埋もれた歴史 幕末横浜で西洋馬術を学んだ上田藩士を追って東郷えりか (著)
出版社 : パレード
発売日 : 2020/9/15
上田藩の馬医だったらしい、としか子孫に伝わっていなかった高祖父の名前をグーグル検索したところ、ウィリアム・ウィリス医師がハリー・パークス公使に宛てた報告書が見つかった。
高祖父の名前が書かれたその一文を手がかりに、元禄時代まで祖先をたどり、幕末に生きた高祖父に関しては写真まで探し当てた一翻訳者の調査記録。
上田藩の馬役だった高祖父は、いち早く開国論を唱えた佐久間象山のもとで学び、ペリー来航時と日米修好通商条約締結時に二度老中を務め、日本を開国させた上田藩主、松平忠固に仕え、イギリス公使館付騎馬護衛隊長として幕末の横浜居留地にいたアプリン大尉のもとに通って西洋馬術を学んでいた。
筆文字の古文所から当時の新聞記事や日記まで、国内外の多数の文献や古写真に当たり、足で歩いて現場を確かめた結果、歴史の定説がいかに間違っていたかがもわかり、増えつづける疑問が原動力となって、五年半にわたりわずかな隙間時間を掻き集めて、調査・執筆を進めてきた。
一次史料を多く用いた考察で、すらすら読める内容ではないが、専門の研究者だけでなく、歴史散歩の愛好者や、祖先探し、古写真に関心のある方にも読んでいただきたい。
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みんなでつくる信州上田デジタルマップ|『埋もれた歴史』自費出版の労作※
埋もれた歴史:幕末横浜で西洋馬術を学んだ上田藩士を追って