涙のわけは…ジョージー・メトカーフ (著), 小泉 まや (翻訳)
リアは震える手で受話器を戻した。
私は昇進できなかった。科をまとめる責任者になれなかった。
この数カ月、必死に働いてきたのはなんだったのだろう?
責任者に決まったのはデイヴィッドという新任の医師。
印象的なブルーグリーンの瞳を持つ彼からにこやかにされても、リアは素直に受け入れる気にはなれなかった。
ほとんどの女性スタッフは、彼に心を奪われてしまったようだが。
みんな、本当に気づいていないのだろうか?
デイヴィッドにはなにか秘密がある。あの笑顔は偽りのものに違いない。
誘惑はプロポーズのあとにのヒロイン・マギーのお兄さんがヒーローとして登場。
約束された出会いバーバラ・ハネイ (著), 翔野 祐梨 (翻訳)
ヒマラヤで親友となった三人の女性の物語を連続刊行するminiシリーズ
「秘密の扉が開くとき」、
嘘と愛の間でに続く第二弾。
シモーネがその男性と初めて出会ったのは、海外から帰国し、空港でタクシー待ちの列に並んでいるときだった。
目が合っただけだが、彼の面立ちはとてもすてきで胸がときめいた。
でもそんな気分も、旅行中の日記をなくしたと気づくや吹き飛んだ。
決して人に知られてはならない過去の秘密が綴られた日記――あれを誰かに読まれたら、秘密を暴かれるか脅迫されるかだ。
怯える彼女のもとに、ライアン・タナーと名乗る男から電話が入る。
「君に返したいものがあるんだ。日記をなくしただろう?」
セクシーな声はシモーネを恐怖の底に突き落とした。
これは脅し?
その声の主が、空港で会ったあの男性だとは知る由もなかった……。
終わらない恋ルーシー ゴードン (著), 澤木 香奈 (翻訳)
夕闇にくちづけ/
情熱の予感/
ローマの披露宴と続く、「リヌッチ家より愛をこめて」シリーズ久々の新刊です。
イギリスでテレビ番組を制作しているデラは、新たに取りかかる世界の史跡探訪シリーズの案内役として、イタリアの若き考古学者カルロに目をつけた。
業績はあるし、とびきりの笑顔がいかにもテレビ向きだ。
デラはさっそくポンペイで遺跡調査をしている彼に会いに行く。
そして、発掘現場で偶然でくわしたカルロと互いに一目惚れした。
もっとも、七歳年下の彼がいつか離れていくのはわかりきっている。
デラはつかの間の恋愛ごっこを楽しむつもりだった。
ところが、カルロのほうは真剣そのものだったのだ。やがてデラの軽い気持ちを知ったとき、彼は……。
プリンスは失踪中リンダ・グッドナイト(著), 逢坂 かおる (翻訳)
カーリーは女探偵。といっても見習い中で失敗ばかりしている。
今回の失敗はとりわけひどかったせいで、とうとう謹慎処分に。
休暇にかこつけて、こんな観光用牧場に追い払われた。
なんとしても名誉挽回し、仕事に復帰しなくては!
決意を固めるカーリーだったが、宿泊先に着いて驚いた。
とうてい牧場には似つかわしくない優雅で魅力的な人物がいたのだ。
ルークと名乗るその男性は、彼女と同じ滞在客だというけれど……。
カーリーは彼の素性を調べてみずにいられなかった。
すると、彼は失踪中の王子で、王室は彼の行方をさがしていると判明。
探偵としての実力を見せるチャンスだわ。
カーリーの胸はときめいた。
アポロンと人魚レベッカ・ウインターズ (著), 山野 紗織 (翻訳)
トレイシーはここ数年、金持ちのわがまま娘を演じてきたが、祖父が亡くなり、相続人として会社経営を引き継いだ今、状況は一変、重役たちを見返さなくてはいけなくなった。
でもどうやって?
そう、ニコスの助けが必要だ。
ニコス――かつてトレイシーが憧れ、夢中になった男性。ビジネスで成功した彼なら、きっとどうすべきか教えてくれる。
トレイシーはさっそくギリシアへ発ち、彼との再会に胸躍らせた。
現れたニコスが別人のように冷ややかで、蔑みの目をして謎めいた言葉をぶつけてくるとは思いもしなかった。
「僕の知ってるあの無垢な人魚はどこへ行ったんだ?」
ひと夏だけの夢マーナ・マッケンジー (著), 山本 みと (翻訳)
ベスは家を飛び出した。四人の過保護な兄たちから逃れて自活の道を歩むのだ。
そのためには、就職の面接試験に受からなければならない。
しかし、雇主みずからが面接に現れるとは思ってもいなかった。
バニック・ホテルの経営者、カーソンは不機嫌そうな男性だった。
ろくに資格も持たないベスを雇う気がないのは一目瞭然だ。
それでも、ベスは引きさがらなかった。
そんな彼女のようすを見て、カーソンは好奇心をそそられた。
彼女は仕事を得ようと必死だ。
ロマンスには興味を持っていない。
僕のアシスタントには彼女のような女性がぴったりなのではないか。