プロが教える アニメ背景画の描き方加藤 浩 (著)
出版社: ソーテック社 (2014/7/19)
本書は、「日本のアニメーションにおける背景美術」というテーマで制作・執筆しました。「デジタルで作業している背景美術の現場で背景を描く時には、例えばこういう手順で作業しますよ」という手引き書的な種明かし本を、微力ですがご用意させていただきました。
「背景美術に興味があるけれど、よくある技術書や解説書では書いてあることをどのようなシチュエーションでどう応用するのかがわからない…」「もうちょっとステップ・バイ・ステップで展開する手引き書があればいいのに…」という声にお応えすべく、デジタルツールで描いた背景のサンプルパターンを5つ用意しました。
当然、アニメーションの背景美術という意味では、もっと押さえるべきことは山ほどあります。というより、実際の現場では日々カットごとに違った場所、違った季節、時間、ムード、空気感、照明など、それぞれの作品の演出意図に合わせて、キャラクターたちがイキイキと芝居ができる舞台を底なしに作り出すのが背景美術の仕事ですので、ここですべてを出し切るのは難しい話です。
さらに言えば、この一冊を理解すれば明日から背景が描けるというものでもありませんし、そんなうまい話は幻想です。
本書は眺めるだけでも良いのですが、不慣れな人でも進められるように構成してありますので、まずは一度描いてみることをおすすめします。
描くことで、文章では書ききれない部分を体で感じていただけるかと思います。
とりあえず、サンプルを模写して自分の描いたものと見比べながら練習してみてください。
現場のスタッフでも、新人のうちは、まず壁などのグラデーションやちょっとした小物、単純な室内など、簡単なモノから描かされます。
最初から大変な仕事を任される人は稀ですので、もし、あなたが不慣れな場合で上手くいかなくても、気にせずに何度もやり直しながら慣れていくとよいでしょう。
そして、物足りなくなったら夜の風景や自分の部屋や家など、自分の描きたいものを描いてみるとよいでしょう。
まずは、描き始めないと何も始まりません。本書が、そのためのきっかけ作りとなれば幸いです。
初めて背景を描く方、アナログからデジタルへ乗り換える方、これからデジタルツールで絵を描く方、その他すべての方にとって、本書が参考になりますように。
(本書「まえがき」より)
VILLAS(ヴィラ)西洋の邸宅:19世紀フランスの住居デザインと間取り中島智章 (監修, 翻訳), マール社編集部 (編集), レオン・イザベ (イラスト), ルブラン (イラスト)
出版社: マール社 (2014/7/18)
本書は19世紀の建築家レオン・イザベ、ルブラン両氏の設計・製図による『ヴィラ 都市住宅と郊外住宅―16、17、18、19世紀の様式による現代パリの住居のモチーフ、および、外国の傑出した住宅』(1867年刊)の図版を再編成したものです。
本書の図版は、16〜19世紀の様式による住宅建築の雛形であり、原書は19世紀フランスにおける、当時のいわば「住宅カタログ」です。
各デザインの様式は時代・地域とも多岐にわたり、寸法付きの詳細な立面図と平面図を掲載しています。
そこには、主(あるじ)の家族や使用人、芸術家、商人などそれぞれの職業や階級に合った部屋、食堂や図書室など共同生活の場のほか、ギャラリー、テラスなど遊興のための場も見られます。
過去の建築デザインや伝統的な貴族住宅の設計を踏襲した本書の作例からは、19世紀当時の人々の志向や暮らし、趣味をうかがい知ることができるでしょう。
建築、デザイン、イラスト等の資料としてはもちろん、画集としても楽しめる一冊です。どうぞ幅広くお役立て下さい!