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UPDATE:2008/06/30(Mon) 16:57

お姫様倶楽部Petit資料室 著作権法に抵触しない「お姫様関連文書」

芥川 竜之介

続文芸的な、余りに文芸的な 作家名:芥川龍之介

芥川による文学評論。タイトル通り、「文芸的な、余りに文芸的」の続き。
「昭和二年五月六日」の日付がある。
十章からなるが、各章とも全体的に短い文章で書かれている。
七章【語彙】では、昔と今とで言葉の意味に変化があることを上げ『僕等の語彙ごゐはこの通り可也かなり混乱を生じてゐる。』とし、『従つてこの混乱を救ふ為には、――一人残らず間違つてしまへ。』と締めている。
(2008/01/18(Fri) 13:45)
文芸的な、余りに文芸的な 作家名:芥川龍之介

芥川による文学評論。
四十章からなり、二章と二十九章に、同時代の作家で友人でもあった谷崎潤一郎とのとの「小説の筋の芸術性」をめぐる論争を含む。
第一章【「話」らしい話のない小説】で『僕は「話」らしい話のない小説を最上のものとは思つてゐない。従つて「話」らしい話のない小説ばかり書けとも言はない。』と始まり、四十章【文芸上の極北】を『文芸の極北はハイネの言つたやうに古代の石人と変りはない。たとひ微笑は含んでゐても、いつも唯冷然として静かである。』と結ぶ。
三十八章では「通俗小説(大衆文学)」と「芸術小説(純文学)」について短く論じる。
曰く
『 所謂(いはゆる)通俗小説とは詩的性格を持つた人々の生活を比較的に俗に書いたものであり、所謂芸術小説とは必しも詩的性格を持つてゐない人々の生活を比較的詩的に書いたものである。』
『(「所謂通俗小説論はポピユラア・ノヴエルには通用しない。」と前置きし)ベンネツト(Arnold Bennett)は彼のポピユラア・ノヴエルに Fantasies の名を与へてゐる。それは事実上あり得ない世界を読者の為に広げて見せるからであらう。』
続編の続文芸的な、余りに文芸的なには「昭和二年五月六日」の日付がある。
初出:雑誌「改造」1927年(昭和2年)2月号〜8月号
(2008/01/18(Fri) 13:45)
三つの指環(仮) 作家名:芥川龍之介

芥川の未決定稿。
はじめに物語の筋とおぼしきものが書かれ、その後に書きかけのシナリオ形式のものが綴られている。

王位を継いだばかりの若い王は不可解な乞食に「害なす者があれば知らせてくれる」という指輪を渡される。
落魄した賢い娘は、乞食から「どのような男の心も捉える」という銀の指環を渡される。
市場で壺をひさぐ老爺は、乞食から「人の秘密も残らずわかる」という鉄の指輪を渡された。
さて、この三人と三つの指輪を巡る物語は……。
(2007/11/21(Wed) 17:38)
悪魔 伴天連(padre 戦国時代に日本に戦況に訪れたカトリックの神父・司祭格の宣教師)ウルガンは透視眼の持ち主と言われていた。
彼が織田信長の前で語ったという「悪魔」の諷諭ふうゆ
南蛮寺(教会)の前。ウルガンはとある姫君の輿の上に一匹の悪魔が座しているのを見た。
姫が熱心な天主教徒キリシタンであるのを知っていたウルガンは、すぐさま悪魔をとらえると、南蛮寺の祭壇の前へ引き出し、審問を始めた。
すると悪魔は
「姫を堕落させたいと願っている反面、その清らかな魂を曇りなきものにしたいと念じずにはいられない。天国の光と地獄の闇とが自分の胸中に一つになっているようだ。私は寂しくて仕方がない」
と言い、涙を流したのだった。
(2007/07/10(Tue) 15:32)
老いたる素戔嗚尊 作家名: 芥川 竜之介
日本神話の「オオクニヌシの根の国訪問」のエピソードを、スサノオノミコトの視点で描いた作品。
大蛇退治をなした素戔嗚尊すさのおのみこと櫛名田姫くしなだひめを妻とし、部族の長として心安らかな日々を送っていた。
二人の間には、母親に似た優しい息子の八島士奴美やしまじぬみと、父親に似た気丈な娘の須世理姫すせりひめができた。
やがて櫛名田姫が病を得て没すると、悲しみにくれる素戔嗚は長の位を八島士奴美に譲り、幼い須世理姫を連れて海の向こうへ移り住む。
更に時が流れ、素戔嗚の悲しみが癒えつつあった頃、須世理は母親の櫛名田の面影を残す美しい娘となっていた。
ある日、須世理は葦原醜男あしはらのおしこという若者を素戔嗚のまえに連れてきた。
須世理と醜男とが仲睦まじげであるのを見た素戔嗚の心中に、若き日の荒い気性が甦ってきた。
彼は醜男の命を奪うために、様々な難題を与えた。そして……。
初出: 「大阪毎日新聞」「東京日日新聞」1920(大正9)年3〜6月
(2007/07/02(Mon) 14:31)
結婚難並びに恋愛難 作家名: 芥川 竜之介
アラビアの王女ゼライイドはたぐいまれな美女であり、知性にも富んでいた。
年頃となった王女には二百八十人もの花婿候補があったが、どれも彼女の眼鏡には適わない。
王宮の奥深くで侍女達に囲まれて過ごす王女であっても、しかしとうとう「恋愛」に捕らえられる日が訪れた。
ある夜、彼女は恋しい男と手に手を取って出奔した。その恋人とは……。
初出: 「婦人の国」1925(大正14)年7月
(2007/07/02(Mon) 13:47)
六の宮の姫君 作家名: 芥川 竜之介
今昔物語から採った男と女の物語を、芥川龍之介が哲学的に小説化。
父母を頼りに、その父母を失ったあとは言い寄ってきた優しい男を頼りに生きる、六の宮のほとりに住む姫君。
やがて男は遠い任国へ。地獄も極楽も知らないその人生が終わりを迎えるとき……。
初出: 「表現」1922(大正11)年8月
(2007/07/02(Mon) 13:36)
三つの宝 作家名:芥川 竜之介
初出:「良婦之友」1922(大正11)年2月

シナリオ形式の作品。
ある森の中。ずるがしこい盗人達が王子を欺く。
人の良い王子は、ぼろのマントとなまくら剣と穴あきブーツを「姿を消すマント」「鉄をも切り裂く名刀」「千里を跳ぶ靴」の三つの宝だと思いむ。
ある国で王との婚礼を良しとしない姫が捕らえられていると聞いた王子は、三つの宝の力で姫を助け出そうと王城へ向かった。
ぼろぼろのマントの御蔭で下男と間違われ、侵入者と思われずに済んだ王子は、あっけなく王女の元にたどり着いた。
そこに現れた黒人王は、本物の三つの宝を持っていた。
自分のブーツは偽物かもしれぬが、王女といれば千里を舞うのと同じ事、と言い切る王子。
怒った王がマントで姿を消せば、王女と王子は嫌いな王の姿が見えぬ事をむしろ喜んでみせる。
王はついに名刀を抜き、王の刀が王子の刀を叩き折る。
しかし王子をかばう王女を傷つけられぬと、王は剣を投げ捨てた。
王は本心から王女を愛していた。しかしやり方を間違えていたという彼に、王子も自分も考え違いをしていたと応じる。
王は王女を解放し、故郷へ戻る決心をする。
そして王子と王女は「悪魔のような王や魔法の道具を持った王子など、おとぎ話の中だけのこと」と悟り、醜く美しい、もっと広い世界に旅立つことを宣言するのだった。
(2006/12/02(Sat) 20:08)
奉教人の死 作者 芥川龍之介
ある年の御降誕(クリスマス)の夜、長崎のキリスト教会「さんた・るちや」の前に一人の少年「ろおれんぞ」が行き倒れていた。
「生まれは天国、父はデウス」と言って笑う天涯孤独の少年は、女の子のようにかわいらしく、また信心深いので、信者達は天からの授かりものと慈しみ育てた。
ことさら武士の出で「悪魔をも挫がうず大男」の「しめおん」は、「ろおれんぞ」を弟のようにかわいがっていた。
数年後、信者の傘張の娘が「ろおれんぞ」に恋をしたが、「ろおれんぞ」は意にも介さない。
すると娘は長老達の前で「身籠もっていて、父親は『ろうれんぞ』だ」と告げる。
「ろうれんぞ」は否定するが、信者達もそして兄と慕う「しめおん」も彼が不義をはたらいたと責め、皆は破門を宣告する。
「ろうれんぞ」は教会を去り、傘張の娘は女の赤子を生む。
「しめおん」は去ってしまった「ろおれんぞ」の顔立ちを赤子の中に思い起こしてかわいがったが、娘はそれを快く思っていなかった。
一年ほど後、長崎は大火に見舞われ、傘張の娘の赤子は火炎の中に巻き込まれてしまった。
取り残された赤子を救いに飛び込んだのは「ろおれんぞ」だった。
家が崩れ落ちる中「ろおれんぞ」は赤子を娘に投げ渡すが、自らは逃げ遅れる。
「しめおん」によってようやく救い出された「ろおれんぞ」だったが、全身が焼け爛れ、すでに虫の息だった。
懸命に看病する「しめおん」は、その中で「ろおれんぞ」が娘の恋慕を受け入れなかった理由、そして赤子の父親であるはずがない証拠を見ることとなる……。

初出: 「三田文学」1918(大正7)年9月
(2006/10/16(Mon) 16:33)


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