B-01 満月の牙 html版/
ブログ版ヴァンパイア物のファンタジー。
ライカンスロープ同士で狩り合う格好ですね。
惚れた女吸血鬼に人間を襲わせないために「食料」になっている男は、村人から信頼された神父。
信心深く、心優しく、猛々しい獣。
いつか破綻するに違いない見せかけの安息を、それでも彼は幸福に感じている。
B-02 求めるトクベツは html版/
ブログ版芸能人とマネージャーの現代もの。
自分がさほど特別でないことに気付き、幻滅と不安の中にあったアイドルが、ようやく見つけた笑顔。
誰かの特別ではなく、あなたの特別になりたい。
ちいさな
星の努力は報われるか。
B-03 星の河をわたる風 html版/
ブログ版詳細がないので断言はできかねるが、
「風に乗って空を飛ぶエンジン付きの装置が主要な運搬機関である場所」
が舞台であるから、異世界ファンタジーに分類すれば良いのでしょうが……。
内容はトレンディドラマのような感じ。
働く女(有能で男勝り)と、働く男(元同僚の妻子持ち)。
好きあっているけれど、許されない思い。
大地に降りた彼女が懐かしんでいるのは、彼女を空へ運んだ風なのか、あるいは……。
B-04 最後のブルース html版/
ブログ版現代。芸能物。
落ち目の見えてきた、しかし実力派の大物歌手と、実力はあるが、まだ日の目を見ない弟子(付き人)。
落日の大物は自分の衰えを隠したがる。
認めたくないからと言う者もいるが、彼女はおそらく違う。
弟子を世に出す。
衰えきった師匠の最後の夢を、弟子は知らない。
落ちぶれきった師に、弟子は苛立っている。
不器用な子弟の関係は、悲しくて優しい。
B-05 星を握る html版/
ブログ版現代。サラリーマンもの。
でっかいところができあぐねている事を拾いまくってこなし続けないと、中小企業は生きていけない。
喰うためにはどんな細かい仕事も拾いたいのが「代表取締役社長」の本音。
気に入らない仕事はどんなに実入りが良くてもやりたくないのが「職人」の意地。
でっかい傘の下に入りたくないと拒むのは「一国一城の主」のプライド。
一生懸命な若造を助けたくなっちゃうのが「親父」の心意気。
当方、職人の娘なんで、ちょいとうるっと来たりして。
(涙腺がゆるむのは年の所為かいのう、じいさんや……)
B-06 生命 撒く者 ~ Panspermia html版/
ブログ版SF。
母星を失った一人(?)の「知的生命体」によるモノローグ。
彼女(あえてこう呼ぼう。理由は後述)は母星から微生物を抱いて脱出した。
意にそぐわぬ旅立ちと孤独が、彼女の心を閉ざす。
この辺の描写を呼んでいる最中、私の脳裏に浮かんだのは、
ジョジョ二部ラストでございます。(書き手の方、ごめんなさい)
彼女が決定的にカーズさまと違うところは、彼女が命を抱いていること。
自分の幸福よりも「我が子」を選ぶ。
彼女は、崇高な農婦であり、生命の母とも呼べる存在。
そう感じた瞬間、先ほどのシーンを荒木絵から手塚絵に再変換した、我が単純な脳みそよ……。
B-07 Xing(シン) html版/
ブログ版現代。アクションもの。
タイトルは「星」の中国語読み(の
発音記号)。
中国製トカレフのグリップにある五芒星が物語のキーになっている。
大切なものを失って暴走する若者(かなり無謀)と、かつては同じ境遇に陥り、しかし踏みとどまった女。
読み切りの少年漫画を思わせる少年の成長譚で、読後感はさわやか。
B-08 空を見上げて html版/
ブログ版現代ファンタジー(ローファンタジー)。
疲れ切ったOL。
体調は悪いわ、陰口は敲かれるわのさんざんな一日を送って、漸くの帰宅の途。
出会ったのは、妙に親切な人物。
すり減った神経には普通の親切も余計なお節介に思えるもの。
脳裏に浮かぶのは夢に見た奇妙な姿の「流れ星」。
素直に感情を表現しないということは、実社会で生きるにはある程度重要なスキル。
でもそれが「術」だって事を忘れちゃイケナイ。
たまには豪快に泣き笑おう。
B-09 指先に星 html版/
ブログ版現代。青春恋愛もの。
ちょっと気になる異性に対して、積極的にアプローチできない女生徒。
恋愛成就の「おまじない」をこつこつ積み重ねている。
端から見たらくだらないかもしれない「おまじない」でも、本人は真剣そのもの。
あと少しで満願成就、というときにアクシデント(それも他者から見たら小さなもの)が起きれば、この世の終わりが来たかの如くパニックに陥る。
一個の人間にとっては、でっかい宇宙よりメモ帳の一ページの方が深くて広くて重要なのね。
相手の男の子も最初から彼女のことが気になってたんだよ、きっと。
B-10 歌う星 html版/
ブログ版異世界。
ファンタジーテイストのデストピアもの。
芸術の禁じられた世界に生きる少女セーラ。
彼女の記憶の中にある(血の中に受け継がれた)、他の人々にはない感覚。
それゆえに彼女は魔女裁判に掛けられる。
おそらく、彼女以外にも火あぶりに処せられた「魔女」たちがいたのだろう。
彼女ら(彼ら)は、しかしセーラほど内なる衝動が大きくなかったに違いない。
誰かが始めなければ、世界は変わらない。
それにしても、先王はなぜ芸術を廃したのだろう……。
B-11 ちょっとだけ遠い未来のこと html版/
ブログ版タイトル通りの近未来もの。
おっと、うちの地元が舞台だ(笑)
少年達の日常……。
授業の一環で天文台に向かう彼らは、UNOに興じたり、悪戯書き(よい子はまねしないこと)を計画していたりする。
でも実は着々と世界の崩壊が進んでいる。
温泉が出なくなったり、温度が下がったり……と言った描写を読んで、背筋が凍った。
それは山が相当「壊れている」ということだから。
(当方、角度によっては浅間山の噴煙がぎりぎり見える当たりに居住しておりますので、火山情報にはちょっと敏感でございます)
少年達の言動からはその危機感が感じられない。
「ちょっとだけ遠い未来」のことを知ってしまった彼らは、その不安や恐怖を外に出さないように努めているのだろう。
表面上平静を保ちながら、しかし彼らの内には滾るものがあって、読み手としては救われた感が強い。