イソップ寓話「獅子王ライオンネズミのこと」


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AESOP'S FABLES "The Lion And The Mouse"(ジョージ・ファイラー・タウンゼントによる英訳)

A LION was awakened from sleep by a Mouse running over his face. Rising up angrily, he caught him and was about to kill him, when the Mouse piteously entreated, saying: "If you would only spare my life, I would be sure to repay your kindness." The Lion laughed and let him go. It happened shortly after this that the Lion was caught by some hunters, who bound him by strong ropes to the ground. The Mouse, recognizing his roar, came and gnawed the rope with his teeth, and set him free, exclaiming:
"You ridiculed the idea of my ever being able to help you, not expecting to receive from me any repayment of your favor; now you know that it is possible for even a Mouse to confer benefits on a Lion."

直訳的適当日本語訳(Yahoo!翻訳で吐き出された翻訳結果を、意味が通るように手直し)

適当意訳


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天草版イソポ物語(ESOPONO FABVLAS:エソポのハブラス) 16 Xixito , nezumino coto .(ししと , ねずみの こと .)

 Xixivo<no neytta atarini
ししわぅの ねいった あたりに

amatano nezumidomoga faiquai xite faxirimeguttaga ,
あまたの ねずみどもが はいくゎい して はしりめぐったが ,

aru nezumi xixivo<no vyeni tobiagatta toqi ,
ある ねずみ ししわぅのうえに とびゃがった とき ,

xixivo< coreni vobiyete me-uo samaite ,
ししわぅ これに をびえて めを さまいて ,

cano nezumiuo tcuco<de chu<ni saxiagueta :
かの ねずみを つかぅで ちゅぅに さしあげた :

nezumimo socode vo>qini qimouo qexi , tcuxxin=de mo<xitaua :
ねずみも そこで をぅきに きもを けし , つっしんで まぅしたわ :

icani xixivo< qicoximesarei , quantaiuo zonjiteua ,
いかに ししわぅ きこしめされい , くゎんたいを ぞんじてわ ,

tcucamatcuranuto canaximuniyotte ,
つかまつらぬと かなしむによって ,

xixi mo xingiu<ni vomo>ua :
しし も しんぢゅぅに をもぅわ :

monono cazudemo nai cone-zumidomouo vaga teni caqete coroso<coto ,
ものの かずでも ない こねずみどもを わが てに かけて ころさぅこと ,

cayette vaga nauo qegasuni nitato vomo>te ,
かえって わが なを けがすに にたと をもぅて ,

tachimachi yuruite yattareba ,
たちまち ゆるいて やったれば ,

nezumiua amano inochiuo tasucatte
ねずみわ あまの いのちを たすかって

co=no govonuoba itcumademo bo<qiacu tcucamatcurumajijto
この ごをんをば いつまでも ばぅきゃく つかまつるまじいと

reiuo naite satta .
れいを ないて さった .

Arutoqi cano xixivo< san-chu<de vanani cacari ,
あるとき かの ししわぅ さんちゅぅで わなに かかり ,

xindai coconi qiuamattaniyotte coyeuo aguete saqebu fodoni ,
しんだい ここに きわまったによって こえを あげて さけぶ ほどに ,

cudanno nezumiga qi=qitcuqete ,
くだんの ねずみが ききつけて ,

isogui sono fotorini faxiri qite xixivo<ni reiuo naite yu<ua :
いそぎ その ほとりに はしり きて ししわぅにれいを ないて ゆぅわ :

icani xixivo<dono , cocorouo tcucusa xeraruruna :
いかに ししわぅどの , こころを つくさせらるるな :

xennen co<mutta govonuo fo>jitatematcu ro<zuruto yu<te
せんねん かぅむった ごをんを ほぅじたてまつらぅずると ゆぅて

vanano faxibaxiuo curaiqireba ,
わなの はしばしを くらいきれば ,

xixivo< nanno< nogaretato mo<su .
ししわぅ なんなぅ のがれたと まぅす .

Xitagocoro .
したごころ .

Yxei , yquo<no te~cani qicoyevataru yo<na mono totemo ,
いせい , いくゎぅの てんかに きこえわたる やぅな もの とても ,

tareuomo iyaximezu , iyaxijmononimo atauo nasazu ,
たれをも いやしめず , いやしいものにも あたを なさず ,

cayette nasaqeuo saqito xo>coto gia :
かえって なさけを さきと しょぅこと ぢゃ :

icana iyaxijmono naredomo ,
いかな いやしいものなれども ,

toqitoxiteua qinin , co<qeno tasuqeto na=ru cotomo aru mono gia .
ときとしてわ きにん , かぅけの たすけと なる ことも ある もの ぢゃ .
※漢字仮名交じりに変換
獅子王の寝入ったあたりに数多の鼠どもが徘徊して走り巡ったが、ある鼠獅子王の上に飛び上がった時、獅子王これに怯えて目を覚まいて、彼の鼠を掴ぅて宙に差し上げた。
鼠もそこで大きに肝を消し、謹んで申したは、
如何に獅子王聞こし召されい、緩怠を存じては、仕らぬと悲しむによって、
獅子も心中に思うは、
ものの数でもない小鼠共を我が手にかけて殺そうこと、かえって我が名を汚すに似たと思うて、
たちまち許いてやったれば、鼠はあまの命を助かってこのご恩をばいつまでも忘却つかまつるまじいと礼をなして去った。
ある時彼の獅子王山中で罠にかかり、進退ここに極まったによって声を上げて叫ぶほどに、
件の鼠が聞きつけて、
急ぎその辺に走り来て獅子王に礼を為いて言うは、
如何に獅子王殿、心を尽くさせらるるな。
先年蒙った御恩を報じ奉らうずると言うて罠の端々を喰らい切れば、獅子王難なう逃れたと申す。
下心。
威勢、威光の天下に聞こえたるような者とても、誰をも賎しめず、賤しい者にも仇を為さず、かえって情けを先といようことじゃ。
いかな賤しき者なれども、時としては貴人、高家の助けとなることもあるものじゃ。

適当現代語訳。

適当意訳



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元和古活字版『伊曾保物語』廿三 師子王と鼠の事

ある時、師子王前後も知らず臥しまどろみける所に、鼠あまたさしつどい、あそびたはぶれける程に、臥たる獅子王の上に鼠一つとびあがりぬ。
其時、獅子王めさめをどろき、この鼠を取りて提げ、すでにうち碎かんとしけるが、獅子王心に思やう、「これほどの者共を失ひければとて、いかほどの事あるべきや」といひて、助け侍りき。
鼠命を拾い、
「さらに我ら巧みける事に侍らず。あまりにあそびたはぶれける程に、まことのけがにて侍れ」
と、かの獅子王を禮拜して去りぬ。
其後、獅子王有所にてわなにかゝり、すでに難儀におよびける時、鼠此由を聞きて、急ぎ師子王前に馳せ參じ、
「いかに師子王、きこしめせ。いつぞやわれらを助け給ふその御恩に、今又助け侍らん」
とて、かのわなの端々を食ゐ切り、獅子王を救ひてけり。
そのごとくに、あやしの物なりとて、したしくなつけ侍らんに、いかでかその徳を得ざらん。たゞ威勢あればとて、凡下の者をいやしむべからず。

適当現代語訳。

適当意訳


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通俗伊蘇普物語(渡部温 訳) 第二十四 獅子と鼠の話

或日獅子王ほらに在りて假寐まどろみける時、鼠あちこちかけあるく拍子に、 獅子王の鼻へかけ上り、午睡ひるねの夢をおどろかしければ、 手をさしのばし、ふるへ居る鼠を押へ、只一潰しになさんとせしに、 鼠かなしげなるこゑをあげ、「不思つひいたしたので御座います、 どうぞ助けて下さりませ。私の樣な小身の奴に、貴い御手を御汚しなされましては勿體なう存じます」と云へば、 獅子王鼠の恐れたる樣を見て、笑ひながら許しけり。後ほどなく、 獅子王獸をかつてはしり廻るとき、獵夫れうしかけたる罠にかゝり、 逃れんとするに逃れられず、そこで大きな聲をあげて、吼狂ひゐると、 以前助けられたる鼠が遙かに聞つけ、彼聲あれはなんでも恩をうけたかたに違ひないと、 ぢきに其處へかけて來て、獅子にからまりたる繩を噛切り、無難なんなく救ひ出しけるとぞ。
ひとへ親切をするのは決して無益むだにはならぬ。 どの樣のものでも、恩を受て恩を報ふ事の出來ぬといふ樣なことはないぞ。

適当現代語訳。

適当意訳


参考文献
プロジェクトグーテンベルグ:AESOP'S FABLES(http://www.gutenberg.org/files/21/21-h/21-h.htm)
「イソップ」の世界:http://aesopus.web.fc2.com/
「イソップ」の世界 別館:http://esopo.fc2web.com/
物語倶楽部:渡邊譯 通俗伊蘇普物語(Internet Archive)
OKAJIMA_Akihiro:岡島昭浩(国語学者。大阪大学教授):http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/
天草版伊曾保物語(エソポのハブラス)ローマ字:http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/esopo.txt
天草版伊曾保物語(エソポのハブラス)仮名置換:http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/esopo_k.txt

ファイル作成日:2012年1月20日
「天草版イソポ物語」追記:2012/01/21

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