錬金術
クレール光の伝説
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※始めに ReadMe※
このページは、幻想・あるいは疑似科学・哲学としての錬金術に関するメモ書きです。
荒川ちきんぢょーじ弘先生の「鋼の錬金術師」とか、山本英夫先生の「ホムンクルス」とか、和月伸宏先生の「武装錬金」とか、株式会社ガストさんの「アトリエシリーズ」といった作品とはあんまり関係ないです。

またこのページの内容は、サイト管理者が古い著述や各種資料、あるいは先達の口伝などを読み聞きして得た情報を、サイト管理者本人が自分の創作のヒントとする為の覚え書きとして纏めたものです。
そのためサイト管理者の主観や思いこみ、あるいは記憶間違いによる誤った記述などが大いに混じっており、学術的に正しくない可能性が高くなっています。
それでもよろしければどーぞご覧下さい。
サイト管理者:銀凰恵(神光寺かをり)拝

お客さん、だめですよ。
ほら、そこかしこに「……と言われている」「……とされる」「……らしい」「……のようだ」「……と考えていた」「説がある」って、もやもやしたことが書いてあるじゃないですか。
だからね、お客さん。
ここに書いてあることを、本気で「やれる」とか、「事実だ」なんて、そんなこと信じちゃぁいけませんやね。
ええ、確かにホントのことだっていくらかは書いてありますがね。
事実、あの当時の「錬金術師」たちは真面目に研究していた訳で。
その探求心は真実だし、そこから「副産物的に」生み出された物の中には、世の中の役に立つモノがたくさんあったわけで。
玉石混合ってヤツですよ、お客さん。情報は選ばないといけませんや。
ほら、「ウソをウソと見抜けない人は(インターネットを使うことは)難しい。byひろゆき」って名言もあるでしょ。
ねえ、お客さん。
黄金だの、不老不死のクスリだの、ましてや生命体なんてものを作ろうなって事は、そりゃあなた、カミサマに対する領空侵犯と違いますかね。
そりゃね、そこを目指して飛ぶことも、できるだけ近づこうって努力することも、あるいは雲間から眺めることも悪いこっちゃありませんがね。
でも今のまま着地しようなんて考えちゃいけませんって。
滑走路どころかか、平らな地べたがあるって保証もない。
大体、ここにある程度の材料でこさえた翼じゃ、まともに飛べたもんじゃない、って話しもありますし。
不信心とは言えど、一応迷える子羊の一匹であるサイト管理者拝
※2007/07/23 ページが重くなりましたので、データの分割を行いました。
覚書メニュー>> 錬金術 賢者の石 ホムンクルス パラケルスス メリッサ エリクサー 参考書籍他
錬金術 alchemy※
現代では無(ないしは極少量の材料・元手)から莫大な「有用なもの(金銭・財産)」を生み出す技術(または詐欺行為)のことを指す言葉となってしまっている言葉。
だが本来は中世の最先端科学技術を指す言葉であり、「不完全な物を完全な物に変えることを目的とする術」のことである。
崩れたバランスを戻し、不純物を取り去り、完全な真実を突き詰める「学問」。
病という不完全な状態から健康体という完全な状態にする。
卑賤という不完全な状態から高貴という完全な状態にする。
不純という不完全な状態から純粋という完全な状態にする。
その方法を研究し、実験し、実践する学問である。

たとえば、鉛という金属がある。重いが、輝きのないこの金属を、錬金術師は「病んだ金属」 あるいは「卑金属」と呼んだ。
この金属の病を取り除けば、「健康な金属」「貴金属」すなわち金銀になる…という理論。
現実に「健康な金属」を作り出せたかどうかは疑問であるし、錬金術師を騙る詐欺師も多くいた。
しかし、メッキ技術や薬剤の調合、あるいは哲学的思想という点で、功績を残している。

さて、錬金術と言えば「賢者の石(Phirosophier's Ston/Lapidis Philosophorum)」である。
金・銀・硫黄・水銀・塩を原材料とした完全無欠の物体で、水・風・土・炎のすべての元素を内包した「第五の元素(Fiveth Element)」とも呼ばれる。
石と言うが、粉末という説も、液体という説もある。ともかく「卑金属を黄金に変え、あらゆる病をいやし、ガラスを作り、宝石を赤く染める」力のある、赤い物質であるという。
ホムンクルスをこしらえたとされるパラケルススは、これを錬成することにも成功したと言われる。
その説によると、これを用いて万能薬エリクサーを作りだし、医療活動を行っていた。
彼が名医であったがために生まれた伝説か、事実であるのかは定かでない。
参考文献 他※
個人的な見解
錬金術師は金を錬成することと永遠の命を得る方法を知ることを最終目的としていたが、その そのほかにも様々な研究をしていた。
医薬品、顔料・染料、毒物、兵器、魔術…彼らは当時の科学力では「人智を超越する」とされ る現象を研究していたのだ。
それは、キリスト教社会では「神に逆らう行為」と誹られかねないものだった。

当時、病は「神からの警告、あるいは罰」と考えられていた。病を得るのは信心が足りないか ら、信仰を深めれば神が病をいやしてくれる…というのが一般的な考え方であった。
であるから、信心に依らずに病を治療する行為は、すなわち神に逆らう行為とされ、薬などの 治療法を考えることそのものが異端思考と見られていた。

薬や手術によって患者を治療する「医者」は呪術者と同等の存在であり、その身分は低かった。
場合によっては魔女裁判に掛けられることもあった。

そもそも錬金術師が研究と思想のよりどころとした「ヘルメス学」などの「古い書物」は、キリスト教がヨーロッパに入ってくる以前の宗教体系の中で編纂されたモノである。
ゆえに、その記述は古い神々への信仰を基としている。
しかし、一神教であるキリスト教にとっては、主である神以外の神は総て悪魔・邪神とされている。
その思考を受け継ぐ者たちもまた、邪悪な者として排斥しなければならない存在だった。

錬金術師たちは、自身の思考が邪悪なモノであると判断されない為に、様々な抜け道を考えた。 代表的なモノが「ヘルメス学の創始者」の存在である。
錬金術師たちは、ヘルメス=トリスメギストスなる人物が残した断片的な文書を再編したとす る「ヘルメス文書」を自身の学問のよりどころとしている。
しかし、このヘルメス=トリスメギトスなる人物は、架空の存在であると断じて良い。
ギリシャ神話の伝令と医術と音楽と泥棒の神「ヘルメス」(ローマ神話のメリクリウス、英語 でマーキュリー)こそが、この人物の正体だ。(マーキュリーは錬金術師たちが研究で多用す る「水銀」の英語名でもある)

教会が否定する多神教の神の思想を実践していることを隠すため、錬金術師たちはヘルメスを 実在の人物であると主張したのだ。
しかも「トリメギストス…三倍に偉大なる者」という苗字に見せかけた尊称までつけて。

古き科学者達が相当な苦難の末に研究してきた事柄が、現在に大いに役立っていることを忘れ てはいけないだろう。

…ちなみに、筆者はキリスト教徒である。
それもプロテスタント(一歩間違うと「キリスト教原理主義」…)の。