道端の小さなお稲荷さんの社。
稲荷神とは神道の神で、穀物の神の総称。 宇迦之御魂神(うかのみたま)、豊宇気毘売命(とようけびめ)、保食神(うけもち)、大宣都比売神(おおげつひめ)、若宇迦売神(わかうかめ)、御饌津神(みけつ)などのこと。 本来は農業神だが、現在は農業漁業か商業工業まで手広くカバーする、地域密着系の神さんとなっている。 総本社は京都の伏見稲荷大社。
宇迦之御魂神の別名「御饌津神(みけつのかみ)」がその音から「三狐神(みけつのかみ。古語では狐をケツと読んだ)」と解され、キツネが宇迦之御魂神の眷属とされるようになった。 つまり、お稲荷さんは狐神じゃなくて、お稲荷さんに祭られている神さんの使者が白狐の姿をしている、ということ。
稲荷神は、神仏習合思想では荼吉尼天(だきにてん。荼枳尼天とも書く)の権現とされている。 荼吉尼天はヒンドゥー教の農業神(ついでに愛と性欲も司る)ダーキーニ女神が仏教に取り入れられたモノ。 ダーキーニはジャッカル(射干)にまたがった姿で描かれるが、 ジャッカルの生息地でない日本や中国では、同じイヌ科で外見が似ている狐で描かれるようになった。 ここから、同じく狐を眷属とする稲荷神と同一視されることとなり、豊川稲荷(円福山妙厳寺)を初めとして仏教寺院でも祭られるようになった。 |