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絵のない絵本 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:矢崎源九郎 ある晩のこと、わたしはたいへん悲しい気持で、窓のそばに立っていました。ふと、わたしは窓をあけて、外をながめました。ああ、そのとき、わたしは、どんなに喜んだかしれません! そこには、わたしのよく知っている顔が、まるい、なつかしい顔が、遠い故郷からの、いちばん親しい友だちの顔が、見えたのです。それは月でした。 月が語った、三十余編の小さな物語。 【関連作品】katokt訳 (2018/05/17(Thu) 14:12) | |||||
アンデルセンの童話 おやゆび姫 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 子供を欲した女の人が、魔女から貰った不思議な種は、やがて芽を出しつぼみを付けた。 女の人がつぼみにキスをすると、開いた花の真ん中に、親指ほどの背丈の可愛らしい女の子――おやゆび姫が座っていた。 ある晩ヒキガエルに攫われたおやゆび姫だったが、魚たちの協力を得て脱出。 川を下るおやゆび姫を攫った黄金虫だったが、他の虫たちがおやゆび姫のことを「人間のようでみっともない」と言うので、追い出してしまう。 森をさまよい歩いたおやゆび姫は、野鼠の巣にたどり着く。野鼠の小母さんは親切心もあって、おやゆび姫を裕福な土竜の花嫁に勧める。 鼠の巣と土竜の巣の間の通路に、一羽の燕が横たえられていた。おやゆび姫は可哀相に思って、枯葉や綿を掛けてやる。 暖かさで息を吹き返した燕を、おやゆび姫は看病した。 春が来て、燕は飛びだった。親切な鼠の小母さんを一人にしたくないおやゆび姫は残ったが、土竜との婚礼を勝手に進められてしまう。 一夏掛けて婚礼の準備が行われ、秋には結婚の段取りが決まる。 おやゆび姫が日の光に別れを告げるため外に出ると、春に見送った燕がやってきて、南の国へ誘う。 南の国の花園にはおやゆび姫とよく似た背格好の花の天使が住んでいた。 おやゆび姫は花の王様に見初められて花嫁となる。そしてマイヤ(マーヤ:Maja。ギリシア神話のプレイアデス七姉妹の長女、あるいはローマ神話の豊穣の女神に由来する名前)という名を与えられた。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。 (2009/10/19(Mon) 17:25) | |||||
アンデルセンの童話 裸體《はだか》の王樣(王様の新しい服) | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 兎に角新品の服を着るのが大好きな王様。 ある時やってきた2人の詐欺師。自分たちは機織師で、身分に相応しくない仕事をしているような者や愚かなやくざ者には見えない不思議な布を織れるのだとふれこんで、王様から注文を取り付ける。 仕事の様子を覗きに行った王様、織られているはずの布が見えずに「自分は王に相応しくないのか」と狼狽する。 大臣にも役人にも布は見えない。でも見えないと知られれば自分は無能だと思われると、見えない布を褒めそやす。 やがて詐欺師たちは布を織り上げたふりをして、衣裳を仕立て上げたふりをして、王様に着せるふりをした。 有りもしない服を着た王様は、鏡の前で服が見えるふりをする。 大臣も貴族も役人も、自分が無能だと思われたくないものだから、見えない服を褒めちぎる。 そのまま町へお練りになった王様一行。 町の人々も無能なやくざ者とは思われたくない一心で、見えない服を褒め称える。 奇妙な行列が進む中、一人の子供が叫ぶ。 「あの人なんにも着てない」 その言葉を胸に重く受け止めた王様だったが、それでも「堂々と行列を続けなければならない」とて、ますます威張った様子で練り歩いたのだった。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。(2009/10/19(Mon) 17:23) | |||||
アンデルセンの童話 天使 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 死んでしまった子供の魂を天国に運ぶ天使。その道すがら子供に、両手いっぱいの花を摘みそれを御前に運ぶと地上で咲いていたときよりもずっと美しい花を咲かせるのだと、語る。 子供は折れて萎れた薔薇の花やあまり人に好かれない金銭草(ユキノシタ?)、野菫などを摘んだ。 天使は大きな町の裏通りを飛び、道端に打ち捨てられている枯れた鉢植えの花も取り上げた。そしてその花の元の持ち主の子供の話を語った。 病弱で部屋から出たことのない一人の子供。友人から貰った根のついた草を鉢に植え、丹精していた。 その子供が死んだ後、花は置き去りにされて枯れてしまった。でもその子供にとっては女王の花園よりもずっと大きな喜びを与えてくれた花だった。 天使の腕の中の子供は、何故天使がこの枯れた花のことをそんなに詳しく知っているのかと訊ねた。 天使は答える。その子供は自分だと。 天国についた子供は天使の羽根を貰い、花は美しく咲く。天使たちと花は声を揃えて幸せの歌を唄うのだった。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。(2009/10/19(Mon) 17:18) | |||||
アンデルセンの童話 マッチうりのむすめ(マッチ売りの少女) | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 雪の降る大晦日の晩、貧しい娘が母の靴を履いてマッチを売りに出かける。 サイズの合わない靴は途中で脱げてしまい、その片方は更に貧しい少年が「子供が生まれたらゆりかごにできる」と持ち去ってしまった。 年の瀬の慌ただしさの中、少女からマッチを買おうという者はいない。かといって売り上げもなく家に帰れば父親に叱られる。 寒さに凍えた少女は少しでも暖を取ろうと考え、売り物のマッチを擦る。 少女は小さな炎の中に大きな暖炉や年越しのご馳走の幻を見るが、火が消えれば幻も消える。 三本目のマッチの炎の幻のクリスマスツリーは、天国の星々のような光を残して消えた。その星の一つが流れ落ち、少女は亡くなった祖母を思い出した。 四本目のマッチに火を付けると、その祖母の幻が現れた。少女は残ったマッチ総てに火をともす。大きな光の中の祖母は、少女を抱きしめた。 新年の朝、町の人々はマッチの燃えさしを手に微笑んだまま座る、少女の亡骸を見つけた。 底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。 (2009/10/19(Mon) 17:17) | |||||
小夜啼鳥(NATTERGALEN) | |||||
別訳では「皇帝と夜啼鶯」「皇帝とナイチンゲール」と題されることも。 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 翻訳初出:「アンデルセン童話全集」1924年(大正13年)9月 【あらすじ】青空文庫で公開されている元のファイルには挿絵の画像データが付随していますが、こちらに転載するに際してテキストデータのみ抜粋いたしました。 (2009/02/19(Thu) 15:33) | |||||
絵のない絵本 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:katokt 月が語った、三十余編の小さな物語。 一応「童話」に分類するが、結構シビアな内容のものもあるので、大人向きのお話じゃなかろうかと。 (もっとも、アンデルセン童話は大概がシビアで大人向きだけども) 最後のお話についてちょびっとだけ解説。 眠る前のお祈りをしていた小さな女の子に対して、お母さんが 『日々のパンってところで、いつも聞き取れないけど何かいってるわね』 とたずねるところがある。 このとき小さな女の子が唱えていたのはキリスト教の「主の祈り」で、以下のような内容のもの。
厳密に言うと「daily bread」で一つの熟語になっていて、「日々の糧」「日々の生計」「毎日の暮らし」といった意味なので、この一文は「今日も一日真っ当に暮らして行けますように」ぐらいの意味合いになる。 四才の女の子に大人の言い回しなど判る筈もなく、でも、お祈りはちゃんと決まったように言わないといけないだろうとは思っている。 で、口の中でもぞもぞっと、小さな贅沢をお願いしてみている、と言ったわけなのでありました。 (2008/10/23(Thu) 16:17) | |||||
ブタ飼い王子 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:宮城麻衣 貧しく小さな国に、立派な王子がいた。 彼は皇帝の姫に求婚するため、素晴らしいバラと 造花の薔薇とオルゴールのナイチンゲールしか知らないらしい姫は、それらが「本物」であること知ると気味悪がって、贈り主に合うことを拒んだ。 自分の贈り物を認めて貰えなかった王子は一計を案じ、貧しい身なりに変装して宮殿へ行き、豚飼いとして雇い入れて貰う。 豚小屋で仕事をしながら、王子は不思議なだけれど何の役にも立たない玩具を作り出す。 それがどうしても欲しくなった姫に、豚飼いは姫に「100回のキス」を要求する。 どうしても玩具が欲しい姫は、泥まみれに汚れた豚飼いにキスをすることに。 ようやく86回目が済んだとき、その破廉恥な様子が皇帝に知れ、姫は豚飼い共々宮殿から追い出されてしまう。 国を追われるくらいなら、最初から小国の王子と結婚しておくのだった、と後悔する姫。 すると豚飼いは王子の正体を明かして曰く 「あなたはあのバラやナイチンゲールの価値も分からなかった。それなのにあなたは、あんなくだらないおもちゃのためにはブタ飼いにだってキスしようとする。その報いをいま受けるのです」 王子は自国の宮殿に戻ると姫の眼前で門を閉めきってしまうのだった。 (2008/01/06(Sun) 12:15) | |||||
おやゆび姫 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者:大久保ゆう 子供が無いことを悲しんだ女性が、銀貨12枚と引き替えに魔法使いから貰った一粒の大麦。 鉢に植えるとすぐに芽を出し、チューリップのような葉を出し、チューリップのような花を付ける。 開いた花の中には親指ほどの女の子が座っていた。 おやゆび姫と呼ばれることになった女の子は、女性に愛されて成長する。 しかしある晩、母ヒキガエルにさらわれてしまう。 おやゆび姫が蓮の葉の上で泣いていると、メダカが哀れんでハスの葉の茎を囓りきり、逃がしてくれる。 川を流されたおやゆび姫はコガネムシに捕らわれるが、他のコガネムシから醜いとののしられ、ヒナギクの花の上に捨てられてしまう。 冬になり、寒さに凍えるおやゆび姫は野ネズミの婆さんに助けられる。 野ネズミと隣人のモグラの住処の間のトンネルに、凍えた燕が倒れていた。おやゆび姫は燕を介抱する。 やがてモグラがおやゆび姫を妻にしたいと申し出た……。 (2008/01/04(Fri) 16:25) | |||||
はだかの王さま | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:大久保ゆう 原題「The Emperor's New Suit(直訳:陛下の新しい服)」 王様が好きなのは着飾ること。 それも一時間ごとに服を着がえて、見せびらかし、皆にうらやましがられるのが何より好き。 ある日ご城下に詐欺師が二人現れた。 自分たちを布織り職人で、世界でいちばんの布が作れると称して、曰く 「自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人にはとうめいで見えない布なのです。」 これを聞きつけた王様、早速二人を召し出して、件の布を織らせることに。 王様からたくさんのお金をせしめた詐欺師達は早速布を織り始めました。 ところがというか当然というか、織られているはずの布は、大臣にも家来にも、王様にも見えなかった……。 (2008/01/04(Fri) 15:18) | |||||
赤いくつ | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄 木靴を履いた貧しい娘カレンが、いつも足の甲を赤く腫らしているのをいじらしく思った村の靴屋の奥さんは、赤い羅紗布の古切れで小さな靴を作って贈った。 みすぼらしい靴だったがこれより他に履く物のないカレンは、母親の葬式にもこの靴を履いていた。 裕福な老婦人が彼女を引き取ってくれたが、みすぼらしい赤い靴は捨てられてしまった。 ある日、美しい王女が赤い靴を履いているのを見たカレンは、心を奪われる。 堅信礼(キリスト教で信仰告白をする儀式。カトリックの場合、一部地域では成人式のような扱いとなる)の衣裳を誂えたカレンは、老婦人に連れられて靴屋へ。 ガラス張りの棚には王女が履いていたのとそっくりな靴があった。 目の悪い老婦人はそれが真っ赤な色であると気付かずに、カレンに買い与える。 カレンもそれが赤い色であるということをあえて口にしない。 堅信礼に望んだカレンだったが、儀式の間も説法の間も、赤い自分の靴のことばかり考えていた。 老婦人は周囲からあの靴が赤い色だと知らされて、初めて不作法に気付かされた。老婦人はカレンに、次に礼拝に行くときには古い黒い靴を履くようにと念を押す。 しかし古い靴と赤い靴を見比べたカレンは、その日も赤い靴を選んでしまった……。 (2008/01/04(Fri) 15:07) | |||||
雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語 | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄 1話:悪魔が良い物は醜く、良くない物は美しく写る鏡を作る。慢心した悪魔達がそれで神や御使いを映そうと天界に向かうと、鏡は割れて四散する 2話:ある国にすむ優しい男の子カイと気丈な女の子ゲルダは、きょうだいのような仲良し。 ある日、悪魔の作った鏡の欠片がカイの目に刺さり、カイの心は歪んでしまう。 冬が訪れ、一人でそり遊びをしていたカイは、雪の女王にさらわれ、家族のこともゲルダのことも忘れてしまった。 3話:村の人々はカイが川に落ちて死んでしまったと思いこんだ。しかしゲルダは春の太陽や川の水に教えられ、カイが生きていると悟る。 小舟に助けられて川を下ったゲルダは、一人暮らしの寂しい魔女に悪意のない魔法をかけられ、カイのことを忘れかけてしまう。しかし花々の声を聞くうちに心を取り戻し、再びカイを探す旅を始める。 4話:烏に「カイに似た子供が王女さまのところにいる」と聞いたゲルダは、烏と一緒にお城に向かうが、そこにいたのはカイに少しだけ似たところのある別人の王子だった。 5話:旅を続けるゲルダは森の中で追いはぎに襲われた。危うく殺されそうになるが、女頭目の娘に気に入られ、トナカイを一頭貰ってその背に乗って旅を続ける。 6話:ラップランドの女やフィンランドの女から「カイは雪の女王の城にいる」と教えられたゲルダ。 フィンランドの女に「カイの身体から鏡の欠片を取り出す」ように言われるが、途中、雪の大軍に襲われる。一心に祈り、天使の軍勢に助けられた彼女は、雪の女王の城へ向かう。 7話:雪の女王の城で絵合わせをするカイだったが、悪魔の鏡の欠片の所為で、それを正しく並べることができないでいた。 たどり着いたゲルダが凍り付いたカイの身体に抱きつき、祈りながら涙を流すと、カイの心と体は融け、鏡の欠片も外れる。 心を取り戻したカイは絵あわせを正しく揃え、ゲルダと共に女王の城から抜け出す。 ラップランドの女に別れを告げ、追いはぎの娘から優しい烏の話を伝え聞き、春の訪れる故郷に向かって歩き続ける……。 底本:「新訳アンデルセン童話集 第二巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月15日初版発行 (2007/07/04(Wed) 13:39) | |||||
野のはくちょう | |||||
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄 11人の王子と1人の姫の父王が新しく妃を迎えたが、彼女は子供達を嫌っていた。 姫を悪様にいって王と王城から遠ざけさせると、王子達を呪って白鳥に変化させた。 成長した姫は、兄王子達の呪いを解く術は刺草で帷子を編み、着せることことと知る。しかも、帷子を編む間は一言も口をきいてはならない。 手指を血まみれにし無言で刺草を編み続ける姫を魔女と思いこんだ高僧は、彼女を火あぶりしようとする……。 別訳タイトル「白鳥の王子」 (2006/10/16(Mon) 13:49) |