幻惑の【聖杯の三】 − 【11】

は、崩れるように剥がれ落ち、地面の上で腐った血の水たまりを作った。
 そしてエル・クレール自身はというと、吊り糸を断ち切られた飾り人形さながらに、ブライトの腕の中に倒れ込んだ。
 ブライトは安堵したが、少々不満をも感じていた。
 理由は二つある。
 一つ目は、自信の力でエル・クレールを助けられなかったこと。
 もう一つはというと、多産の女神そのままにふくよかであったエル・クレールの肉体が、あっという間に元通りの細身に戻ってしまったことだった。


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2014/09/26update

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まろやか連載小説 1.41
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