ちが別の誰かに似ているようにも思えました。
どこかで見た、見知っている顔。
城下の人々の誰かか?
お城で働く人々の内の誰かか?
剣友、学友の誰かか?
否、否、否、否。そうではない。
もっと、近しい、もっと見慣れた、もっと、もっと……。
ふっと、御子の脳裏に浮かんだ顔がありました。その顔に御子自身が驚いて、思わず声に出してしまいました。
「御父様」
途端、まばゆい光が御子の目玉に突き刺さりました。
御子は思わず身構え、腕をかざして光を遮ると、瞼を細く開いて、光の差してきた方角を見ました。
光の中に、人の影が立っていました。
いや、立っている人影が、光を携えていた、と言う方が正しい。
角提灯が高くかざされ、人影が長く伸び……。