九變篇 第八 − 【九変篇 第八】読み下し文 【2】 BACK | INDEX | NEXT 2019/04/10 update |
孫子曰く、 凡そ用兵の法は、将、命を君より受け、軍を合わせ衆を聚むるに、 圮地には舎ること無く、 地には交を合わせ、 絶地には留まること無く、 囲地なれば則ち謀り、 死地なれば則ち戦う。 塗に由らざる所有り。 軍に撃たざる所有り。 城に攻めざる所有り。 地に争わざる所有り。 君命に受けざる所有り。 故に、将、九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る。 将、九変の利に通ぜざる者は、地形を知ると雖も、地の利を得ること能わず。 兵を治めて九変の術を知らざれば、五利を知ると雖も、人の用を得ること能わず。 是の故に、智者の慮は、必ず利害を雑う。 利に雑うれば、而ち務は信なる可し。 害に雑うれば、而ち患いは解く可し。 是の故に、諸侯を屈する者は害を以てし、諸侯を役する者は業を以てし、諸侯を趨らす者は利を以てなす。 故に用兵の法は、その来たらざるを恃むこと無く吾が以て待つこと有るを恃むなり。 其の攻めざるを恃むこと無く、吾が攻む可からざる所有るを恃むなり。 故に、将に五危あり。 必死は殺さる可き也。 必生は虜にさる可き也、 忿ふん速そくは侮らる可き也。 廉れん潔けつは辱めらる可き也。 愛民は煩わさる可き也。 凡そ此の五者は、将の過ちにして、用兵の災いなり。軍を覆し将を殺すは、必ず五危を以てす。 察せざる可からざるなり。 |
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