もりなのだけれど、「トラ」にはそう聞こえなかったようだった。 すぼめていた肩が、びくりと跳ねた。「一応、生徒だから」 下を向いて彼女はようやっと答えた。 龍は仰天して、思わず大きな声を上げた。「クラスは? 学年は?」 「トラ」の顔がゆっくりと持ち上がった。 青白くて小さな顔は、寂しそうに怒っていた。