声を出すように動いて、喉もその音を出すように動いて、その上に肺がちょうど良くへこんだ。


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2015/09/26update

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まろやか連載小説 1.41
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