なぞってみる女性の瞳に、再び不安が浮かんだ。
『そうか、この人は相当長い間道に迷っていらしゃったんだ。それもたった一人で。だから、この先も一人で行くのは不安でならないのだな』
ピエトロ自身、たった今までやはり迷子であったものだから、この女性の心細さが痛いほど判る。
「僕でよろしければ、ご案内致しまょう」
「まあ、ご親切に、ありがとうございます」
女性はまるで踊り子のようにスカートをつまんで、深々と礼をした。
そのとき、ピエトロは気付いた。
女性のスカート丈が、信じられないほど短いのである。