同人小説家悪魔の辞典 Kindle版あやまり堂 (著)
2018/6/28
フォーマット： Kindle版
本書は、2000年頃から2017年頃まで、同人小説家として生きてきた筆者が、同人小説家をやめるために書き留めた感想や思いつき、批判や記録を、辞書形式にまとめた同人小説家の解説本である。
同人誌への投稿から新人賞への投稿と落選、落選また落選、同人誌の主宰と編集、文学イベントへの参加や電子出版など、現代の同人小説家が取る行動の多くを、おおよそ経験してきた筆者が、同人小説家に関わり深い300あまりの事項について書き出し、解説を加えている。
長く同人小説家を続けてきた筆者にとって、「アイデア」は「執筆環境下にない時に現れ、執筆環境下に来る直前に消失し、二度と思い出せないもの」であり、「あらすじ」は「締切前日に書くもの」である。また、「新人賞」は「同人小説家に締切の目安をくれるもの」であり、「原稿」とは「枚数ないし文字数を数えることで悦に入るもの」と定義される。
本書に収録した筆者の定義は、すべて個人的な感想である。
とはいえ、平成が終わろうとする現時点……出版不況が叫ばれる一方、電子出版が広まりつつあり、スマホ等により本を読む人がいよいよ減っているのに、パソコン、インターネットの普及により、小説を書く人は増加している……ような、一時期における同人小説家像を書き留めることも、本書は目的としている。
