※脚注
杜牧:字は牧之。号は樊川。七言絶句を得意とした、中国晩唐期の詩人。803年生−853年没
赤壁:中国湖北省の長江沿いにある古戦場。
208年(後漢−三国時代)に魏の曹操軍と呉の孫権・蜀の劉備連合軍の間で起きた合戦により有名。
景勝地でもあり、多くの詩人によって歌われる。
(ちなみに現在「赤壁」と呼ばれている場所は、本来の古戦場とは位置がかなり違う)
【赤壁】 杜牧
折戟沈沙鉄未銷
戟(矛の一種)の破片の鉄が砂に埋もれていたが、未だにさび朽ちていなかった
自将磨流認前朝
私が洗い磨いてみると、前の王朝(三国時代)のものだと判った
東風不与周郎便
もしあの合戦の時(赤壁大戦)に東風が呉の軍師・周瑜の優位に吹いていなかったとしたら
銅雀春深鎖二喬
彼の妻の小喬と呉主・孫権の兄嫁である大喬の美人姉妹は曹操によって
銅雀台の宮殿に閉じこめられてしまっていのかもしれない