2007年11月12日 09:33 発信地:マドリード/スペイン APF通信伝スペインのフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)国王が第17回イベロ・アメリカ首脳会議(Ibero-American summit)で、スペインのホセ・マリア・アスナール(Jose-Maria Aznar)前首相を「ファシスト」と呼んだベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領に「黙れ」と激怒したことについて、スペイン国内の各メディアは11日、そろって国王を称賛する記事を掲載した。
フアン・カルロス・アルフォンソ・ビクトル・マリーア・デ・ボルボーン・イ・ボルボーン=ドス・シキリアス(Juan Carlos Alfonso Vi'ctor Mari'a de Borbo'n y Borbo'n-Dos Sicilias)
あんまり長いんで通称ファン・カルロス1世。
奥方はソフィア・マルガリータ・ビクトリア・フレデリカ・デ・グルックスブルゴ(Sofi'a Margarita Victoria Federica de Glucksburgo)。
コッチも長いんで、通称ソフィア王妃。
スペイン王ファン・カルロス1世の家系はブルボン(スペイン風に発音すると「ボルボーン」)王朝で、
ご先祖をたどるとフランスの太陽王ことルイ14世に突き当たる。
ファン・カルロス1世のおじいさんにあたるアルフォンソ13世の御代にはカトリックとプロテスタントの宗教戦争一歩手前まで行っちゃったり
(王妃に迎えたヴィクトリア・ユージェニーは元々プロテスタントの家の人で、カトリックなスペインの王室に嫁ぐにあたり改宗したんだけど、プロテスタントな人たちからは「カトリック強引すぎ、自重しる!」てなこと言われちゃうし、カトリック側からは「本気で信心する気が見えねぇてこねぇぞ、ゴルァ!」と突っつかれる)
無政府主義者に暗殺(爆殺)されそうになるし、
改革しようと努力すれば家臣がどんどんテロで殺されちゃうし、
仕方なく独裁圧政に持って行けば社会不安は大きくなるし、
ご近所のイタリアの真似をしてファシストの将軍を重臣に迎えちゃったりで、
結局失脚して亡命して、亡命先のローマで客死なさったと。
んで、お父さんにあたるバルセロナ伯ファン(フアン・カルロス・テレサ・シルベルトレ・アルフォンソ・デ・ボルボーン・イ・バッテンベルグ(Juan Carlos Teresa Silvestre Alfonso de Borbo'n y Battenberg))は
アルフォンソ13世が死ぬ直前に、有名無実化していた王位を一応受け継いだんだけど、
国内はソビエトがバックアップする左派とドイツ・イタリアが支持する右派による内戦(スペイン内戦。第二次世界大戦の前哨戦とされる)でそれどころじゃなくて、
なんだかんだでスペインが共和制になってフランシスコ・パウリーノ・エルメネヒルド・テオードゥロ・フランコ・イ・バアモンデ・サルガード・パルド (Francisco Paulino Hermenegildo Teo'dulo Franco y Bahamonde Salgado Pardo)っていう軍人さんが総統になったんだけど独裁者になっちゃって、
このフランシスコ・フランコが死ぬ際になって何故か王政復古って遺言を残しちゃって、
後継指名されたのがファン父さんじゃなくて倅のフアン・カルロスの方だったんで、ちょっとごねたりして
1975年に倅が即位してファン・カルロス1世になった後も1977年までは「俺が王様になっても良くなくね?」みたいなこと言ってみたりしてたらしい(正式に王位請求権を放棄したのが1977年ってことなんで)
ま、色々あって王様になったファン・カルロス1世は結構気骨のある人だと言うことであります。