今井 新悟 (著)
出版社: アルク (2011/12/24)
最初に英語の「have」を習ったとき、ほとんどの人が「have=持っている」と覚えたと思います。
しかし、学習が進むにつれて、「have」には「経験する、食べる、飲む、~させる、分かる」など、いろいろな意味があることを知り、戸惑った人も多いのではないでしょうか?
この「have」のように、いろいろな意味を持つ語を「多義語」と言いますが、もちろん日本語にも多義語があり、日本語学習者にとってもこの多義語の学習は
困難なものになっています。
例えば、「さむい」という語ですが、“今年の冬はとても寒い”のように「気温が低い」という意味は授業や参考書などで最初に習うと思います。
しかし他にも、“恐ろしさで背筋が寒くなった”のような「恐怖でぞっとする」、“独身生活は心が寒くなる”のような「なんとなく寂しい・悲しい」、“政府のお寒い政策にはあきれる”のような「中身が少なくて貧弱だ」、“あの芸人のコントは寒い”のような「おもしろくない」といった意味があります。
しかし、これらの意味を日本語学習者が習う機会はあまりありません。
このような多義語を体系的に学習し表現の幅を広げることが、さらに上のレベルに進む重要なポイントになっているのです。
本書は『
日本語多義語学習辞典 名詞編』に続く第二弾で、主に初級で学習する基本形容詞・副詞のうち多義性の強い84語を選び、多義の構造をネットワーク図で示します。
また、イラストとともにそれぞれの意味を説明しますので、イメージで多義語を理解できるようになっています。
日本語学習者、日本語教師、ともにお薦めです。
英語・韓国語・中国語訳付き
2011/12/23(Fri)21:59