付き従いて…… − 【2】

、弟同然に扱っているので、義娘の王索は簡雍を叔父として敬っている。
 歯切れの好い返事を聞いて、簡雍は薄目を開けた。
「さっきの計算だがな、間違っているぞ」
「は?」
 王索はきょとんとした目で簡雍を見た。周囲の者の視線も、全て彼に集まる。
 視線の中心で、簡雍はゆっくりと上体を起こした。そして欠伸を一つしてから言った。
「翼徳が一年間に腹ン中に捨てちまう酒は、兵千余りを三年間飢えさせる。百人じゃ利かねぇよ」
 簡雍に視線を浴びせていた者すべてが爆笑した。
 ただ一人、張飛を除いて。
 
 かくして禁酒令は発動し、違反者には十杖以上の棒罰が科せられる事と相成った。


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2014/09/20update

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まろやか連載小説 1.41
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