龍神様がお住みになるんですか?」 男の人は見開いた目で龍を見た。目玉はものすごく高いところから水面まで、とても長い距離をなぞって動いている。「そりゃぁとんでもなく大きくて立派なお宮を建てねばならんのでしょうか?」 かなり不安そうな声で男の人は訊ねた。「心配ありません。龍は川よりも長い身体を、わらしべより小さくすることができます。ですから社はとても小さな物でよいのです。屋根があって、壁があって、出入り口があれば……そう、庄屋さんの家の仏壇よりも二回りほど小さい物を建ててくださいな」