スーザン・エリザベス・フィリップス(著), 皆川孝子 (翻訳)
【上巻】幼くして母を失ったハニー・ジェイン・ムーンは、サウスカロライナ州の片田舎で大型木製ローラーコースターが売りの遊園地を営む伯父夫婦に引きとられた。
伯父が亡くなり、遊園地が経営の危機に陥ったとき、16歳のハニーは以前から温めていた計画を実行に移す。
美貌の従姉をテレビドラマに出演させて、逼迫した家計を立て直すのだ。
ハニーは嫌がる従姉を古ぼけたトラックに乗せ、オーディション会場となるハリウッドへと旅立った。
ほかならぬ自分が憧れの人に才能を見出され、数奇な運命に翻弄されることになるとは夢にも思わずに。
【下巻】最愛の家族を失い、ハニーは絶望に打ちひしがれていた。
やつれはて、自ら命を絶つことさえ考えたが、ふいに彼女は、気骨ある少女だったころの自分の姿を思い出す。
そして、かつて母の死から立ち直らせてくれた故郷のローラーコースターを甦らせようと決意する。
全財産をなげうって修復に励むハニーのもとに、かなわなかった初恋の相手――エリック・ディロンが現れた。
いまや最もセクシーなオスカー俳優としてすべてを手にしているはずの彼が、瞳に苦悩をたたえている。
何もきかずに彼を受け入れた瞬間、波瀾の愛が幕を開けた。