の家族は女の子だと思っているその子は、自分ではどちらだと思っているのだろうか。
「あの、ひぃちゃん……じゃなくて、ヒメコさんにお礼を言いたいんですけれど。服のこと、貸してくれてありがとうって」
龍が言うと、Y先生はちょっと考え込んだ。そして、
「君に会わせて良いかどうか……」
などという、なんだかよくわからない言葉を口の中でモゾモゾ言った。
何故先生が悩んでいるのか、龍にはさっぱり判らなかった。彼は言葉を自分なりに選んで、
「ヒメコさんが会いたくないって言ったら、会いません。でもどうしてもお礼が言いたいです」
頭を下げた。