、今すぐ16になるのは無理だぜ」「そんなこと、判ってます!」 ブライトの言うことは正しい。 涙がこぼれそうになるのを、エルはじっと堪えていた。「弱い自分が、それでも独りで戦おうってのが、そもそも間違ってるってのも、判ってるか?」 正論が、エルの瞼の堰を打ち砕いた。涙が滝となって頬を伝い、大地に落ちる。「泣くな」 ブライトは視線を逸らした。「俺は女の涙に弱い。泣いてる女を見ると、無性に助けたくなる」 無精ひげの中の口元に、微笑みが見えた。