った。「家は古いけれど、車庫とお風呂は新品なのよ。新しすぎて、時々使い方が判らなくなるくらい」 そう笑って、Y先生は龍を中庭の端の方にある真新しくて小さな別棟に案内した。 先生のおっしゃるとおり、お風呂はぴかぴかの新品だった。 床と壁はアイボリー色の四角いタイルでできている。洗い場も湯船も5人くらいいっぺんに入ってもまだ遊べるくらいに広い。 そして、壁からはまるで銭湯のように、二口の蛇口と、シャワーのホースが出ていた。 夢のようなお風呂だった。……少なくとも、龍にとっては。