♥ | ブタ飼い王子 |
| 著者名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:宮城麻衣
貧しく小さな国に、立派な王子がいた。 彼は皇帝の姫に求婚するため、素晴らしいバラと小夜啼鳥を贈る。 造花の薔薇とオルゴールのナイチンゲールしか知らないらしい姫は、それらが「本物」であること知ると気味悪がって、贈り主に合うことを拒んだ。 自分の贈り物を認めて貰えなかった王子は一計を案じ、貧しい身なりに変装して宮殿へ行き、豚飼いとして雇い入れて貰う。 豚小屋で仕事をしながら、王子は不思議なだけれど何の役にも立たない玩具を作り出す。 それがどうしても欲しくなった姫に、豚飼いは姫に「100回のキス」を要求する。 どうしても玩具が欲しい姫は、泥まみれに汚れた豚飼いにキスをすることに。 ようやく86回目が済んだとき、その破廉恥な様子が皇帝に知れ、姫は豚飼い共々宮殿から追い出されてしまう。 国を追われるくらいなら、最初から小国の王子と結婚しておくのだった、と後悔する姫。 すると豚飼いは王子の正体を明かして曰く 「あなたはあのバラやナイチンゲールの価値も分からなかった。それなのにあなたは、あんなくだらないおもちゃのためにはブタ飼いにだってキスしようとする。その報いをいま受けるのです」 王子は自国の宮殿に戻ると姫の眼前で門を閉めきってしまうのだった。 (2008/01/06(Sun) 12:15)
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♥ | おやゆび姫 |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者:大久保ゆう
子供が無いことを悲しんだ女性が、銀貨12枚と引き替えに魔法使いから貰った一粒の大麦。 鉢に植えるとすぐに芽を出し、チューリップのような葉を出し、チューリップのような花を付ける。 開いた花の中には親指ほどの女の子が座っていた。 おやゆび姫と呼ばれることになった女の子は、女性に愛されて成長する。 しかしある晩、母ヒキガエルにさらわれてしまう。 おやゆび姫が蓮の葉の上で泣いていると、メダカが哀れんでハスの葉の茎を囓りきり、逃がしてくれる。 川を流されたおやゆび姫はコガネムシに捕らわれるが、他のコガネムシから醜いとののしられ、ヒナギクの花の上に捨てられてしまう。 冬になり、寒さに凍えるおやゆび姫は野ネズミの婆さんに助けられる。 野ネズミと隣人のモグラの住処の間のトンネルに、凍えた燕が倒れていた。おやゆび姫は燕を介抱する。 やがてモグラがおやゆび姫を妻にしたいと申し出た……。 (2008/01/04(Fri) 16:25)
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♥ | はだかの王さま |
| 作家名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳者名:大久保ゆう
原題「The Emperor's New Suit(直訳:陛下の新しい服)」 王様が好きなのは着飾ること。 それも一時間ごとに服を着がえて、見せびらかし、皆にうらやましがられるのが何より好き。 ある日ご城下に詐欺師が二人現れた。 自分たちを布織り職人で、世界でいちばんの布が作れると称して、曰く 「自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人にはとうめいで見えない布なのです。」 これを聞きつけた王様、早速二人を召し出して、件の布を織らせることに。 王様からたくさんのお金をせしめた詐欺師達は早速布を織り始めました。 ところがというか当然というか、織られているはずの布は、大臣にも家来にも、王様にも見えなかった……。 (2008/01/04(Fri) 15:18)
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♥ | 赤いくつ |
| 作家名:ハンス・クリスティアン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄
木靴を履いた貧しい娘カレンが、いつも足の甲を赤く腫らしているのをいじらしく思った村の靴屋の奥さんは、赤い羅紗布の古切れで小さな靴を作って贈った。 みすぼらしい靴だったがこれより他に履く物のないカレンは、母親の葬式にもこの靴を履いていた。 裕福な老婦人が彼女を引き取ってくれたが、みすぼらしい赤い靴は捨てられてしまった。 ある日、美しい王女が赤い靴を履いているのを見たカレンは、心を奪われる。 堅信礼(キリスト教で信仰告白をする儀式。カトリックの場合、一部地域では成人式のような扱いとなる)の衣裳を誂えたカレンは、老婦人に連れられて靴屋へ。 ガラス張りの棚には王女が履いていたのとそっくりな靴があった。 目の悪い老婦人はそれが真っ赤な色であると気付かずに、カレンに買い与える。 カレンもそれが赤い色であるということをあえて口にしない。 堅信礼に望んだカレンだったが、儀式の間も説法の間も、赤い自分の靴のことばかり考えていた。 老婦人は周囲からあの靴が赤い色だと知らされて、初めて不作法に気付かされた。老婦人はカレンに、次に礼拝に行くときには古い黒い靴を履くようにと念を押す。 しかし古い靴と赤い靴を見比べたカレンは、その日も赤い靴を選んでしまった……。 (2008/01/04(Fri) 15:07)
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♥ | 雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語 |
| 作家名:ハンス・クリスティアン・アンデルセン 翻訳者名:楠山正雄
1話:悪魔が良い物は醜く、良くない物は美しく写る鏡を作る。慢心した悪魔達がそれで神や御使いを映そうと天界に向かうと、鏡は割れて四散する 2話:ある国にすむ優しい男の子カイと気丈な女の子ゲルダは、きょうだいのような仲良し。 ある日、悪魔の作った鏡の欠片がカイの目に刺さり、カイの心は歪んでしまう。 冬が訪れ、一人でそり遊びをしていたカイは、雪の女王にさらわれ、家族のこともゲルダのことも忘れてしまった。 3話:村の人々はカイが川に落ちて死んでしまったと思いこんだ。しかしゲルダは春の太陽や川の水に教えられ、カイが生きていると悟る。 小舟に助けられて川を下ったゲルダは、一人暮らしの寂しい魔女に悪意のない魔法をかけられ、カイのことを忘れかけてしまう。しかし花々の声を聞くうちに心を取り戻し、再びカイを探す旅を始める。 4話:烏に「カイに似た子供が王女さまのところにいる」と聞いたゲルダは、烏と一緒にお城に向かうが、そこにいたのはカイに少しだけ似たところのある別人の王子だった。 5話:旅を続けるゲルダは森の中で追いはぎに襲われた。危うく殺されそうになるが、女頭目の娘に気に入られ、トナカイを一頭貰ってその背に乗って旅を続ける。 6話:ラップランドの女やフィンランドの女から「カイは雪の女王の城にいる」と教えられたゲルダ。 フィンランドの女に「カイの身体から鏡の欠片を取り出す」ように言われるが、途中、雪の大軍に襲われる。一心に祈り、天使の軍勢に助けられた彼女は、雪の女王の城へ向かう。 7話:雪の女王の城で絵合わせをするカイだったが、悪魔の鏡の欠片の所為で、それを正しく並べることができないでいた。 たどり着いたゲルダが凍り付いたカイの身体に抱きつき、祈りながら涙を流すと、カイの心と体は融け、鏡の欠片も外れる。 心を取り戻したカイは絵あわせを正しく揃え、ゲルダと共に女王の城から抜け出す。 ラップランドの女に別れを告げ、追いはぎの娘から優しい烏の話を伝え聞き、春の訪れる故郷に向かって歩き続ける……。
底本:「新訳アンデルセン童話集 第二巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月15日初版発行 (2007/07/04(Wed) 13:39)
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♥ | 旅なかま |
| 作者 ハンス・クリスティアン・アンデルセン 翻訳者 楠山 正雄
孝行者のヨハンネスが不思議な夢を見た夜、病の床にあった父が没した。 弔いを済ませた彼は、死者に無礼をはたらく者たちになけなしの金を渡し、その死者をも手厚く葬る。 無一文で旅にを続ける彼に、見知らぬ男が声を掛け、旅の道連れとなる。 旅を続ける内に二人は立派な城の城下町にたどり着く。 城の姫が夢に出てきた娘とそっくりであることに気付いたヨハンネスはその婿になることを望む。しかし実は姫は恐ろしい魔女であり、花婿候補はことごとく殺されていた。 それでも姫との結婚を願うヨハンネス。旅仲間の男は彼に酒を飲ませて眠らせると、宿屋の窓から外に出て行き……。 (2006/10/16(Mon) 13:49)
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♥ | 野のはくちょう |
| 作者 ハンス・クリスティアン・アンデルセン 翻訳者 楠山 正雄 11人の王子と1人の姫の父王が新しく妃を迎えたが、彼女は子供達を嫌っていた。 姫を悪様にいって王と王城から遠ざけさせると、王子達を呪って白鳥に変化させた。 成長した姫は、兄王子達の呪いを解く術は刺草で帷子を編み、着せることことと知る。しかも、帷子を編む間は一言も口をきいてはならない。 手指を血まみれにし無言で刺草を編み続ける姫を魔女と思いこんだ高僧は、彼女を火あぶりしようとする……。 別訳タイトル「白鳥の王子」 (2006/10/16(Mon) 13:49)
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♥ | 人魚のひいさま |
| 作者 ハンス・クリスティアン・アンデルセン 翻訳者 楠山 正雄
人魚の王の末のひいさま(姫様)は、六人姉妹の内で一番の器量好し。 祖母の語る海上の世界……人間達の暮らし……を聞く内に、その世界にあこがれを抱くようになる。 十五の祝いに海面へ向かうことを許されたひいさまが見たのは立派な船、そして美しい王子の姿。 嵐で難破した船から王子を助けたひいさまは、王子に恋焦がれる。 美声を代償として人の脚を手に入れたひいさまは王子の暮らす国へ向かった……。 底本:「新訳アンデルセン童話集第一巻」同和春秋社 1955(昭和30)年7月20日初版発行 (2006/10/16(Mon) 13:49)
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