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ジャックと豆の木 | |
作家名:イギリスの童話 訳者名:楠山正雄 英: Jack and the Beanstalk イングランドのアルフレッド大王時代(871年-899年)、田舎町に貧しい寡婦と息子のジャックの二人が暮らしていた。 ある日ジャックは母親に言われて唯一の財産だった牝牛を売りに行ったが、それを途中で会った男の豆と交換してしまう。 怒った母親は豆を庭にすてた。すると次の朝、庭には巨大な豆の木が生えていた。 ジャックが豆の木を登って雲の上まで行くと、巨大が城があった。そこでジャックは巨人の女性と出会う。 巨人の女性はジャックに「自分の夫は人食い鬼(オーガ:ogre)なので見つからぬ内に逃げろ」と告げる。 そこへ夫の人食い巨人が帰ってくる。妻の巨人に匿われたジャックは、巨人が寝入った後に巨人の宝を奪い、家に戻る。 宝のおかげでしばらくは暮らせたが、それが尽きたので、ジャック再び豆の木を登る。 巨人の城へ忍び込み宝を奪ったが、巨人に気付かれてしまう。 急いで地上へ戻ったジャックが豆の木を斧で切り倒すと、巨人は転落死した。 裕福になったジャックと母親は幸せに暮らした。 (2014/09/16(Tue) 19:07) | |
六羽の白鳥 | |
作家名:グリム兄弟 Bruder Grimm 訳者名:楠山正雄 独: Die sechs Schwäne ある国の王には亡くなった前妻との間に六人の王子と一人の姫があった。ある日狩りに出掛けた王が道に迷っていると、老婆があらわれ、娘を妃にしてくれたなら助けるという。王は老婆(魔女)の提案を受け入れ、道案内をしてもらって城に戻る。程なく王は老婆の娘と結婚する。 新しい王妃は、七人の継子を排除しようとする。 王妃は呪いを掛けた絹の肌着を作り、王子達に触れさせる。途端に六人の王子達は白鳥に化身して飛び去ってしまう。ただ一人難を逃れた末の姫は、兄たちを捜して森へ入るが、夜が更けてしまったので、仕方なく森の中の小屋へ入る。 そこへ六羽の白鳥が現れる。白鳥たちは元の王子の姿に戻ると、妹姫に、この小屋が山賊小屋であること、新しい王妃が自分たちに呪いを掛けたこと、人の姿に戻れるのは夜間の本の短い間だけであること、呪いを解くにはエゾギク(アスター)の花で作った肌着を着なければならないこと、その肌着を作っている間は一言も口を利いてはならぬこと、を告げる。 間もなく王子達はまた白鳥の姿に変化してしまい、飛び立ってしまう。 姫は兄たちを助ける決心を固め、城へは戻らずにエゾギクの花を集めて肌着を作り始める。 森の中の樹の上で、花を集めて肌着を作り続ける姫。 隣国の若い王が彼女を見つけ声を掛けるが、姫は話すことも笑うこともしない。 姫が人品ただならぬことを見抜いた若い王は、彼女を妃にした。 所が若い王の母、つまり姑は姫のことが気に入らない。身元の知れぬ上に一言も口を利かず、菊の花で肌着を作り続ける姫はを不審に思ったのだ。 やがて若い王と姫との間に子供が生まれる。すると姑がこの子を攫ったうえに、眠っていた姫の口の周りに地を塗りつけ、「あの女は人食い鬼だ」と若い王はに訴える。王は妻を愛し信じており、 「彼女は信心深い心のキレイな人だ。人殺しなどするものか。彼女が口を利けたなら、きっと無実の証をすることだろう」 と、取り上げない。 しかし三度同じ事があれば、流石に不問にすることも出来ず、姫は裁判に掛けられる。 裁判の中でも姫は口を利かずにいたため、有罪となり、火刑の判決が降る。 姫は刑の執行のその瞬間まで無言でエゾギクの肌着を作り続けた。六人分の肌着はほぼ完成しており、あとは六着目の片袖を作るのみとなっていた。 しかし姫は火刑の薪の上へと引き出される。 まさに刑が執行されようとしたどのとき、六羽の白鳥が現れる。姫が投げた肌着に触れると呪いは解け、白鳥は元の王子の姿に戻る。――片袖が間に合わなかった末兄だけは、片腕が翼のままだったが――。 口を利くことが許された姫は、総ての次第を夫に告げる。 姫に罪がないことが判り、火刑台は濡れ衣を着せた姑のために使われることとなった。 (2012/06/25(Mon) 13:26) | |
赤ずきんちゃん | |
作家名:グリム兄弟 訳者名:楠山正雄 仏: Le Petit Chaperon rouge、独: Rotkaäppchen ヨーロッパ伝承民話をグリム兄弟が再編集した童話。 残酷だったり理不尽だったりする部分を削除改編した結果、道徳的な内容(親の言いつけを守らないと怖い目に遭う&悪いことをしてしまったらよく反省する)になっている。 改変前は「狼はおばあさんを殺すと、赤ずきんを騙してその肉と血を食べさせました」「狼は赤ずきんを食べやすくするため、服を脱がせました」「赤ずきんは狼に食べられてしまいました(後に、狼が猟師に殺されるという挿話が入るようになるが、赤ずきんは助け出されない)」という内容だった。 以下粗筋。 赤い頭巾を被っているので「赤ずきん」と呼ばれている、可愛らしい女の子がいた。 ある日、赤ずきんは母親から「森の向こうのおばあさんの家」までお菓子とワインを届けるよう言われる。 赤ずきんが森へ入ると、狼が現れる。 赤ずきんは、問われるままにおばあさんの家を教え、言われるままに道草をする。 狼は先回りしておばあさんを襲い、丸呑みにすると、おばあさんになりすまして、赤ずきんを待ち伏せる。 遅れて着いた赤ずきんは、狼が化けたおばあさんに話しかけるが、おばあさん同様丸呑みに食べられてしまう。 腹が膨れた狼が寝込んでいると、通りかかった猟師が異変に気付いて、狼の腹を割いて、呑まれていた二人を助け出す。(猟師は狼の腹に石を積めて縫い直す。石が原因で狼は死ぬ) 赤ずきんは言いつけを守らなかったことを反省したのだった。 (2011/03/08(Tue) 16:19) | |
アンデルセンの童話 おやゆび姫 | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 子供を欲した女の人が、魔女から貰った不思議な種は、やがて芽を出しつぼみを付けた。 女の人がつぼみにキスをすると、開いた花の真ん中に、親指ほどの背丈の可愛らしい女の子――おやゆび姫が座っていた。 ある晩ヒキガエルに攫われたおやゆび姫だったが、魚たちの協力を得て脱出。 川を下るおやゆび姫を攫った黄金虫だったが、他の虫たちがおやゆび姫のことを「人間のようでみっともない」と言うので、追い出してしまう。 森をさまよい歩いたおやゆび姫は、野鼠の巣にたどり着く。野鼠の小母さんは親切心もあって、おやゆび姫を裕福な土竜の花嫁に勧める。 鼠の巣と土竜の巣の間の通路に、一羽の燕が横たえられていた。おやゆび姫は可哀相に思って、枯葉や綿を掛けてやる。 暖かさで息を吹き返した燕を、おやゆび姫は看病した。 春が来て、燕は飛びだった。親切な鼠の小母さんを一人にしたくないおやゆび姫は残ったが、土竜との婚礼を勝手に進められてしまう。 一夏掛けて婚礼の準備が行われ、秋には結婚の段取りが決まる。 おやゆび姫が日の光に別れを告げるため外に出ると、春に見送った燕がやってきて、南の国へ誘う。 南の国の花園にはおやゆび姫とよく似た背格好の花の天使が住んでいた。 おやゆび姫は花の王様に見初められて花嫁となる。そしてマイヤ(マーヤ:Maja。ギリシア神話のプレイアデス七姉妹の長女、あるいはローマ神話の豊穣の女神に由来する名前)という名を与えられた。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。 (2009/10/19(Mon) 17:25) | |
アンデルセンの童話 裸體《はだか》の王樣(王様の新しい服) | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 兎に角新品の服を着るのが大好きな王様。 ある時やってきた2人の詐欺師。自分たちは機織師で、身分に相応しくない仕事をしているような者や愚かなやくざ者には見えない不思議な布を織れるのだとふれこんで、王様から注文を取り付ける。 仕事の様子を覗きに行った王様、織られているはずの布が見えずに「自分は王に相応しくないのか」と狼狽する。 大臣にも役人にも布は見えない。でも見えないと知られれば自分は無能だと思われると、見えない布を褒めそやす。 やがて詐欺師たちは布を織り上げたふりをして、衣裳を仕立て上げたふりをして、王様に着せるふりをした。 有りもしない服を着た王様は、鏡の前で服が見えるふりをする。 大臣も貴族も役人も、自分が無能だと思われたくないものだから、見えない服を褒めちぎる。 そのまま町へお練りになった王様一行。 町の人々も無能なやくざ者とは思われたくない一心で、見えない服を褒め称える。 奇妙な行列が進む中、一人の子供が叫ぶ。 「あの人なんにも着てない」 その言葉を胸に重く受け止めた王様だったが、それでも「堂々と行列を続けなければならない」とて、ますます威張った様子で練り歩いたのだった。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。(2009/10/19(Mon) 17:23) | |
アンデルセンの童話 天使 | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 死んでしまった子供の魂を天国に運ぶ天使。その道すがら子供に、両手いっぱいの花を摘みそれを御前に運ぶと地上で咲いていたときよりもずっと美しい花を咲かせるのだと、語る。 子供は折れて萎れた薔薇の花やあまり人に好かれない金銭草(ユキノシタ?)、野菫などを摘んだ。 天使は大きな町の裏通りを飛び、道端に打ち捨てられている枯れた鉢植えの花も取り上げた。そしてその花の元の持ち主の子供の話を語った。 病弱で部屋から出たことのない一人の子供。友人から貰った根のついた草を鉢に植え、丹精していた。 その子供が死んだ後、花は置き去りにされて枯れてしまった。でもその子供にとっては女王の花園よりもずっと大きな喜びを与えてくれた花だった。 天使の腕の中の子供は、何故天使がこの枯れた花のことをそんなに詳しく知っているのかと訊ねた。 天使は答える。その子供は自分だと。 天国についた子供は天使の羽根を貰い、花は美しく咲く。天使たちと花は声を揃えて幸せの歌を唄うのだった。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。(2009/10/19(Mon) 17:18) | |
アンデルセンの童話 マッチうりのむすめ(マッチ売りの少女) | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 雪の降る大晦日の晩、貧しい娘が母の靴を履いてマッチを売りに出かける。 サイズの合わない靴は途中で脱げてしまい、その片方は更に貧しい少年が「子供が生まれたらゆりかごにできる」と持ち去ってしまった。 年の瀬の慌ただしさの中、少女からマッチを買おうという者はいない。かといって売り上げもなく家に帰れば父親に叱られる。 寒さに凍えた少女は少しでも暖を取ろうと考え、売り物のマッチを擦る。 少女は小さな炎の中に大きな暖炉や年越しのご馳走の幻を見るが、火が消えれば幻も消える。 三本目のマッチの炎の幻のクリスマスツリーは、天国の星々のような光を残して消えた。その星の一つが流れ落ち、少女は亡くなった祖母を思い出した。 四本目のマッチに火を付けると、その祖母の幻が現れた。少女は残ったマッチ総てに火をともす。大きな光の中の祖母は、少女を抱きしめた。 新年の朝、町の人々はマッチの燃えさしを手に微笑んだまま座る、少女の亡骸を見つけた。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。 (2009/10/19(Mon) 17:17) | |
小夜啼鳥(NATTERGALEN) | |
別訳では「皇帝と夜啼鶯」「皇帝とナイチンゲール」と題されることも。 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 翻訳初出:「アンデルセン童話全集」1924年(大正13年)9月 【あらすじ】青空文庫で公開されている元のファイルには挿絵の画像データが付随していますが、こちらに転載するに際してテキストデータのみ抜粋いたしました。 (2009/02/19(Thu) 15:33) | |
青ひげ | |
作家名:シャルル・ペロー 翻訳者:楠山正雄 昔々、青い髭を生やしているために「青髭」と呼ばれる金持ちが居た。 青髭はその風貌の恐ろしさから、人々に畏れられていた。 ある時、青髭は近隣の高貴な姉妹に求婚した。姉妹は青髭が過去に幾度か結婚しており、その都度妻たちが行方知れずになっていると知っていたので、応じようとはしなかった。 青髭は一計を案じ、紳士を装って姉妹に接したため、妹の方が彼に心を許し、結婚することとなった。 婚礼のあとしばらくして、青髭は屋敷を留守にすることとなる。 彼は新妻に「留守の間、屋敷でなにををしても構わないが、地下の小部屋にだけは入らぬように」と言い、屋敷中のドアや戸棚のかぎを束にして渡した。 青髭が出立すると、新妻は屋敷中を見て回り、見てはならない部屋も開けてしまう。 新妻が暗がりで見つけたのは、行方知れずとなった先妻たちの変わり果てた姿だった。 帰ってきた青髭は新妻が言いつけを守らなかったことを知り、彼女をも殺そうとした。 しかし危ういところで彼女の兄弟が駆けつけ、青髭は返り討ちにされたのだった。 (2008/07/14(Mon) 20:33) | |
赤いくつ | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄 木靴を履いた貧しい娘カレンが、いつも足の甲を赤く腫らしているのをいじらしく思った村の靴屋の奥さんは、赤い羅紗布の古切れで小さな靴を作って贈った。 みすぼらしい靴だったがこれより他に履く物のないカレンは、母親の葬式にもこの靴を履いていた。 裕福な老婦人が彼女を引き取ってくれたが、みすぼらしい赤い靴は捨てられてしまった。 ある日、美しい王女が赤い靴を履いているのを見たカレンは、心を奪われる。 堅信礼(キリスト教で信仰告白をする儀式。カトリックの場合、一部地域では成人式のような扱いとなる)の衣裳を誂えたカレンは、老婦人に連れられて靴屋へ。 ガラス張りの棚には王女が履いていたのとそっくりな靴があった。 目の悪い老婦人はそれが真っ赤な色であると気付かずに、カレンに買い与える。 カレンもそれが赤い色であるということをあえて口にしない。 堅信礼に望んだカレンだったが、儀式の間も説法の間も、赤い自分の靴のことばかり考えていた。 老婦人は周囲からあの靴が赤い色だと知らされて、初めて不作法に気付かされた。老婦人はカレンに、次に礼拝に行くときには古い黒い靴を履くようにと念を押す。 しかし古い靴と赤い靴を見比べたカレンは、その日も赤い靴を選んでしまった……。 (2008/01/04(Fri) 15:07) | |
楠山正雄 | |
楠山正雄(くすやま まさお) 1884-11-04〜1950-11-26 東京出身。児童文学者。 早稲田大学卒業後編集者としてのキャリアを積み、評論家・翻訳劇脚本家として活躍。 社命により児童文学に携わる内に、自らも執筆活動を始める。 アンデルセン童話、グリム童話、メーテルリンク、シャルル・ペローなどを邦訳。 日本の昔話なども多く記す。 1950(昭和25)ガンのため永眠。 (2007/12/01(Sat) 16:50) | |
雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語 | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄 1話:悪魔が良い物は醜く、良くない物は美しく写る鏡を作る。慢心した悪魔達がそれで神や御使いを映そうと天界に向かうと、鏡は割れて四散する 2話:ある国にすむ優しい男の子カイと気丈な女の子ゲルダは、きょうだいのような仲良し。 ある日、悪魔の作った鏡の欠片がカイの目に刺さり、カイの心は歪んでしまう。 冬が訪れ、一人でそり遊びをしていたカイは、雪の女王にさらわれ、家族のこともゲルダのことも忘れてしまった。 3話:村の人々はカイが川に落ちて死んでしまったと思いこんだ。しかしゲルダは春の太陽や川の水に教えられ、カイが生きていると悟る。 小舟に助けられて川を下ったゲルダは、一人暮らしの寂しい魔女に悪意のない魔法をかけられ、カイのことを忘れかけてしまう。しかし花々の声を聞くうちに心を取り戻し、再びカイを探す旅を始める。 4話:烏に「カイに似た子供が王女さまのところにいる」と聞いたゲルダは、烏と一緒にお城に向かうが、そこにいたのはカイに少しだけ似たところのある別人の王子だった。 5話:旅を続けるゲルダは森の中で追いはぎに襲われた。危うく殺されそうになるが、女頭目の娘に気に入られ、トナカイを一頭貰ってその背に乗って旅を続ける。 6話:ラップランドの女やフィンランドの女から「カイは雪の女王の城にいる」と教えられたゲルダ。 フィンランドの女に「カイの身体から鏡の欠片を取り出す」ように言われるが、途中、雪の大軍に襲われる。一心に祈り、天使の軍勢に助けられた彼女は、雪の女王の城へ向かう。 7話:雪の女王の城で絵合わせをするカイだったが、悪魔の鏡の欠片の所為で、それを正しく並べることができないでいた。 たどり着いたゲルダが凍り付いたカイの身体に抱きつき、祈りながら涙を流すと、カイの心と体は融け、鏡の欠片も外れる。 心を取り戻したカイは絵あわせを正しく揃え、ゲルダと共に女王の城から抜け出す。 ラップランドの女に別れを告げ、追いはぎの娘から優しい烏の話を伝え聞き、春の訪れる故郷に向かって歩き続ける……。 底本:「新訳アンデルセン童話集 第二巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月15日初版発行 (2007/07/04(Wed) 13:39) | |
瓜子姫子 | |
作家名:楠山正雄 老夫婦が河から拾ってきた大きな瓜から、可愛らしい女の子が生まれた。 子供のない老夫婦は女の子に「瓜子姫子」と名付け、育てる。 やがて機織りの匠になった瓜子姫子の元に「あまんじゃく」が現れ、言葉巧みに彼女を裏山に連れ出し、柿の木の高見に縛り付けてしまう。 姫子の着物を奪って着込んだあまんじゃくは、まんまと老夫婦を欺いて姫子になりすます。 可愛らしい上に織物上手の姫子の噂を聞いたお城の奥方様は、一度姫子に会いたいと、使者を老夫婦の元に送る。 姫子になりすましたあまんじゃくを乗せた駕篭が裏山の柿の木の下を通ったとき、使者の侍が本物の姫子の存在に気付いた。 姫子は助けられ、あまんじゃくは打ち首にされた。 その時、近くの黍の畑にあまんじゃくの血が飛び散ったので、以来黍の殻は赤い色となったという。 (2006/12/02(Sat) 19:34) | |
殺生石 | |
作家名:楠山正雄 徳高い玄翁和尚という御坊が、下野国の那須野の原を通りかかった折のこと。 草原の真ん中に、一の背丈ほどの滑らかな石が立っていた。 夜も暮れていたため、和尚はこの石の傍らで休むことにした。 その枕元にひとりの女の影が立つ。 女は「この石の精」であると言い、元をたどれば天竺の九尾の狐が化身したものであったと語る。 曰く、 天羅国に災いを起こして王の命を奪い、殷の紂王の后(妲己)となって国を滅ぼした。 日本へ渡って玉藻前を名乗って鳥羽上皇に仕え、この国も滅ぼそうとしたが、陰陽師に見破られてこの地で死んだ。しかし怨念は石となって残った。 石の側による者は人も獣も毒気に当たって死ぬので、殺生石と呼ばれるようになったが、御坊は寄っても災いを受けることがない。 きっと徳の高い方であろうから、どうか我が身を救ってほしい……。 (2006/10/16(Mon) 17:26) | |
一寸法師 | |
作家名: 楠山正雄 摂津国に住む夫婦には子供がなかった。 住吉明神に「指ほどの小さな子でもよいから授けてほしい」と願をかけると、やがて本当に指ほどの大きさの子を授かった。 一寸法師と名付けられた子は、夫婦に大切に育てられたが、いつまで経っても背が伸びなかった。 十六になった法師は、立身出世のために京に上ることとした。 縫い針の刀、麦藁の鞘、お椀の船に箸の櫂。 住吉の浜から淀川を上り、鳥羽から京へとたどり着いた法師は、三条の宰相の屋敷で働くこととなった。 三条の宰相の十三になる姫は法師をいたく気に入って、どこに行くにも共をさせた。 ある日、些細なことから姫は屋敷から追い出されることになり、法師も姫と一緒に船に乗った。 ところが折悪しく時化に遭い、船は鬼の住む島へ流された。 鬼は小さな法師を侮って、つまみ上げると、一のみに飲み込んでしまった……。 (2006/10/16(Mon) 16:33) | |
旅なかま | |
作家名: ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄 孝行者のヨハンネスが不思議な夢を見た夜、病の床にあった父が没した。 弔いを済ませた彼は、死者に無礼をはたらく者たちになけなしの金を渡し、その死者をも手厚く葬る。 無一文で旅にを続ける彼に、見知らぬ男が声を掛け、旅の道連れとなる。 旅を続ける内に二人は立派な城の城下町にたどり着く。 城の姫が夢に出てきた娘とそっくりであることに気付いたヨハンネスはその婿になることを望む。しかし実は姫は恐ろしい魔女であり、花婿候補はことごとく殺されていた。 それでも姫との結婚を願うヨハンネス。旅仲間の男は彼に酒を飲ませて眠らせると、宿屋の窓から外に出て行き……。 (2006/10/16(Mon) 13:49) | |
野のはくちょう | |
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄 11人の王子と1人の姫の父王が新しく妃を迎えたが、彼女は子供達を嫌っていた。 姫を悪様にいって王と王城から遠ざけさせると、王子達を呪って白鳥に変化させた。 成長した姫は、兄王子達の呪いを解く術は刺草で帷子を編み、着せることことと知る。しかも、帷子を編む間は一言も口をきいてはならない。 手指を血まみれにし無言で刺草を編み続ける姫を魔女と思いこんだ高僧は、彼女を火あぶりしようとする……。 別訳タイトル「白鳥の王子」 (2006/10/16(Mon) 13:49) | |
猫吉親方 | |
作家名:シャルル・ペロー 翻訳者 楠山正雄 貧しい粉引きの三男坊。遺産に貰ったは、粉引き小屋の鼠番猫の猫吉親方ただ一匹。 悲嘆にくれる三男坊に猫吉夫館が言うことには 「袋を一つ、長靴を一足こしらえてください。きっとだんなをしあわせにしてあげます」 末息子から貰った長靴を履き、袋を背負った猫吉親方。 王様に取り入り、農夫を言いくるめ、人食い鬼を騙し、とうとう末息子を大侯爵に仕立て上げた。 いわゆる「長靴をはいた猫」。 底本:「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)妖女のおくりもの」小峰書店 1950(昭和25)年5月1日発行 (2006/10/16(Mon) 13:49) | |
人魚のひいさま | |
作家名ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄 人魚の王の末のひいさま(姫様)は、六人姉妹の内で一番の器量好し。 祖母の語る海上の世界……人間達の暮らし……を聞く内に、その世界にあこがれを抱くようになる。 十五の祝いに海面へ向かうことを許されたひいさまが見たのは立派な船、そして美しい王子の姿。 嵐で難破した船から王子を助けたひいさまは、王子に恋焦がれる。 美声を代償として人の脚を手に入れたひいさまは王子の暮らす国へ向かった……。 底本:「新訳アンデルセン童話集第一巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月20日初版発行 (2006/10/16(Mon) 13:49) | |
眠る森のお姫さま | |
作家名:シャルル・ペロー 翻訳者 楠山正雄 老いた国王夫妻が漸く娘を授かった。 名付け親として国中から7人の妖女(魔女)たちが集められ、口々に姫を祝福する。 ところが呼ばれなかった8人目の老妖女が晩餐の席に現れ、姫姫は糸車の「つむ」に刺されて死ぬと呪う。 7人目の若い妖女がそれを打ち消す言葉を言い、その場は収まったが、呪いを恐れた国王夫妻は、国中の糸車とつむを壊させた。 美しく成長した姫は、ある日城の塔の上で糸を紡ぐ老婆と出逢う。 底本:「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)妖女のおくりもの」小峰書店 1950(昭和25)年5月1日発行 (2006/10/16(Mon) 13:49) |
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