ね? それで、それを私だと思った」
先生がゆっくりと言う。彼は単語を言うこともできずに、大きく頷いた。
「それは多分ひぃちゃんね。だって服が全部彼女のだもの」
「彼女!?」
龍はそう叫んだ……つもりだったのだけど、口から出たのは「かぁ」という間抜けで尻上がりの声だけだった。
鳥脅しの銃声に驚いて逃げ出す瞬間のカラスみたいな声を出しながら、彼はあわててズボンのゴムを引っ張って広げた。薄暗い縦坑の中に白い新品のパンツはが見える。
間違いなく、窓が付いている。
龍はもう一度叫んだ。
「彼女!?」
今度はちゃんと言葉になっていた。