たったひとつの愛ルース・ランガン (著), 長沢 由美 (翻訳)
わたしは……誰?
黒髪のハンサムな男性が二人、心配そうに彼女を見下ろしていた。
キーランとその弟コリンによれば、彼女は“メガン”という名の高貴な女性で瀕死の従者に託され、彼らが助け出したのだと言う。
だが敵と戦った際に頭を打った衝撃で、メガンはすべての記憶を失っていた。
途方に暮れ、キーランの領地アイルランドへ一緒に向かったもののでくわした野蛮な男どもが彼らを捕まえ、縛り上げてしまった。
そしてメガンの周りを囲み、飢えた目で彼女を見つめる。
これから始まる非道な行為を想像し、彼女は目眩に襲われた。
『
誇り高き花嫁』、『
華やかな陰謀』に続く、シリーズ最終話。