プロット(plot)は、書く、描画する、点を打つ、置くなどの意味を持つ英単語。
また、名詞では構想、脚本、描画などの意味を持ち、一定の意味や意図を書き出したものを plot と呼ぶなど、様々な意味で使用されている。
小説・戯曲・映画・漫画等の創作物においては、枠組み・構成のこと。
物語全体の粗筋を前もって構成しておく段階・作業。
物語の中で起きている出来事・真相が時間に沿って並べられたものが「ストーリー」
時間軸に沿っているとは限らないが、出来事の因果関係を示すように再構成したものを「プロット」と呼ぶ。
即ち、
「登場人物が、こういう理由で、ああいう行動をしたから、そういう結末に至った」というのが「ストーリー」
「そういう結末に至ったのは、こういう理由で、登場人物が、ああいう行動をしたからだ」のように組み直したものがプロット。
純文学や短編小説では、プロットらしいプロットのない作品もあるが、エンターテインメントや長編小説などの構成力を必要とする創作では、プロットを練ることが不可欠であると考えられている。
元々は四行から成る漢詩の「絶句」の構成のこと。
一行目から順に起句、承句、転句、結句と呼ぶ。
転じて、物事の展開や物語の文章などにおける「四段構成」を表す概念。
小説や漫画など物語のストーリーや論理的な文章などを大きく四つに分けた時の構成、または各部の呼称。
起承転結の一例
起 → 物語の導入部。
その物語にはどんな登場人物がいるか、どんな世界・時代に住んでいるのか、登場人物同士の関係はどんなものか、なぜその物語は始まるのかなど、これから物語を読む上で必要な知識を紹介する部分。
承 → 「承」は「受ける」の意。
「起」で書いた事柄を受け、さらに進めて理解を促すことにより、物語の導入(起)から、物語の核となる部分(転)へつなぐ役目を果たす部分。
基本的には、単純に物語を進めるだけで、次に続く「転回」「展開」への準備段階。
そのため、あまり大きな展開はしないのが一般的。
転 → 物語の核となる部分。
「ヤマ」「山場」ともいわれ、物語の中で最も盛り上がりを見せる部分。
物語の中でも最も大きな転機を見せる部分であり、読者が知らなかった事柄や想起を超える展開をすることによって関心や興味を引く部分となる。
結 → 「オチ」とも呼ばれる部分。
物語が進んだ結果、「転」での結末が最終的にどうなったのかを描いて物語を締めくくる部分。
本来は雅楽の演奏についての言葉で、雅楽の唐楽などで、曲を構成する三つの部分を表す。
西洋音楽でいうと「楽章」に相当する。
「序」は緩徐で拍子に合わず、中間部の「破」は緩徐で拍子に合い、終部の「急」は急速で拍子に合う。
転じて、連歌、蹴鞠、香道、剣術、抜刀術、居合道など芸道論で使用される言葉。
「序」はゆっくり、「破」は中間、「急」は速く。
あるいは、
「序」はすらすらと、「破」は変化に富ませ、「急」は短く軽快に。
あるいは、
「序」は無事に静かに、「破」は曲折に富んでおもしろく、「急」はさらさらと軽くつけ終わる。
また、文章構成・脚本構成における三段構成を指す概念。
「序」は導入部、「破」は展開部、「急」は結末部の意。
日本での茶道、武道、書道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。
由来には諸説あり、
世阿弥の花伝書(風姿花伝)、
千利休の「利休百首」の一首「規矩作法 守り尽くして破るとも 離るるとても 本ぞ忘るな」
江戸千家流の開祖、川上不白の「不白筆記」「茶話集」の記述
など。
(もっとも、年代時代を考えると、世阿弥の教えを利休が学び、利休の教えを不白が学び、という時空を超えた師弟関係が容易に想像できるが)
仏教では「習絶真」ともいう。
文章全体を五つの部分で構成するもの。
器楽曲のソナタが、多く序奏部→提示部→展開部→再現部→終尾部の五部によって個性されているところから、ソナタ形式とも呼ばれる。
中国では、これを散文の一形式とし、「起承鋪叙結」と称している。
文章全体を六つの部分で構成するもの。