龍蝨―りゅうのしらみ―



一・黒方 / 二・兵部 / 三・小童 / 四・火闥 / 五・源五郎
六・初子 / 七・文机 / 八・小太郎 / 九・誕生 / 十・妙案
十一・命名 / 十二・龍蝨 / 余録

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年の瀬も押し迫ってきたその日、
甲州・躑躅ヶ崎館内の真田源五郎の元に、
二つの知らせが届けられた。

一つは「親しい友」との別れ。
もう一つは、新しい命の誕生。


『せめて来年の間は、何事も起きなければ良いな』

微笑む源五郎は、年が明ければは十八歳となる。



これは、ツンデレな兵部と、わがままな源太郎とに振り回される、源五郎の話――。


※読者諸兄へ
 この物語はフィクションゆえ、寛大な読者のみなさまにおかれては、なにとぞ重箱の角をつつかないよう御願いします。

 
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