イソップ寓話「獅子王と鼠のこと」
- 適当現代語訳と、適当意訳は「神光寺かをり」によるものです。
- 引用・転載は自由です
ただし、何分、素人による適当な翻訳なので、解釈などが間違っている可能性がないとも言えません。
ご注意ください。
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AESOP'S FABLES "The Lion And The Mouse"(ジョージ・ファイラー・タウンゼントによる英訳)
A LION was awakened from sleep by a Mouse running over his face. Rising up angrily, he caught him and was about to kill him, when the Mouse piteously entreated, saying: "If you would only spare my life, I would be sure to repay your kindness." The Lion laughed and let him go. It happened shortly after this that the Lion was caught by some hunters, who bound him by strong ropes to the ground. The Mouse, recognizing his roar, came and gnawed the rope with his teeth, and set him free, exclaiming:
"You ridiculed the idea of my ever being able to help you, not expecting to receive from me any repayment of your favor; now you know that it is possible for even a Mouse to confer benefits on a Lion."
直訳的適当日本語訳(Yahoo!翻訳で吐き出された翻訳結果を、意味が通るように手直し)
- ライオンは、彼の顔の上で走り回るネズミによって、睡眠から呼びさまされました。
彼(ライオン)は怒って起き上がり、彼(ネズミ)を捕えて、彼(ネズミ)を殺そうとしたので、
ネズミは悲しげに次のように言って頼みました。
「あなたが私の命を助けてくださったなら、私は絶対にあなたの親切にお返しをします」
ライオンは嘲笑しつつ、彼を行かせました。
その直後、ライオンがあるハンターによって捕えられるという出来事が起きました。
彼は強いロープで地面に縛り付けられたのです。
ネズミは、吠え声をで彼(ライオン)と知ると、来て、彼(ネズミ)の歯でロープをかじって、彼(ライオン)を自由の身にしました。
そして、大声で言ったのです。
「あなたは私がきっとあなたを助けることができると言ったことを嘲笑しました。そして、私からあなたの親切に対するいかなるお礼をも受けられるとは思っていませんでした。今あなたは、ネズミであってもライオンに利益を与えられるということを知っています」
適当意訳
- 眠っているライオンの顔の上でネズミが走り回りました。
昼寝の邪魔をされたライオンは怒って起き上がり、ネズミを掴まえ、殺してしまおうとしました。
するとネズミが悲しそうに
「助けて下さるなら、絶対恩返しをします」
と頼むので、ライオンは「くだらない話だ」と笑いながら、ネズミを放してやりました。
そのすぐ後のことです。
ライオンは猟師に捕まって、頑丈なロープで縛り付けられました。
ライオンは大きな声で吠え声で鳴きました。
その声を聞いたネズミは、ライオンの元に駆け付けると、ロープを囓って切ったのです。
ライオンが自由の身になると、ネズミは大得意で言いました。
「わたしが『きっとお礼をします』言ったとき、あなたはわたしをバカにしました。ネズミなんかには何にも出来ないと思っていたでしょう。でも今は、ネズミだってライオンの役に立てるってことを、よくご存じですよね」
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天草版イソポ物語(ESOPONO FABVLAS:エソポのハブラス) 16 Xixito , nezumino coto .(ししと , ねずみの こと .)
Xixivo<no neytta atarini
ししわぅの ねいった あたりに
amatano nezumidomoga faiquai xite faxirimeguttaga ,
あまたの ねずみどもが はいくゎい して はしりめぐったが ,
aru nezumi xixivo<no vyeni tobiagatta toqi ,
ある ねずみ ししわぅのうえに とびゃがった とき ,
xixivo< coreni vobiyete me-uo samaite ,
ししわぅ これに をびえて めを さまいて ,
cano nezumiuo tcuco<de chu<ni saxiagueta :
かの ねずみを つかぅで ちゅぅに さしあげた :
nezumimo socode vo>qini qimouo qexi , tcuxxin=de mo<xitaua :
ねずみも そこで をぅきに きもを けし , つっしんで まぅしたわ :
icani xixivo< qicoximesarei , quantaiuo zonjiteua ,
いかに ししわぅ きこしめされい , くゎんたいを ぞんじてわ ,
tcucamatcuranuto canaximuniyotte ,
つかまつらぬと かなしむによって ,
xixi mo xingiu<ni vomo>ua :
しし も しんぢゅぅに をもぅわ :
monono cazudemo nai cone-zumidomouo vaga teni caqete coroso<coto ,
ものの かずでも ない こねずみどもを わが てに かけて ころさぅこと ,
cayette vaga nauo qegasuni nitato vomo>te ,
かえって わが なを けがすに にたと をもぅて ,
tachimachi yuruite yattareba ,
たちまち ゆるいて やったれば ,
nezumiua amano inochiuo tasucatte
ねずみわ あまの いのちを たすかって
co=no govonuoba itcumademo bo<qiacu tcucamatcurumajijto
この ごをんをば いつまでも ばぅきゃく つかまつるまじいと
reiuo naite satta .
れいを ないて さった .
Arutoqi cano xixivo< san-chu<de vanani cacari ,
あるとき かの ししわぅ さんちゅぅで わなに かかり ,
xindai coconi qiuamattaniyotte coyeuo aguete saqebu fodoni ,
しんだい ここに きわまったによって こえを あげて さけぶ ほどに ,
cudanno nezumiga qi=qitcuqete ,
くだんの ねずみが ききつけて ,
isogui sono fotorini faxiri qite xixivo<ni reiuo naite yu<ua :
いそぎ その ほとりに はしり きて ししわぅにれいを ないて ゆぅわ :
icani xixivo<dono , cocorouo tcucusa xeraruruna :
いかに ししわぅどの , こころを つくさせらるるな :
xennen co<mutta govonuo fo>jitatematcu ro<zuruto yu<te
せんねん かぅむった ごをんを ほぅじたてまつらぅずると ゆぅて
vanano faxibaxiuo curaiqireba ,
わなの はしばしを くらいきれば ,
xixivo< nanno< nogaretato mo<su .
ししわぅ なんなぅ のがれたと まぅす .
Xitagocoro .
したごころ .
Yxei , yquo<no te~cani qicoyevataru yo<na mono totemo ,
いせい , いくゎぅの てんかに きこえわたる やぅな もの とても ,
tareuomo iyaximezu , iyaxijmononimo atauo nasazu ,
たれをも いやしめず , いやしいものにも あたを なさず ,
cayette nasaqeuo saqito xo>coto gia :
かえって なさけを さきと しょぅこと ぢゃ :
icana iyaxijmono naredomo ,
いかな いやしいものなれども ,
toqitoxiteua qinin , co<qeno tasuqeto na=ru cotomo aru mono gia .
ときとしてわ きにん , かぅけの たすけと なる ことも ある もの ぢゃ .
※漢字仮名交じりに変換
獅子王の寝入ったあたりに数多の鼠どもが徘徊して走り巡ったが、ある鼠獅子王の上に飛び上がった時、獅子王これに怯えて目を覚まいて、彼の鼠を掴ぅて宙に差し上げた。
鼠もそこで大きに肝を消し、謹んで申したは、
如何に獅子王聞こし召されい、緩怠を存じては、仕らぬと悲しむによって、
獅子も心中に思うは、
ものの数でもない小鼠共を我が手にかけて殺そうこと、かえって我が名を汚すに似たと思うて、
たちまち許いてやったれば、鼠はあまの命を助かってこのご恩をばいつまでも忘却つかまつるまじいと礼をなして去った。
ある時彼の獅子王山中で罠にかかり、進退ここに極まったによって声を上げて叫ぶほどに、
件の鼠が聞きつけて、
急ぎその辺に走り来て獅子王に礼を為いて言うは、
如何に獅子王殿、心を尽くさせらるるな。
先年蒙った御恩を報じ奉らうずると言うて罠の端々を喰らい切れば、獅子王難なう逃れたと申す。
下心。
威勢、威光の天下に聞こえたるような者とても、誰をも賎しめず、賤しい者にも仇を為さず、かえって情けを先といようことじゃ。
いかな賤しき者なれども、時としては貴人、高家の助けとなることもあるものじゃ。
適当現代語訳。
- ライオンがぐっすり眠っていた近辺で沢山のネズミ達が歩き回り走り回っていたが、ある鼠がライオンの上に飛び上がった時、ライオンはこれに驚いて目を覚まし、そのネズミを掴んで宙に持ち上げた。
ネズミは大いに肝を冷やして、謹んで申したことには、
「どうかライオン様、聞いてくださいませ。無礼をはたらいて申し訳ありません」
と悲しむので、ライオンも心の中で、
「ものの数でもないネズミなどを、我が手にかけて殺したとあっては、かえってこのライオンの名を汚すことになるだろう」
と思って、すぐに赦してやったならば、ネズミは
「危うい命を助けていただきました、このご恩は、何時までも忘れません」
と、礼を言って去っていった。
ある時、あのライオンが山の中で罠にかかり、ついに進退窮まったと、大声で叫んだところ、
件のネズミがその声を聞きつけて、急ぎその場所へ走ってきて、ライオンに礼を尽くして言うことには、
「どうかライオン殿、諦めないでくださいませ。先日いただいたご恩に報いましょう」
と、罠のあちらこちらを囓って切れば、ライオンは難なく逃げ出すことが出来たという。
教訓。
権力や勢いのある大人物であったとしても、誰をも馬鹿にせず、また力のない者を虐げたりせず、むしろ進んで優しくしなければならない。
どんなに力のない(身分の低い)者であっても、時として高貴な人々や力のある人々を助けることが出来るのだ。
適当意訳
- ライオン王のベッドの側に、ネズミが集まり、駆け回る。
調子に乗った一匹が、ベッドの上に駆け上がり、眠るライオンの体の上に、勢い余って飛び乗った。
ライオン王は吃驚仰天、慌てて飛び起き、ネズミめを捕まえ摘んで持ち上げた。
ネズミは怖くて冷や汗流し、心を尽くして丁寧に、
「王様、王様、ごめんなさい。大変な無礼をはたらきまして、どんなに謝っても足りないでしょうが、どうか赦してくださいませ」
泣いて申し上げたなら、ライオン王はこれを見て、
「こんな哀れな小鼠を、怒りにまかせて殺したならば、世の人々はこの私を、蔑み嗤うことだろう」と、
すぐにネズミを放してやった。
ネズミはペコペコ頭を下げて、
「命を助けていただいて、本当に有難うございます。ご恩は一生忘れません」
急いで家へ帰っていった。
しばらく経って、ライオンが山を歩いていたところ、罠にかかって捕らわれた。
どう足掻いても逃げられないと、覚悟を決めたライオンは、一声吠えて悲しんだ。
その吠え声を聞きつけた、件のネズミは大急ぎ、ライオンの元へ駆け付けて、
「王様、どうか落ち着いて。いつぞや受けたこのご恩、今この場にて報いましょう」
と、罠に取りつきあちこちを囓って縄をかみ切れば、あっさりと、ライオンは逃げ出せた。
偉くて強い人ならば、他人を馬鹿にしたりせず、弱い人を苛めずに、進んで優しくしてあげよう。
偉くなくって弱くても、人の助けができるのだから。
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元和古活字版『伊曾保物語』廿三 師子王と鼠の事
ある時、師子王前後も知らず臥しまどろみける所に、鼠あまたさしつどい、あそびたはぶれける程に、臥たる獅子王の上に鼠一つとびあがりぬ。
其時、獅子王めさめをどろき、この鼠を取りて提げ、すでにうち碎かんとしけるが、獅子王心に思やう、「これほどの者共を失ひければとて、いかほどの事あるべきや」といひて、助け侍りき。
鼠命を拾い、
「さらに我ら巧みける事に侍らず。あまりにあそびたはぶれける程に、まことのけがにて侍れ」
と、かの獅子王を禮拜して去りぬ。
其後、獅子王有所にてわなにかゝり、すでに難儀におよびける時、鼠此由を聞きて、急ぎ師子王前に馳せ參じ、
「いかに師子王、きこしめせ。いつぞやわれらを助け給ふその御恩に、今又助け侍らん」
とて、かのわなの端々を食ゐ切り、獅子王を救ひてけり。
そのごとくに、あやしの物なりとて、したしくなつけ侍らんに、いかでかその徳を得ざらん。たゞ威勢あればとて、凡下の者をいやしむべからず。
適当現代語訳。
- ある時ライオンが前後不覚に眠っているところに、鼠が何匹か集まって遊んでいるうちに、寝ているライオンの上に一匹の鼠が飛び乗った。その時ライオンは目を覚まし、この鼠を捕まえてつまみ上げ、打ち殺してしまおうとしたが、ライオンは胸の内で考えて
「この程度の者を殺したところで、何の得になるだろうか」
と言って、助けた。
命拾いした鼠は、
「私たちは決してわざとやったのではありません。遊び戯れているうちに、本当に過ちを犯してしまっただけなのです」
と言ってライオンに何度も頭を下げて拝み、去っていった。
その後、ライオンはあるところで罠にかかり、逃げられなくなったとき、鼠はこれを聞きつけて、急いでライオンの前にはせ参じ、
「王様お訊き下さい。いつぞや我々を助けてくださったそのご恩に報い、今お助けいたします」
と言って、罠の端々を食い切り、ライオンを救い出した。
このように、小さな者であったとしても親切にしてやれば、それによって徳を得ることもある。
ただ威勢のあるからと言って、目下の者を軽んじてはならない。
適当意訳
- 広いサバンナの茂みの中で、ライオンの王様、ぐっすりねんね。
近くにネズミが集まって、跳んだり跳ねたり運動会。
元気なチビスケ一匹大ジャンプ、ライオンの背中に飛び乗った。
王様、びっくり飛び起きて、チビのネズミを掴まえた。
仲間のネズミは大慌て。
「王様、王様、ごめんなさい。わざとやったんじゃありません。遊んでいるうちに間違って、やってしまったことなのです」
みんなで揃って謝った。
ライオン王は怒っていたが、
『こんな程度のいたずらに、いちいち腹を立てたって、何の得にもなりはせぬ』と考えて、
「もう良い、赦す」
と仰せになった。
ネズミは喜び、王様の広い心に感謝して、何度も頭をペコペコ下げて、みんなで家に帰っていった。
何日か過ぎたある日のこと。
猟師が仕掛けた一つの罠に、ライオン王は捕らえられ、ロープでグルグル縛られた。
それを知ったネズミ達は、危ないことは承知の上で、王様の元へ駆けてきて、
「王様、王様、あの時はぼくたちを助けてくれてありがとう。あの時のお返しを今します」
そしてネズミは、ライオンの体をしばるロープに飛び付いて、皆でガリガリかじりつくと、あっと言う間にロープは切れて、ライオン王は助かった。
強くて大きい人だって、威張るばかりじゃ偉くない。
どんな相手にも親切にすれば、巡り巡って親切が自分に返ることもある。
弱くて小さい人だって、弱くて小さい力を使い、他人を助けられるもの。
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通俗伊蘇普物語(渡部温 訳) 第二十四 獅子と鼠の話
或日獅子王洞に在りて假寐ける時、鼠あちこち駈あるく拍子に、
獅子王の鼻へかけ上り、午睡の夢をおどろかしければ、
手をさしのばし、ふるへ居る鼠を押へ、只一潰しになさんとせしに、
鼠哀げなるこゑをあげ、「不思いたしたので御座います、
どうぞ助けて下さりませ。私の樣な小身の奴に、貴い御手を御汚しなされましては勿體なう存じます」と云へば、
獅子王鼠の恐れたる樣を見て、笑ひながら許しけり。後ほどなく、
獅子王獸を駈てはしり廻るとき、獵夫の設たる罠にかゝり、
逃れんとするに逃れられず、そこで大きな聲をあげて、吼狂ひゐると、
以前助けられたる鼠が遙かに聞つけ、彼聲はなんでも恩をうけた獸に違ひないと、
直に其處へかけて來て、獅子に纒りたる繩を噛切り、無難救ひ出しけるとぞ。
他へ親切をするのは決して無益にはならぬ。
どの樣のものでも、恩を受て恩を報ふ事の出來ぬといふ樣なことはないぞ。
適当現代語訳。
- ある日ライオンが洞穴の中でまどろんでいると、ネズミがあちこち駆け回る拍子に、ライオンの鼻へ駆け上がり、昼寝の夢からさめさせたので、(ライオンは)手を差しのばして、震えるネズミを押さえつけ、ひと思いに潰してくれようとしたのだが、ネズミが悲しげな声を上げて
「思わずやってしまったのでございます、どうか助けて下さい。私のようなちっぽけな者のために、尊いお手をお汚しなさっては、申し訳ありません」
と言うので、ライオンはネズミの恐れ入った様子を見ると、笑いながら赦してやった。
その少し後に、ライオンが獲物を追いかけて駆け回っていたとき、猟師の設置した罠にかかって、逃げようとしても逃げられず、大きな声を上げて吼え狂っていると、以前助けられたネズミが遙か遠くで聞きつけて、「あの声はあの時恩を掛けて下さった方に違いない」と、すぐにそこへ駆けて来て、ライオンに絡まっていた縄を噛み千切り、難なく助け出したのだった。
他人に親切にするのは決して無駄なことではない。どのような人であっても、恩を受けて恩に報いることが出来ないというようなことはないのだ
適当意訳
- ある日のこと。ライオンの王様が洞穴の中でうとうとと夢を見ておられました。
近くでネズミ達が駆け回っていたのですが、ちょっとした拍子に、一匹がライオンの鼻の上へ駆け上がってしまいました。
昼寝の邪魔をされたライオンは、鼻の上に手を伸ばしてネズミを掴まえると、地面に押さえつけて、「このままぺちゃんこに潰してやろうか」と考えました。
ところが、ネズミがぶるぶる震えて、哀しそうに泣きながら、
「わざとじゃありません。ついうっかりやってしまったのです。どうか助けて下さい。あなたのような立派な王様のその尊いお手は、私のようなネズミの命のような取るに足らないもののために、使ってはいけないものでございます」
ライオンは、ネズミが自分を畏れ怖がる様子を見るうちに、「こんな小者を殺してもつまらない」と思い直して、笑ってネズミを逃がしてやりました。
数日後のことです。
ライオンは狩りをしようと、広い草原を駆けておられました。
霧中で走っていたので、猟師が仕掛けた罠に気付かず、捕らえられてしまったのです。
逃げようにも縄がきつく締め付けて、逃げることが出来ません。
ライオンは哀しくなって、大きな声で何度も吼えました。
その声は草原を渡り、遙か遠くにいたあのネズミの耳に届いたのです。
「あ、あの声は、あの時私を赦してくれた王様だ。きっと何かあったに違いない」
ネズミは大急ぎで声のする方へ駆けました。
そして、ライオンにからみついた縄に噛み付くと、それを食い千切って、あっと言う間に助け出したのでした。
人に親切にするというのは、決して無駄なことなどではありません。
どんな人だって、助けてもらったお礼を出来ないなんて事はないのですから。
参考文献
プロジェクトグーテンベルグ:AESOP'S FABLES(http://www.gutenberg.org/files/21/21-h/21-h.htm)
「イソップ」の世界:http://aesopus.web.fc2.com/
「イソップ」の世界 別館:http://esopo.fc2web.com/
物語倶楽部:渡邊譯 通俗伊蘇普物語(Internet Archive)
OKAJIMA_Akihiro:岡島昭浩(国語学者。大阪大学教授):http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/
天草版伊曾保物語(エソポのハブラス)ローマ字:http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/esopo.txt
天草版伊曾保物語(エソポのハブラス)仮名置換:http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/esopo_k.txt
ファイル作成日:2012年1月20日
「天草版イソポ物語」追記:2012/01/21
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