か、農家やお店をやっている人なら牛や馬とか、無くなってしまうと困る物をプレゼントにしていた」
「先生、質問!」
龍の三つ隣の席の男子生徒が、手を挙げた。
校長先生が指さすと、彼は勢いよく立ち上がって、こう聞いた。
「神様って、見えないし、触ったりできないですよね。どうやってプレゼントを渡すんですか?」
「うん、そうだね。昔の人も、どうやって渡したらいいかを、色々考えたんだ。
川の神様だったら、川に流せば受け取ってくれるかな、とか、山の神様なら土に埋めればもらってくれるかな、とか。そして、空にすんでいる神様なら、空に届けるために煙に乗せようと考えついた人がいて、火にくべて燃やしたりもするようになった」
と言うと、黒板に何か書き始めた。
白いチョークでぐねぐねとした線を引き、緑や黄色のチョークで色を塗り分け、水色の太い線やゆがんだ丸の形を描き上げる。
「この町の地図だ」
そう気付いた龍が、気付いたままを口にすると、校長先生は大きくうなずいた。