ます。ことに各国のより姫君がたが多く参じて下さいました。彼女たちをエスコートする役目を、あなたに任せたいのです。よろしいですか?」
『来た!』
ピエトロの心臓が早鐘を打つ。
『ギネビア様とお近づきになるのは、多分……ううん、絶対に無理だ。でも、舞踏会で外国の姫君に出会えたら……それで親密になれたら……。僕はあの小さな故郷での家族の目を気にしながらの生活から脱出できるかも知れない』
「良いも何もありません。重要なお役目を僕にお与え下さり、ありがとうございます。全身全霊を持って努めます」
上気した声で、彼は答えた。
「よろしい。ではまず、パレスの内外をよく知っておきなさい。姫君を間違った部屋にご案内するようでは、紳士とは言えません。ですが、あまり時間はありませんよ」
「かしこまりました」
ピエトロは一礼すると、謁見室を辞した。