♥ | ジャックと豆のつる |
| 作家名:イギリスの童話/ジョゼフ・ジェイコブス(Joseph Jacobs) 訳者名:SOGO_e-text_library 英: Jack and the Beanstalk
昔々、あるところに貧しい老いた婦人と息子のジャックの二人が暮らしていた。 ある日ジャックは母親に言われて唯一の財産だった牝牛を売りに行ったが、それを途中で会った男の豆と交換してしまう。 怒った母親は豆を庭にすてた。すると次の朝、庭には巨大な豆のつるが生えていた。 ジャックが豆のつるを登って雲の上まで行くと、巨大が城があった。そこでジャックは巨人の女性と出会う。 巨人の女性はジャックに「自分の夫は人食い鬼なので見つからぬ内に逃げろ」と告げる。 そこへ夫の人食い巨人が帰ってくる。妻の巨人に匿われたジャックは、巨人が寝入った後に巨人の宝を奪い、家に戻る。 宝のおかげでしばらくは暮らせたが、それが尽きたので、ジャック再び豆の木を登る。 巨人の城へ忍び込み宝を奪ったが、巨人に気付かれてしまう。 急いで地上へ戻ったジャックが豆のつるを斧で切り倒すと、巨人は転落死した。 巨人の宝のおかげでジャックと母親は裕福になった。その後ジャックは美しい姫君を娶って、末永く幸せに暮らしたとさ。 (2014/09/16(Tue) 19:12)
|
♥ | ジャックと豆の木 |
| 作家名:イギリスの童話 訳者名:楠山正雄 英: Jack and the Beanstalk
イングランドのアルフレッド大王時代(871年-899年)、田舎町に貧しい寡婦と息子のジャックの二人が暮らしていた。 ある日ジャックは母親に言われて唯一の財産だった牝牛を売りに行ったが、それを途中で会った男の豆と交換してしまう。 怒った母親は豆を庭にすてた。すると次の朝、庭には巨大な豆の木が生えていた。 ジャックが豆の木を登って雲の上まで行くと、巨大が城があった。そこでジャックは巨人の女性と出会う。 巨人の女性はジャックに「自分の夫は人食い鬼(オーガ:ogre)なので見つからぬ内に逃げろ」と告げる。 そこへ夫の人食い巨人が帰ってくる。妻の巨人に匿われたジャックは、巨人が寝入った後に巨人の宝を奪い、家に戻る。 宝のおかげでしばらくは暮らせたが、それが尽きたので、ジャック再び豆の木を登る。 巨人の城へ忍び込み宝を奪ったが、巨人に気付かれてしまう。 急いで地上へ戻ったジャックが豆の木を斧で切り倒すと、巨人は転落死した。 裕福になったジャックと母親は幸せに暮らした。 (2014/09/16(Tue) 19:07)
|
♥ | 六羽の白鳥 |
| 作家名:グリム兄弟 Bruder Grimm 訳者名:楠山正雄 独: Die sechs Schwäne
ある国の王には亡くなった前妻との間に六人の王子と一人の姫があった。ある日狩りに出掛けた王が道に迷っていると、老婆があらわれ、娘を妃にしてくれたなら助けるという。王は老婆(魔女)の提案を受け入れ、道案内をしてもらって城に戻る。程なく王は老婆の娘と結婚する。 新しい王妃は、七人の継子を排除しようとする。 王妃は呪いを掛けた絹の肌着を作り、王子達に触れさせる。途端に六人の王子達は白鳥に化身して飛び去ってしまう。ただ一人難を逃れた末の姫は、兄たちを捜して森へ入るが、夜が更けてしまったので、仕方なく森の中の小屋へ入る。 そこへ六羽の白鳥が現れる。白鳥たちは元の王子の姿に戻ると、妹姫に、この小屋が山賊小屋であること、新しい王妃が自分たちに呪いを掛けたこと、人の姿に戻れるのは夜間の本の短い間だけであること、呪いを解くにはエゾギク(アスター)の花で作った肌着を着なければならないこと、その肌着を作っている間は一言も口を利いてはならぬこと、を告げる。 間もなく王子達はまた白鳥の姿に変化してしまい、飛び立ってしまう。 姫は兄たちを助ける決心を固め、城へは戻らずにエゾギクの花を集めて肌着を作り始める。 森の中の樹の上で、花を集めて肌着を作り続ける姫。 隣国の若い王が彼女を見つけ声を掛けるが、姫は話すことも笑うこともしない。 姫が人品ただならぬことを見抜いた若い王は、彼女を妃にした。 所が若い王の母、つまり姑は姫のことが気に入らない。身元の知れぬ上に一言も口を利かず、菊の花で肌着を作り続ける姫はを不審に思ったのだ。 やがて若い王と姫との間に子供が生まれる。すると姑がこの子を攫ったうえに、眠っていた姫の口の周りに地を塗りつけ、「あの女は人食い鬼だ」と若い王はに訴える。王は妻を愛し信じており、 「彼女は信心深い心のキレイな人だ。人殺しなどするものか。彼女が口を利けたなら、きっと無実の証をすることだろう」 と、取り上げない。 しかし三度同じ事があれば、流石に不問にすることも出来ず、姫は裁判に掛けられる。 裁判の中でも姫は口を利かずにいたため、有罪となり、火刑の判決が降る。 姫は刑の執行のその瞬間まで無言でエゾギクの肌着を作り続けた。六人分の肌着はほぼ完成しており、あとは六着目の片袖を作るのみとなっていた。 しかし姫は火刑の薪の上へと引き出される。 まさに刑が執行されようとしたどのとき、六羽の白鳥が現れる。姫が投げた肌着に触れると呪いは解け、白鳥は元の王子の姿に戻る。――片袖が間に合わなかった末兄だけは、片腕が翼のままだったが――。 口を利くことが許された姫は、総ての次第を夫に告げる。 姫に罪がないことが判り、火刑台は濡れ衣を着せた姑のために使われることとなった。 (2012/06/25(Mon) 13:26)
|
♥ | 赤ずきんちゃん |
| 作家名:グリム兄弟 訳者名:楠山正雄 仏: Le Petit Chaperon rouge、独: Rotkaäppchen
ヨーロッパ伝承民話をグリム兄弟が再編集した童話。 残酷だったり理不尽だったりする部分を削除改編した結果、道徳的な内容(親の言いつけを守らないと怖い目に遭う&悪いことをしてしまったらよく反省する)になっている。
改変前は「狼はおばあさんを殺すと、赤ずきんを騙してその肉と血を食べさせました」「狼は赤ずきんを食べやすくするため、服を脱がせました」「赤ずきんは狼に食べられてしまいました(後に、狼が猟師に殺されるという挿話が入るようになるが、赤ずきんは助け出されない)」という内容だった。
以下粗筋。
赤い頭巾を被っているので「赤ずきん」と呼ばれている、可愛らしい女の子がいた。 ある日、赤ずきんは母親から「森の向こうのおばあさんの家」までお菓子とワインを届けるよう言われる。 赤ずきんが森へ入ると、狼が現れる。 赤ずきんは、問われるままにおばあさんの家を教え、言われるままに道草をする。 狼は先回りしておばあさんを襲い、丸呑みにすると、おばあさんになりすまして、赤ずきんを待ち伏せる。 遅れて着いた赤ずきんは、狼が化けたおばあさんに話しかけるが、おばあさん同様丸呑みに食べられてしまう。 腹が膨れた狼が寝込んでいると、通りかかった猟師が異変に気付いて、狼の腹を割いて、呑まれていた二人を助け出す。(猟師は狼の腹に石を積めて縫い直す。石が原因で狼は死ぬ) 赤ずきんは言いつけを守らなかったことを反省したのだった。 (2011/03/08(Tue) 16:19)
|
♥ | グリム童話「白雪姫」 |
| 原題:Snow White and the Seven Dwarfs 作家名:グリム兄弟 ヤーコプ・ルードヴィッヒ・カール・グリム ヴィルヘルム・カール・グリム 英訳:Margaret Hunt 英語訳からの重訳:松本博則 「雪のように白く、血のように赤く、黒檀の木のように黒い髪をした子がほしい」 王妃(この版では「女王」)の願いは叶い、間もなく女の子が生まれ「白雪姫」と名付けられたが、王妃は死んでしまう。 程なく王は後添えの王妃を迎える。新しい王妃は美しいが高慢だった。 王妃は問えば答える不思議な鏡を持っていた。鏡は、 「女王さまが一番うつくしい」 と答えたので、王妃は大変満足していた。 しかし白雪姫が7歳になると、正直な鏡は 「白雪姫の方が何千倍もうつくしい」 と答えるようになった。 白雪姫を妬んだ王妃は、狩人に姫を殺すよう命じる。狩人は姫を哀れみ、彼女を殺さずに逃がした。 森を彷徨った白雪姫は七人の鉱山夫の小人(ドワーフ)の家へたどり着く。 姫から訳を聞いた小人たちは、家事をする代わりに家に置くことにする。 その頃、鏡の答えから白雪姫が生きていると知った王妃の恨みの念は強まった。 小人たちが仕事に出ている間、留守居をしていた白雪姫の元に、物売りの老婆に変装した王妃が現れる。 姫は老婆が王妃とは気付かず美しい紐を買う。王妃は親切の振りをして紐で白雪姫の胴を締め上げて窒息させ、逃げた。 帰宅した小人たちが紐を切ると、姫は息を吹き返した。 姫が死んでいないことを知った王妃は、また物売りに変装して、毒を仕込んだ櫛を姫に売りつける。 櫛で髪をすくと毒が回って姫は倒れ込んだ。 王妃が逃げた直後に小人たちが戻り、倒れている姫の頭から櫛を取ると、姫は再び息を吹き返した。 小人たちは姫に誰が来ても戸を開けてはならないと強く言い聞かせた。 鏡の答えから白雪姫が生きていると知った王妃は大いに怒り、三度変装して小人の家へ向かう。 農婦に変装した王妃に林檎を勧められた姫は、最初は拒絶したが、王妃が林檎を二つに分け、一方を食べて無事であったことに安心し、残りを食べる。 林檎は半分だけ毒が仕込まれており、一口囓った途端に、姫は意識を失って倒れる。 王妃は急ぎ城に戻り、鏡が白雪姫の名を出さぬのを確認すると、姫が死んだものと思い、安堵する。 戻ってきた小人たちは、倒れている白雪姫を介抱するが、意識は戻らない。 小人たちは嘆き悲しんだが、生きているように美しい姫を埋葬するのに忍びなく、ガラスの棺を作って山の頂に安置する。 暫く過ぎた頃、近隣の国の王子がこの地を訪れる。王子はガラスの棺とその中の白雪姫を一目見るなり心を奪われ、小人たち頼み込んで姫を贈ってもらう。 王子は召使いに棺を担がせ運ばせた。すると召使いが躓き、その拍子に喉から毒林檎の欠片が取れ、姫は息を吹き返す。 王子は大変喜び、事の次第を説明して、白雪姫に求婚した。 王子の国に着いた二人は、結婚式を挙げることになった。 この式に王妃も招かれた。式に出てた王妃は、姫に対して行った罪の報いとして、焼かれた鉄の靴を履かされたのだった。 (2010/11/04(Thu) 19:35)
|
♥ | アンデルセンの童話 おやゆび姫 |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄
子供を欲した女の人が、魔女から貰った不思議な種は、やがて芽を出しつぼみを付けた。 女の人がつぼみにキスをすると、開いた花の真ん中に、親指ほどの背丈の可愛らしい女の子――おやゆび姫が座っていた。 ある晩ヒキガエルに攫われたおやゆび姫だったが、魚たちの協力を得て脱出。 川を下るおやゆび姫を攫った黄金虫だったが、他の虫たちがおやゆび姫のことを「人間のようでみっともない」と言うので、追い出してしまう。 森をさまよい歩いたおやゆび姫は、野鼠の巣にたどり着く。野鼠の小母さんは親切心もあって、おやゆび姫を裕福な土竜の花嫁に勧める。 鼠の巣と土竜の巣の間の通路に、一羽の燕が横たえられていた。おやゆび姫は可哀相に思って、枯葉や綿を掛けてやる。 暖かさで息を吹き返した燕を、おやゆび姫は看病した。 春が来て、燕は飛びだった。親切な鼠の小母さんを一人にしたくないおやゆび姫は残ったが、土竜との婚礼を勝手に進められてしまう。 一夏掛けて婚礼の準備が行われ、秋には結婚の段取りが決まる。 おやゆび姫が日の光に別れを告げるため外に出ると、春に見送った燕がやってきて、南の国へ誘う。 南の国の花園にはおやゆび姫とよく似た背格好の花の天使が住んでいた。 おやゆび姫は花の王様に見初められて花嫁となる。そしてマイヤ(マーヤ:Maja。ギリシア神話のプレイアデス七姉妹の長女、あるいはローマ神話の豊穣の女神に由来する名前)という名を与えられた。
底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。 (2009/10/19(Mon) 17:25)
|
♥ | アンデルセンの童話 裸體《はだか》の王樣(王様の新しい服) |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄
兎に角新品の服を着るのが大好きな王様。 ある時やってきた2人の詐欺師。自分たちは機織師で、身分に相応しくない仕事をしているような者や愚かなやくざ者には見えない不思議な布を織れるのだとふれこんで、王様から注文を取り付ける。 仕事の様子を覗きに行った王様、織られているはずの布が見えずに「自分は王に相応しくないのか」と狼狽する。 大臣にも役人にも布は見えない。でも見えないと知られれば自分は無能だと思われると、見えない布を褒めそやす。 やがて詐欺師たちは布を織り上げたふりをして、衣裳を仕立て上げたふりをして、王様に着せるふりをした。 有りもしない服を着た王様は、鏡の前で服が見えるふりをする。 大臣も貴族も役人も、自分が無能だと思われたくないものだから、見えない服を褒めちぎる。 そのまま町へお練りになった王様一行。 町の人々も無能なやくざ者とは思われたくない一心で、見えない服を褒め称える。 奇妙な行列が進む中、一人の子供が叫ぶ。 「あの人なんにも着てない」 その言葉を胸に重く受け止めた王様だったが、それでも「堂々と行列を続けなければならない」とて、ますます威張った様子で練り歩いたのだった。
底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。(2009/10/19(Mon) 17:23)
|
♥ | アンデルセンの童話 天使 |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄
死んでしまった子供の魂を天国に運ぶ天使。その道すがら子供に、両手いっぱいの花を摘みそれを御前に運ぶと地上で咲いていたときよりもずっと美しい花を咲かせるのだと、語る。 子供は折れて萎れた薔薇の花やあまり人に好かれない金銭草(ユキノシタ?)、野菫などを摘んだ。 天使は大きな町の裏通りを飛び、道端に打ち捨てられている枯れた鉢植えの花も取り上げた。そしてその花の元の持ち主の子供の話を語った。 病弱で部屋から出たことのない一人の子供。友人から貰った根のついた草を鉢に植え、丹精していた。 その子供が死んだ後、花は置き去りにされて枯れてしまった。でもその子供にとっては女王の花園よりもずっと大きな喜びを与えてくれた花だった。 天使の腕の中の子供は、何故天使がこの枯れた花のことをそんなに詳しく知っているのかと訊ねた。 天使は答える。その子供は自分だと。 天国についた子供は天使の羽根を貰い、花は美しく咲く。天使たちと花は声を揃えて幸せの歌を唄うのだった。
底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。(2009/10/19(Mon) 17:18)
|
♥ | アンデルセンの童話 マッチうりのむすめ(マッチ売りの少女) |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄
雪の降る大晦日の晩、貧しい娘が母の靴を履いてマッチを売りに出かける。 サイズの合わない靴は途中で脱げてしまい、その片方は更に貧しい少年が「子供が生まれたらゆりかごにできる」と持ち去ってしまった。 年の瀬の慌ただしさの中、少女からマッチを買おうという者はいない。かといって売り上げもなく家に帰れば父親に叱られる。 寒さに凍えた少女は少しでも暖を取ろうと考え、売り物のマッチを擦る。 少女は小さな炎の中に大きな暖炉や年越しのご馳走の幻を見るが、火が消えれば幻も消える。 三本目のマッチの炎の幻のクリスマスツリーは、天国の星々のような光を残して消えた。その星の一つが流れ落ち、少女は亡くなった祖母を思い出した。 四本目のマッチに火を付けると、その祖母の幻が現れた。少女は残ったマッチ総てに火をともす。大きな光の中の祖母は、少女を抱きしめた。 新年の朝、町の人々はマッチの燃えさしを手に微笑んだまま座る、少女の亡骸を見つけた。
底本:現代日本文學全集第三十三篇,改造社,昭和三年二月二十五日印刷,昭和三年三月一日發行。 (2009/10/19(Mon) 17:17)
|
♥ | 小夜啼鳥(NATTERGALEN) |
| 別訳では「皇帝と夜啼鶯」「皇帝とナイチンゲール」と題されることも。
作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:楠山正雄 翻訳初出:「アンデルセン童話全集」1924年(大正13年)9月【あらすじ】 昔々の中国(支那)のお話。 皇帝陛下の御苑には素晴らしい花が咲き、立派な林があります。 この林に一羽の小夜啼鳥(さよなきどり)が棲んでいて、良い声で啼いておりました。 あまりに素敵に啼くので、旅人は「これこそこの国で一番のもの」と思って故郷への土産話としました。国中の人たちも「これがこの国で一番良い物」と感じていました。 ですから外国の人たちも国の詩人たちも小夜啼鳥のことをが本にまとめ、詩にしました。 その本を何冊か読まれた皇帝陛下は、初めてご自身の御苑に小夜啼鳥がいることを知り、それがどのような鳥であるのかを侍従長に訊ねました。 侍従長はこの鳥のことを知りませんでした。 そこで、御殿と御苑を探し回り、厨房の女中の案内で小夜啼鳥のところへやってきました。 侍従長は小夜啼鳥が灰色の地味な小鳥であることに少しがっかりしました。 しかしその鳴き声が素晴らしいので、小鳥に陛下の前で歌うようにと命じました。 小夜啼鳥は陛下ご自身が林に来られて声を聞くのが一番だと思っていましたが、陛下のお望みであるならと、御殿の中に行って歌うことにしました。 きらびやかな御殿の中で小夜啼鳥が啼きますと、あまりに素晴らしい歌声に、皇帝陛下は泣いてよろこばれました。 ある日、皇帝陛下の元に日本の天皇陛下から荷物が届きました。 開けてみますと、それは金銀と宝石で作られた、ネジを巻くと本物そっくりに歌う、小さな小夜啼鳥の細工物(オルゴール)でした。 皇帝陛下はよろこんで、本物小夜啼き鳥と合唱させようとしました。 でも本物は自由にしか歌えませんし、細工物は決められたとおりにしか歌えません。 皇帝陛下の周りの人たちは、勝手に歌う本物は無礼で、決まったとおりに歌う細工物の方が優れていると言いました。 皆が細工物の声に聞き惚れている間に、本物の小夜啼鳥は御殿から出て行きました。 細工物の小夜啼鳥の声を聞いた国中の人々がみな大変に褒めるので、本物の小夜啼鳥は国の中に居場所がなくなってしまいまったのです。 皇帝陛下は細工物の小夜啼鳥が大変気に入って、寝台近くの絹の布団の上に座らせました。 一年が過ぎて、国中の人たちが細工物の小夜啼鳥の歌声をそらんじられるほどになった頃。 皇帝陛下が細工鳥の歌をお聴きになろうといたしますと、鳥は鳴かず、お腹の中からは歯車の空回りする音ばかりが聞こえてきました。 時計屋さんが修理にかかって、どうやら細工物は治りました。 ですが、一番肝心な軸受けの部品が磨り減っていて、それを取り替える術がないというのです。 こうして細工物の小夜啼鳥は一年に一度だけしか歌わせることができなくなりました。 皇帝陛下は大変悲しんで、五年の後にはとうとうご病気になられてしまいました。 それは大変重いご病気でしたので、家臣達は陛下は今宵の内にはお隠れになるだろうと信じたほどでした。 夜、床の中で陛下は音楽を聴きたいと仰いましたが、枕元の小夜啼鳥はネジをくれていないので少しも動きません。 すると突然、窓辺から可愛らしい歌声がしました。 本物の小夜啼鳥が、皇帝陛下がご病気だと聞いてやってきたのです。 本物の小夜啼鳥の歌声は、陛下に取り憑いた死神を追いやり、陛下はみるみるうちに御快復なさいました。 皇帝陛下は小夜啼鳥に御殿から追い出してしまった事をお詫びになりました。そして小夜啼鳥にご褒美を取らせようとなさいました。 ですが小夜啼鳥は「褒美はもう頂戴しています。最初に御前で歌った時に陛下が流された涙は、詩を歌う者にとっては宝石と同じです」と申しました。 陛下は小夜啼鳥に側にいるように仰りました。作り物の方はは壊してしまうと言うのです。 しかし小夜啼鳥は、細工物は細工物として立派に働いたのだから壊してはいけないと申します。 そうして、自分は御殿に住むことはなく、国で起きているいろいろなことを見聞きして、それを陛下の窓辺で歌って聞かせるとも申しました。ただし、そのようにして国中のことを陛下に伝えている者が居るのだと言うことを、誰にも仰らないで欲しいと願いました。 皇帝陛下は小夜啼鳥と約束をかわしました。 小夜啼鳥は飛び立ってゆきました。 陛下が御崩御されたに違いないと思いこんで、お顔を拝しにやってきた家臣達は、護寝所に入ったところで立ちすくみました。 すっかりお元気になられた皇帝陛下が、「みなの者、お早う」と仰ったからです。 青空文庫で公開されている元のファイルには挿絵の画像データが付随していますが、こちらに転載するに際してテキストデータのみ抜粋いたしました。 (2009/02/19(Thu) 15:33)
|
♥ | 青ひげ |
| 作家名:シャルル・ペロー 翻訳者:楠山正雄
昔々、青い髭を生やしているために「青髭」と呼ばれる金持ちが居た。 青髭はその風貌の恐ろしさから、人々に畏れられていた。 ある時、青髭は近隣の高貴な姉妹に求婚した。姉妹は青髭が過去に幾度か結婚しており、その都度妻たちが行方知れずになっていると知っていたので、応じようとはしなかった。 青髭は一計を案じ、紳士を装って姉妹に接したため、妹の方が彼に心を許し、結婚することとなった。 婚礼のあとしばらくして、青髭は屋敷を留守にすることとなる。 彼は新妻に「留守の間、屋敷でなにををしても構わないが、地下の小部屋にだけは入らぬように」と言い、屋敷中のドアや戸棚のかぎを束にして渡した。 青髭が出立すると、新妻は屋敷中を見て回り、見てはならない部屋も開けてしまう。 新妻が暗がりで見つけたのは、行方知れずとなった先妻たちの変わり果てた姿だった。 帰ってきた青髭は新妻が言いつけを守らなかったことを知り、彼女をも殺そうとした。 しかし危ういところで彼女の兄弟が駆けつけ、青髭は返り討ちにされたのだった。 (2008/07/14(Mon) 20:33)
|
♥ | ブタ飼い王子 |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:宮城麻衣
貧しく小さな国に、立派な王子がいた。 彼は皇帝の姫に求婚するため、素晴らしいバラと小夜啼鳥を贈る。 造花の薔薇とオルゴールのナイチンゲールしか知らないらしい姫は、それらが「本物」であること知ると気味悪がって、贈り主に合うことを拒んだ。 自分の贈り物を認めて貰えなかった王子は一計を案じ、貧しい身なりに変装して宮殿へ行き、豚飼いとして雇い入れて貰う。 豚小屋で仕事をしながら、王子は不思議なだけれど何の役にも立たない玩具を作り出す。 それがどうしても欲しくなった姫に、豚飼いは姫に「100回のキス」を要求する。 どうしても玩具が欲しい姫は、泥まみれに汚れた豚飼いにキスをすることに。 ようやく86回目が済んだとき、その破廉恥な様子が皇帝に知れ、姫は豚飼い共々宮殿から追い出されてしまう。 国を追われるくらいなら、最初から小国の王子と結婚しておくのだった、と後悔する姫。 すると豚飼いは王子の正体を明かして曰く 「あなたはあのバラやナイチンゲールの価値も分からなかった。それなのにあなたは、あんなくだらないおもちゃのためにはブタ飼いにだってキスしようとする。その報いをいま受けるのです」 王子は自国の宮殿に戻ると姫の眼前で門を閉めきってしまうのだった。 (2008/01/06(Sun) 12:15)
|
♥ | おやゆび姫 |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者:大久保ゆう
子供が無いことを悲しんだ女性が、銀貨12枚と引き替えに魔法使いから貰った一粒の大麦。 鉢に植えるとすぐに芽を出し、チューリップのような葉を出し、チューリップのような花を付ける。 開いた花の中には親指ほどの女の子が座っていた。 おやゆび姫と呼ばれることになった女の子は、女性に愛されて成長する。 しかしある晩、母ヒキガエルにさらわれてしまう。 おやゆび姫が蓮の葉の上で泣いていると、メダカが哀れんでハスの葉の茎を囓りきり、逃がしてくれる。 川を流されたおやゆび姫はコガネムシに捕らわれるが、他のコガネムシから醜いとののしられ、ヒナギクの花の上に捨てられてしまう。 冬になり、寒さに凍えるおやゆび姫は野ネズミの婆さんに助けられる。 野ネズミと隣人のモグラの住処の間のトンネルに、凍えた燕が倒れていた。おやゆび姫は燕を介抱する。 やがてモグラがおやゆび姫を妻にしたいと申し出た……。 (2008/01/04(Fri) 16:25)
|
♥ | アッシェンプッテル ―灰かぶり姫のものがたり― |
| 作家名:グリム兄弟 翻訳者:大久保ゆう 挿絵:アドリアン・ルートヴィヒ・リヒター
いわゆる「シンデレラ」の物語。 継母と義理の姉達に虐げられていた「灰かぶり」。 舞踏会に行けず、ハシバミの木の下で悲しみにくれていると、鳥たちがやってきて、ドレスや絹の靴を落としていった。 それを身につけて舞踏会に出かけたアッシェンプッテルを王子が見初める。 王子は名前や家を尋ねるがアッシェンプッテルは答えず、逃げるようにして家へ帰る。 翌日もハシバミの下で鳥がドレスを落とし、アッシェンプッテルは舞踏会へ出かける。 その翌日に鳥が落としていったのは前以上に美しいドレスと金の靴だった。 家へ戻る時間となり、慌ててかけだしたアッシェンプッテルは左の金の靴を落としてしまう。 王子はこの靴を手がかりに、姫を捜す。 二人の義理の姉は履けない靴に足の方を合わせようとして、指を切ったり、踵を削いだりするが、ニセモノとばれてしまう。 最後にアッシェンプッテルが靴を履き、本物と知れる。 (2008/01/04(Fri) 15:55)
|
♥ | シンデレラ ―ガラスのくつのものがたり― |
| 作家名:アンドルー・ラング 翻訳者名:大久保ゆう 挿絵:ジョージ・クルックシャンク
ヴィクトリア時代の英国の作家・詩人・学者のアンドルー・ラングは世界中の童話や伝承民話を集め再編集。 いわゆる昔話や神話以外にもペローやグリムなどの著作からも蒐集されている。 本編もその中の一つ。 継母と義理の姉達に虐げられていた「灰かぶりひめ」。魔法使いの力を借りて舞踏会へ行き王子と出会うが、魔法の効力が切れる時間に追われて、ガラスの靴を置き忘れる。 王子は靴の持ち主を捜し回り、ようやくシンデレラを捜し出して妻に迎える。 原作(?)であるグリムのものと比べると、残酷表記が無くなっており、かなり優しい内容になっている。 (2008/01/04(Fri) 15:36)
|
♥ | はだかの王さま |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:大久保ゆう
原題「The Emperor's New Suit(直訳:陛下の新しい服)」 王様が好きなのは着飾ること。 それも一時間ごとに服を着がえて、見せびらかし、皆にうらやましがられるのが何より好き。 ある日ご城下に詐欺師が二人現れた。 自分たちを布織り職人で、世界でいちばんの布が作れると称して、曰く 「自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人にはとうめいで見えない布なのです。」 これを聞きつけた王様、早速二人を召し出して、件の布を織らせることに。 王様からたくさんのお金をせしめた詐欺師達は早速布を織り始めました。 ところがというか当然というか、織られているはずの布は、大臣にも家来にも、王様にも見えなかった……。 (2008/01/04(Fri) 15:18)
|
♥ | 赤いくつ |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄
木靴を履いた貧しい娘カレンが、いつも足の甲を赤く腫らしているのをいじらしく思った村の靴屋の奥さんは、赤い羅紗布の古切れで小さな靴を作って贈った。 みすぼらしい靴だったがこれより他に履く物のないカレンは、母親の葬式にもこの靴を履いていた。 裕福な老婦人が彼女を引き取ってくれたが、みすぼらしい赤い靴は捨てられてしまった。 ある日、美しい王女が赤い靴を履いているのを見たカレンは、心を奪われる。 堅信礼(キリスト教で信仰告白をする儀式。カトリックの場合、一部地域では成人式のような扱いとなる)の衣裳を誂えたカレンは、老婦人に連れられて靴屋へ。 ガラス張りの棚には王女が履いていたのとそっくりな靴があった。 目の悪い老婦人はそれが真っ赤な色であると気付かずに、カレンに買い与える。 カレンもそれが赤い色であるということをあえて口にしない。 堅信礼に望んだカレンだったが、儀式の間も説法の間も、赤い自分の靴のことばかり考えていた。 老婦人は周囲からあの靴が赤い色だと知らされて、初めて不作法に気付かされた。老婦人はカレンに、次に礼拝に行くときには古い黒い靴を履くようにと念を押す。 しかし古い靴と赤い靴を見比べたカレンは、その日も赤い靴を選んでしまった……。 (2008/01/04(Fri) 15:07)
|
♥ | 雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語 |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄
1話:悪魔が良い物は醜く、良くない物は美しく写る鏡を作る。慢心した悪魔達がそれで神や御使いを映そうと天界に向かうと、鏡は割れて四散する 2話:ある国にすむ優しい男の子カイと気丈な女の子ゲルダは、きょうだいのような仲良し。 ある日、悪魔の作った鏡の欠片がカイの目に刺さり、カイの心は歪んでしまう。 冬が訪れ、一人でそり遊びをしていたカイは、雪の女王にさらわれ、家族のこともゲルダのことも忘れてしまった。 3話:村の人々はカイが川に落ちて死んでしまったと思いこんだ。しかしゲルダは春の太陽や川の水に教えられ、カイが生きていると悟る。 小舟に助けられて川を下ったゲルダは、一人暮らしの寂しい魔女に悪意のない魔法をかけられ、カイのことを忘れかけてしまう。しかし花々の声を聞くうちに心を取り戻し、再びカイを探す旅を始める。 4話:烏に「カイに似た子供が王女さまのところにいる」と聞いたゲルダは、烏と一緒にお城に向かうが、そこにいたのはカイに少しだけ似たところのある別人の王子だった。 5話:旅を続けるゲルダは森の中で追いはぎに襲われた。危うく殺されそうになるが、女頭目の娘に気に入られ、トナカイを一頭貰ってその背に乗って旅を続ける。 6話:ラップランドの女やフィンランドの女から「カイは雪の女王の城にいる」と教えられたゲルダ。 フィンランドの女に「カイの身体から鏡の欠片を取り出す」ように言われるが、途中、雪の大軍に襲われる。一心に祈り、天使の軍勢に助けられた彼女は、雪の女王の城へ向かう。 7話:雪の女王の城で絵合わせをするカイだったが、悪魔の鏡の欠片の所為で、それを正しく並べることができないでいた。 たどり着いたゲルダが凍り付いたカイの身体に抱きつき、祈りながら涙を流すと、カイの心と体は融け、鏡の欠片も外れる。 心を取り戻したカイは絵あわせを正しく揃え、ゲルダと共に女王の城から抜け出す。 ラップランドの女に別れを告げ、追いはぎの娘から優しい烏の話を伝え聞き、春の訪れる故郷に向かって歩き続ける……。
底本:「新訳アンデルセン童話集 第二巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月15日初版発行 (2007/07/04(Wed) 13:39)
|
♥ | 旅なかま |
| 作家名: ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄
孝行者のヨハンネスが不思議な夢を見た夜、病の床にあった父が没した。 弔いを済ませた彼は、死者に無礼をはたらく者たちになけなしの金を渡し、その死者をも手厚く葬る。 無一文で旅にを続ける彼に、見知らぬ男が声を掛け、旅の道連れとなる。 旅を続ける内に二人は立派な城の城下町にたどり着く。 城の姫が夢に出てきた娘とそっくりであることに気付いたヨハンネスはその婿になることを望む。しかし実は姫は恐ろしい魔女であり、花婿候補はことごとく殺されていた。 それでも姫との結婚を願うヨハンネス。旅仲間の男は彼に酒を飲ませて眠らせると、宿屋の窓から外に出て行き……。 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | 野のはくちょう |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄 11人の王子と1人の姫の父王が新しく妃を迎えたが、彼女は子供達を嫌っていた。 姫を悪様にいって王と王城から遠ざけさせると、王子達を呪って白鳥に変化させた。 成長した姫は、兄王子達の呪いを解く術は刺草で帷子を編み、着せることことと知る。しかも、帷子を編む間は一言も口をきいてはならない。 手指を血まみれにし無言で刺草を編み続ける姫を魔女と思いこんだ高僧は、彼女を火あぶりしようとする……。 別訳タイトル「白鳥の王子」 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | 猫吉親方 |
| 作家名:シャルル・ペロー 翻訳者 楠山正雄
貧しい粉引きの三男坊。遺産に貰ったは、粉引き小屋の鼠番猫の猫吉親方ただ一匹。 悲嘆にくれる三男坊に猫吉夫館が言うことには 「袋を一つ、長靴を一足こしらえてください。きっとだんなをしあわせにしてあげます」 末息子から貰った長靴を履き、袋を背負った猫吉親方。 王様に取り入り、農夫を言いくるめ、人食い鬼を騙し、とうとう末息子を大侯爵に仕立て上げた。 いわゆる「長靴をはいた猫」。 底本:「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)妖女のおくりもの」小峰書店 1950(昭和25)年5月1日発行 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | 人魚のひいさま |
| 作家名ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者 楠山正雄
人魚の王の末のひいさま(姫様)は、六人姉妹の内で一番の器量好し。 祖母の語る海上の世界……人間達の暮らし……を聞く内に、その世界にあこがれを抱くようになる。 十五の祝いに海面へ向かうことを許されたひいさまが見たのは立派な船、そして美しい王子の姿。 嵐で難破した船から王子を助けたひいさまは、王子に恋焦がれる。 美声を代償として人の脚を手に入れたひいさまは王子の暮らす国へ向かった……。 底本:「新訳アンデルセン童話集第一巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月20日初版発行 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | 眠る森のお姫さま |
| 作家名:シャルル・ペロー 翻訳者 楠山正雄
老いた国王夫妻が漸く娘を授かった。 名付け親として国中から7人の妖女(魔女)たちが集められ、口々に姫を祝福する。 ところが呼ばれなかった8人目の老妖女が晩餐の席に現れ、姫姫は糸車の「つむ」に刺されて死ぬと呪う。 7人目の若い妖女がそれを打ち消す言葉を言い、その場は収まったが、呪いを恐れた国王夫妻は、国中の糸車とつむを壊させた。 美しく成長した姫は、ある日城の塔の上で糸を紡ぐ老婆と出逢う。
底本:「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)妖女のおくりもの」小峰書店 1950(昭和25)年5月1日発行 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | 灰だらけ姫(サンドリヨン) |
| 作家名:シャルル・ペロー 翻訳者 楠山正雄
裕福な紳士の後妻は、前妻との間の娘と折り合いが悪い。 メイドのように扱われる娘は釜戸の前で眠る日々が続き、義理の姉達から灰だらけ娘・サンドリヨン(シンデレラ)と揶揄される。 お城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出席するが、サンドリヨンは着る物もなく泣き伏す。 その場にサンドリヨンの名付け親(実は魔女)が現れて……。
底本:「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)妖女のおくりもの」小峰書店 1950(昭和25)年5月1日発行 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣) |
| 作家名:ガブリエル=シュザンヌ・バルボ ド・ヴィルヌーヴ(底本による。しかし内容をみるとジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン版か) 翻訳者 楠山正雄
裕福な商人の末娘はその美しさから「ラ・ベル(美し姫)」と呼ばれていた。 だが商人は事業に失敗し破産。一家は田舎に移り住む。商人は事業の整理に町へ行くことになり、末娘は土産として薔薇を一輪所望する。 商人が町から戻る道すがら、無人の屋敷の庭で薔薇を手折ると、屋敷の主であるラ・ベート(野獣)の怒りを買う。 野獣は商人かその娘の命を差し出せと命じ、他の家族が暮らせるだけの財宝を渡して返す。 末娘ラ・ベルは父の命を助ける為に自ら野獣の屋敷へ。彼を嫌悪しながらも、平穏な日々を送る。 ある日、末娘は父が重い病にかかっていることを知り、里帰りを願い出る。 野獣は一週間の期限を切ってそれを許し……。
底本:「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)妖女のおくりもの」小峰書店 1950(昭和25)年5月1日発行(2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | 白雪姫 |
| 作家名:グリム兄弟 (ヤーコプ・ルードヴィッヒ・カール ヴィルヘルム・カール) 翻訳:菊池寛
雪のように白い肌、黒檀の黒髪、深紅の唇を持って生まれた姫は、白雪と名付けられた。 白雪の実母の死後に父王の後添えに入った妃は、自分の美しさに絶対の自信を持っていた。 彼女は不思議な鏡に訊ねる……「世界で一番美しいのは誰?」 鏡は答える……「あなたこそ、お国でいちばんうつくしい」 しかし白雪が成長すると、鏡の答えは変わってゆく……「ここでは、あなたがいちばん。けれども、白雪姫はもっと美しい」 妃の嫉妬はふくれ、やがて継子を殺める決心をした。 そうとは知らない白雪は妃の命ずるままに狩人と共に森へ出かけた。 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | ラプンツェル |
| 作家名:グリム兄弟 (ヤーコプ・ルードヴィッヒ・カール ヴィルヘルム・カール)
子を宿した妻が、隣家の魔女が育てるラプンツェル(レタス)を無性に食べたくなった。 夫は魔女に「生まれた子を養子に出す」約束と引き替えに妻の願いを叶えた。 魔女の養女となり、ラプンツェルと名付けられた娘は、高い塔に閉じこめられて育つ。 その美しい歌声と長い金髪に魅せられた王子が彼女の元に忍んでくるようになったが……。 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | アラジンとふしぎなランプ |
| 作家名:菊池寛 有名な中東の昔話「アラビアンナイト」の一節。 仕立て屋の息子アラジンはひどい怠け者。 彼の前に叔父を名乗る男が現れ、不思議な地下室からランプを取ってくるように命じ、魔法の指輪を渡す。 指輪の精霊の力添えでランプを得たアラジンは……。 (2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | ルンペルシュチルツヒェン |
| 作家名: グリム兄弟 翻訳者: 楠山正雄 農夫が「自分の娘はわらを金に変えられる」と王に自慢する。 王は娘にわらを金に変えるよう命じる。 途方に暮れた娘の前に小人が現れ、わらを金に変える。 王の妻となった娘に対し、件の小人は「自分の名前を言い当てられないなら初子をよこせ」と迫る。 娘は知恵を絞って小人の名前を言い当てる。 底本: 世界おとぎ文庫(グリム篇)森の小人 出版社: 小峰書店 初版発行日: 1949(昭和24)年2月20日(2006/10/16(Mon) 13:49)
|
♥ | かえるの王さま |
| 作家名:グリム兄弟著 楠山正雄訳 金のボールで独り遊びをしていたある国の末の姫は池にボールを落としてしまう。 ボールを拾ってくれたカエルと安易な約束をし、それを反故にしようとした姫だったが、父王から約束を守るように咎めらる。 姫が嫌々約束を果たすと、カエルは魔法使いにかけられていたのろいが解け、美しい王子に戻る。 王子は末の姫を故国に連れ帰って妻とした。 底本:「世界おとぎ文庫(グリム篇)森の小人」小峰書店 1949(昭和24)年2月20日初版発行 (2006/10/16(Mon) 13:44)
|