情熱の花ジェイン・アン・クレンツ(著), (著), 片山 真紀 (翻訳)
エミリーは大手建設会社を経営するレーヴェンズクロフト家の一人娘。
父の書斎で、録音テープをうんざりして聞いていた。
大企業を経営する家族から、うるさく言われるのは慣れている。
でも、最近のデート相手と友人の好ましくない会話を盗聴し、娘と別れさせるための証拠にするとは、私をばかにしているわ!
部屋の隅では、ジェイコブ・ストーンが影のごとく控えている。
以前から会社の“汚れ仕事”を請け負う、一匹狼のような男。
2年前、エミリーは無謀にも、クールな彼に熱烈な恋をした。
その彼が私の周囲を嗅ぎ回り、証拠集めをしていたなんて……。
あまりの屈辱と怒りに、エミリーは思わず部屋を飛び出した。