久美 沙織 (著)
出版社: 角川書店 (1998/06)

内容（「BOOK」データベースより）
あなたが新人賞を獲れない本当の理由を教えます。

会社勤めの退屈な毎日を送りつつ、ドキドキする（ハーレクイーンな？）出会い・恋愛を思い描いているOLさん。
家業を継ぐのが嫌で、東京の専門学校へ通うことを口実にして実家から逃げ出した軟派なオタクなお兄さん。
世の中の「流行物」に懐疑的で、作品には芸術性・メッセージ性が必要だという信念を曲げられない生粋のオタク青年。
離れて暮らす娘は自分に合いたいはずと思いこんで、やっと巡ってきた千載一遇のチャンスを見逃してしまった、メジャーになれない中年ロッカー。
子供が巣立った今、生活に不満はないけれど何となく寂しさを感じている奥様。
甘々なティーン向け恋愛ノベルどっぷりな女の子。
児童福祉施設で多くの問題児童と対峙、構成させてきたまじめな先生。
激動の昭和史を生き抜いてきた頑固な老人。
何か創作したい（している）けれども、恐らくは新人賞を取れない・職業作家にはなれない人々をパターン化（ＯＬ・オタク・オタク改・オタク零式・おくさま・ロックンローラー・夢見るティーン・好青年・先生・お爺さん）し、ショートショート小説で紹介する。

ハウツー本、ではない。
短編集というか、エッセイというか……。
分類が難しい本。

楽しむつもりで読まないと（自分がパターン化された「キャラクタ」とダブって）トラウマになっちゃうかも（経験者・談）。

2007/04/26(Thu)14:49

アリス・W・フラハティ
吉田 利子（訳）
出版社: ランダムハウス講談社
価格： ￥ 1,995 (税込み)

出産と生まれた子供の死によって精神的に不安定になった神経科医。
彼女は何かを書かないといられない精神状態「ハイパーグラフィア」に陥る。
薬物投与による適切な治療を受けたことにより、疾患は平癒した。
すると病中にあれほど湧き上がってきた創作意欲は失せ、逆に書きたくても書けない「ライターズ・ブロック」に嘖まれることとなった。

これは著者自身が体験した相反する2つの病的な心理状態
『書きたくて書きたくて堪らなくなる「ハイパーグラフィア」』
『書かねばならないのに書けなくなる「ライターズ・ブロック」』
に関しての考察書である。

この「ハイパーグラフィア」は、側頭葉てんかんや躁鬱病の患者に見られる症状だという。
ある種の失語症や、統合失調症でもこの症状を起こすことがある。
人間はなぜ「書きたがる」のだろうか……。
そして私は何故書きたがるのだろうか……。

2006/07/13(Thu)11:54

花村 萬月
出版社: 集英社
価格： ￥ 714 (税込み)

読者諸兄の中で小説を書こうと考えている方がいらっしゃるならば、肝に銘じておいて下さい。頭の悪い者ほど物事を複雑にしてしまいます。
異端の芥川賞作家が「異能の小説家の作られ方」を綴る。

花村少年が五歳の頃、作家志望で放浪癖のある父親が突然帰ってた。
出てゆくことなく居着いた父により、少年にとっての「地獄の日々」が始まる。
『モルグ街の殺人事件』（それも旧仮名づかひの）を皮切りに、古今東西の古典を読まされる毎日を送ることとなったのだ。
五歳児が、である。しかも、飽きる素振りをみせれば、鉄拳制裁。
仕方なく（難しい文字や表現を読み飛ばしながら）与えられた課題をこなすうち、やがて花村少年は「岩波文庫の意味を解する」異能の小学生となっていた。
しかしその狂気じみた英才教育は四年で終焉を迎える。
父の死。
糸の切れた凧となった少年は、非行の空を漂い、やがて児童福祉施設へと収容される。
以来、彼にはまともに学校に通った記憶がない……。

本書は、芥川賞作家・花村萬月が、これまでの人生で唯一受けた教育の記憶をたどり、己の身体に刻み込まれた「文章作法」の源泉に向きあった、初の本格的自伝である。

所謂「文章作法本」ではないが、花村氏の創作手法などをうかがい知ることができる。

2006/07/13(Thu)11:53

マリサ デュバリ,Marisa D’Vari,（原著）岡田　勲 [監修]
別所　里織 [訳]
出版社: ストーリーアーツ&サイエンス研究所
価格： ￥ 1,890 (税込み)

「これがスランプ脱出の決め手だ!!」
眠った想像力を呼び覚ます、世界で証明された右脳活用による驚異のシナリオ創作術!
プロ、アマを問わずすべてのシナリオライター、作家必読の一冊。
技術論ではないので、初心者さんには不向き。
ある程度書ける人（書けていた人・書かないとマズイ人）向け。
2006/07/10(Mon)09:54

スーザン ショフネシー（Susan Shaughnessy）(原著), 宮崎 伸治 (翻訳)
単行本（ソフトカバー）: 287 p　
出版社: 同文書院
価格: ￥1,313 （税込）

書かなきゃいけないのに。
書きたいのに。
チャンスがあるのに。
書き始めたのに。
……それなのに書けない。
そんな「ライター志願者」と「現役作家」を【今日書く】人に変身させる136の言葉。

(原著)Julia Cameron（ジュリア キャメロン）, (翻訳)矢鋪 紀子
単行本（ソフトカバー）: 253 p
出版社: 風雲舎
価格: ￥1,680 （税込）

ベストセラー作家になりたい人向けの本ではありません。
身体の奥から「書きたい」という衝動が突き上げている方の背中を押してくれる一冊。
兎も角書いてご覧なさい、書きたい欲求がある人がすなわち作家なのだから、書くことに幸せを感じましょう……。
なお、方法論とか技術論を求めている人や、スピリチュアル系・自己啓発系の記述が苦手な方にはオススメできません。

スティーヴン・キング,Stephen King,（著）
池 央耿（訳）
出版社：アーティストハウス

米国のベストセラーミステリ作家スティーブン・キングの自伝兼創作にまつわるエッセイ。
彼の（あまり恵まれなかった）半生と、アメリカンドリームを掴むまでを描いた前半は、彼のファンなら必読。
後半部分は彼の創作に向かう意気込み・若い創作家（および卵達）へのアドバイス。
結局、自分が読みたいと思うものを書くのが一番、らしい。
絶版状態のようす。
2006/07/18(Tue)14:23

岩波新書 新赤版
佐藤 正午 (著)
出版社: 岩波書店
価格： ￥777 （税込）

「小説の書き方」といったような本は、星の数ほどあります。
でも、実際に小説家はどんなふうに読み、また書くのでしょうか。
本書は、近代日本文学を代表する小説家たちの作品――漱石、一葉、鴎外から、太宰、谷崎、松本清張、果ては自作までの25作品――を、小説家である著者自身が丹念に読み解きながら、「小説の書き方」ではない「小説家の書き方」を考えるユニークな文章読本。
読むことは書くことに近づき、読者の数だけ小説は書かれる、と著者はいいます。
あなたは小説をどんなふうに読み、また書きますか？

2006/06/29(Thu)12:17

E.M.フォースター著作集
E.M. フォースター (Edward Morgan Forster) (原著), 中野 康司 (翻訳)
出版社: みすず書房
価格: ￥3,465 （税込）

価値観の違う者たちが出逢うことによって生まれる出来事をヒューマニティあふれる視点で描いた作家エドワード・モーガン・フォースター（1879-1970）による小説論。
ストーリー、登場人物からパターンとリズムまで小説の仕組みを語り明かした <小説論> の古典。

フォスター作品で映画化されている物のリスト（不完全）
『眺めのいい部屋　原作』『モーリス　原作』『ハワーズ・エンド　』、『天使も許さぬ恋ゆえに　原作』など、長編の多くが映画化されている
2006/04/12(Wed)16:22

デイヴィッド ロッジ , DaVid Lodge (原著), 柴田 元幸 (翻訳), 斎藤 兆史 (翻訳)
出版社: 白水社
価格： ￥2,520 （税込）

読者を小説世界に引きずりこむために作家は書き出しにどんな工夫を凝らしているか。
サスペンスを持続させるにはいかなる妙技が必要か。
登場人物の名前がもつ意味は。
「エマ」「ユリシーズ」から「ライ麦畑」「日の名残り」まで、古今の名作を題材にその技法を解明し、小説味読の楽しみを倍加させる一書。

英国文学が好きな方や、英語・翻訳に興味のある方にも。
2006/04/20(Thu)16:03

大塚 英志 (著)
新書: 309 p
出版社: 講談社
価格: ￥798 （税込）

表題だけを読むと、キャラが立った小説の書き方を教えてくれるように見えますが、この本を読んでも小説が「みるみる書ける」ようにはならないでしょうし、「小説入門」の意味合いも薄いんじゃないかと思われます。
ハウツー本・文章読本として読もうとすると違和感を感じるんですな。
では、そう分類すればよいかというと、……ジュニア向け小説（ライトノベル）の考察というか批評というか。
……ロードス島戦記を懐かしむ本？（ちょっと違う）
「私小説」から「創作されたキャラクタを動かす物語」へシフトしませんか、というお誘いでしょうか。

―誰もが読んだあの本の企画のたて方、売り方とは?10万部売れる本の仕掛け一挙公開
ベストセラー研究会 (編集)
出版社: 生活情報センター
価格: ￥1,470 （税込）

『頭がいい人、悪い人の話し方』『話を聞かない男、地図が読めない女』『盲導犬クイールの一生』……　
この本では、書店で誰もが見かけたあの本を生み出した編集者・執筆者にインタビューを行い、理詰めとも言えるクリエイティビティや、本作りにかけるひたむきな情熱を解き明かしていきます。
ヒット企画のタマゴがどのように生まれ、それをどんな形に結実させるかについての数々の証言は、きっと出版以外のビジネスフィールドにおいても普遍性を持っているはずです。
読者のみなさんがそのエッセンスを汲み取ってくれたら幸いです。
なお、巻末にはライター志望者必見の基本知識も収録しています。

2006/02/07(Tue)11:46

小説テクニック特訓講座中級者編
渡部 直己 (著)　出版社: 太田出版
価格: ￥1,575 （税込）

吉本ばなな、山田詠美、林真理子、辻仁成といった「おしゃれな流行作家」がお好きな方は読んではいけません。
たぶんむかっ腹が立つか、ファンを止めたくなるか、漱石が嫌いになるか、著者を呪いたくなるでしょうから。
前半は著者さんの対談（書評家の裏話的な内容）なので、小説書きを目指す人は軽く読み飛ばして下さい。（読んで損はないですけれども）
中盤以降、夏目漱石の小説をテキストとし、人物造形法、比喩の使い方、伏線、焦点化技法など全15講の講義が繰り広げられます。
文章の読み方・とらえ方がメインとなっているので、作家になりたい方にも書評家になりたい方にも役立ちます。
「今の作家はナットラン！！」という評論家による辛辣毒舌集として、文芸書的な楽しみ方もできます。……こっちのほうが正しい読み方かも知れませんが。

斎藤 美奈子 (著)
単行本: 261 p ;
出版社: 筑摩書房
価格: ￥1,785 （税込）

谷崎 潤一郎 、三島由紀夫、川端康成、中村真一郎、丸谷才一……
高名な作家が手を染めたがるジャンル、それが「文章読本」
彼らは何故「文章の書き方」を書き表したがるのか。
それらの内容は？
これ1冊読で100冊読んだ気分になれるお得な本。
著者の愛ある悪意が「文章読本」に蹴りを入れる！
2006/01/24(Tue)16:55

編集の学校
出版社: 雷鳥社
価格： ￥ 1,680 (税込み)

雷鳥社の「1週間でマスター」シリーズの編集編。
「編集」の仕事はむずかしい。
企画の立て方、取材の仕方、原稿の書き方…。
でも本書を読めば7日間で「編集」の仕事が丸ごとわかる。
やっぱり「編集」っておもしろい!「編集」を効率的にマスターできるよう、「編集の学校」の授業を元に、そのエッセンス、編集者に必要な知識とノウハウを7日間に集約。
すべてのページに図解を使った実践にも役立つ編集者のための入門書。

2006/06/26(Mon)19:00

尾高 修也
出版社: 美巧社
価格： ￥ 1,575 (税込み)

小説教室で近代文学を読むとこうなる!
書く立場で読めばこんなに面白い。
読み巧者が生き返らせる日本の近代小説の数々。
書きたい人のための読み方の本。
いま書こうとする人必読の一冊。

2006/06/26(Mon)18:16

文春文庫
河野 多恵子 (著)
出版社: 文藝春秋
価格: ￥550 （税込）

「デビューの仕方」に始まり、名前のつけ方、標題のつけ方、導入と終り方など、極めて実践的な「創作心得」。
著者が明かす小説執筆の秘密と、谷崎、芥川、吉行などの作品をまったく新しい視点から読み解いた目からウロコの文学論。

2006/02/12(Sun)13:18

伊藤 整
出版社: 岩波書店
価格： ￥ 798 (税込み)

『チャタレイ夫人の恋人』『ユリシーズ』などの翻訳で知られる、伊藤整の同名単行本を文庫化したモノ。
「近代の日本文学の理解のために、自分の納得の行くような、自分流にではあるが論理的な組織を作ろう」との切実な思いから生まれた著作。
詩人・小説家としての長年にわたる実作上の体験と、評論家としての理論上の蓄積が相まった、悪戦苦闘の果ての果実。

2006/06/26(Mon)18:15