冷たいプリンス著者: スーザン・スティーヴンス
訳者: ささらえ真海
キャリーは今、おなかに小さな命を宿していた。
だがその子の父親ニコ・フィエレッツァはまだそれを知らない。
ニコはニローリの王子でありながら王族の特権に頼ることなく、実力で建築家としてロンドンで成功している。
ニコの秘書だったキャリーはひそかに思いを寄せていた彼に誘われ、熱い夜を過ごした。
ところが翌朝の彼は別人のようによそよそしく、一夜限りの関係だったと悟り、キャリーは彼の前から消えた。
それでも、子どもができたことは直接会って伝えなくては。
ニコがどう受けとめるか、不安を抱えながらもキャリーは旅立った。
王位継承をめぐってニローリに呼び戻された彼を追って。
現代ヨーロッパの架空の王国「ニローリ」を舞台としたロマンス「
ニローリ・ルールズ
」シリーズの第5弾。
ニローリ王家には厳格な家訓「ニローリ・ルールズ」がある。
王家に名を連ねる人々は、この家訓を守らねばならない……。
ニローリ・ルールズ(抄録)
1、王家の信頼を失う様なふるまいをした王族は、王位継承権を失う。
2、婚姻には君主の承認が必要。
3、王国に危機を招くような婚姻は承認されない。
4、君主は離婚歴のある人物と結婚することはできない。
5、王室内の血縁関係にある者同士が婚姻することを禁ずる。
6、君主は王族の教育について命令を下すことができる。
7、王族が支払い能力を超える債務を負う場合には、君主の承認が必要。
8、王族が遺産相続および財産の寄付をする場合、君主の承認を必要とする。
9、君主は国民のために人生を捧げるべし。
10、王族は国内または君主が承認した国に居住すること。