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 「チャラ孫子 九変篇 第八」 2019年03月24日(日) 自作小説の話題歴史関連の話題孫子
 俺の考え、言いますね。
 センソーするって時の手順、も一回ッカイ確認しましょか。
 まず王様から現場リーダーの将軍さんに命令が下されーので、グループリーダーの武将を招集しーので、それから兵隊メンバーさんをシューゴーさせーのしますよね。
 ここまではさっきも言いましたっけ? じゃOKです。続き行きますよ。

 で、その後に、じゃあ出発するぞーってダンドリになりますよね?
 そういうときに注意しないといけないことの話しますよー。
 重要なのは地形の把握。ほんとこれ大切ですよー。
 ポイントを五個ぐらい挙げますね。

 一個目。
 足場が悪くて進むのが大変なところ、これ業界用語で「」ってんですけど、そういうところで、「ここを我々のキャンプ地にする!!」ってやっちゃダメです。
 大体、石ころゴロゴロしてるようなところで寝ちゃったら、休んだことにならないっしょ? かえって疲れちゃうゃう。

 二個目。
 三つぐらいの国とボーダーラインで接してるところ、ここ「」って言いますけども、そういうところではむやみにケンおっパジめるような無茶はやらないで、皆さんと仲良くしましょう。
 ケンした相手が、今は仲良しのお隣さんの《《友達の友達》》だったりしたら、えらいコトですよ。回り回って絶交とか、むしろ敵さんに味方しちゃうとか、そういうことになりかねませんからね。人脈大切。

 三個目。
 故郷ホームグランドから遠く離れたところ、これ「ぜっ」って呼んでます。こういうところに長いことうろうろしちゃヤバいっすよー。
 だって、近くに味方がいないんですよ。ひょっこり敵さんと出会うかも知れないし。さっさと通り抜けちゃいましょうね。

 四個目。
 敵さんチームの勢力域なんじゃないかなーってところは「」っていうんですけど、コレはもっとヤバい。
 逃げましょう。どうにか脳味噌を絞って逃げる方法を考えて、キューテキスミやかにトンズラこきましょう。

 五個目。
 敵さんチームの勢力圏どころじゃなくて、もう完璧に敵さんチームに囲まれている場所、つまり「」ってヤツに踏み込んじゃったとしたら、もう何か考えてる場合じゃないっすよ。
 これマジでヤバい。ヘタすると死ぬ。ヘタしなくても死ぬ。だから戦いましょう。口を動かす前に体を動かして、退路を切り開きましょう。


 それから、センソーを始めた後にホントにマジでガチで気をつけないといけないことも五個ぐらい挙げときましょう。

 一番目、世の中には通ったらヤバい道っていうのもある。
 地図マップで見たら通れそうだと思ったんで行ってみたら、もうホッソ過ぎて、路肩断崖みたいになってて、全然車幅が足らなくて進めなかった、とか、あるでしょ?
 そういう道は通っちゃダメ。別ルートを探しましょう。

 二番目、敵だからって、ヤタラと攻撃しちゃいけない敵っていうのもいる。
 いかにも弱そうで、もうラクショーな敵だと思って攻めかかったら、実はそいつらは囮部隊フェイクで、横っちょにもンの凄い数の本隊が隠れてた、なんてことだって、考えられるでしょ?
 だからそういうのは無視シカト決め込むのが一番いい。

 三番目、お城の中には絶対に攻め込んじゃいけない城っていうのがある。
 備えの薄い城だと思ってとりついたら、守城戦チートのぼっの連中が守ってたとか……あいつらが守ってる城ってホントにカッチカチに堅いんだもん……絶対無理。
 そもそも俺は基本「城攻めは非推奨」なんですよ。この辺オイオイ説明しますけど。

 四番目、土地には安易イージーに奪いに行っちゃいけない土地もある。
 がら空き空白地帯だとおもって抑えに行ったら、周囲は全部敵さんチームの息がかかってた、なんてことも大ありですからねぇ。
 周囲の状況をよく確認しましょうよ。


 そンで五番目、例え王様の命令でも、そのまま実行しちゃ駄目なこともある。
 
 戦場から遠く離れた本国では、どうしたってそういう細かい事情が判らないでしょ。判らない王様が判らないまんま出した命令だったりしたら、そりゃその場の状況に即さないことだってありまさぁね。
 仕方ないですよ、判ってないんだから。だからそういうポイントのずれた命令には従っちゃいけないんです。
 むしろソレが忠義ですよ。ヘタに命令聞いて全滅しちゃうより、ずっとイイんですから。

 これね、全部現場に行って状況を見てから適切に判断を出来ないとダメって意味です。


 そいでですね。
 現場リーダーが、さっき言ったみたいなマイナスの地形とかにぶつかった時に、そいつを自分達のプラスに変換出来ちゃうような、柔軟な思考力やわらかアタマを持っているなら、センソーのやり方をよくわかってるナイスな人材だってことになりますよね。
 こういう人を「九変の利に通じた者」って呼ぶとしましょう。
 小難しいっすか? じゃあ、リンオーヘンマンで。

 逆に「九変の利に通じてない者」……つまり、臨機応変出来ないマンだったらどうなるか、っておハナシですけどもね。

 例えば事前に地形のコトを調べて、知ってたとしても、その情報を自分達のチームが優位になるように利用出来ない。
 欠点を欠点だって知ってるだけじゃ、現場を仕切るリーダーとしてはちょっと足りないんですよ。利点を利点と知っているだけでもまだ足りない。

 目の前の欠点を利点に繋げられるリンオーヘンさがない人は、ホント管理職に向いてないですよ。


 つまりですね。
 マジで賢い人が「配慮する」って時は、大体良いことも悪いことも勘案するんですよね。
 プラスの中にあるマイナス点を憂慮しておけば、大体のことはスムーズに運びます。予め判ってたら対処のしようがあるワケですし。

 とんでもないデメリットの裏に隠れてるとんでもないメリットを見つけることが出来たなら、迷いなくコトを勧められます。

 結局、敵の王様に土下座ゴメンナサイさせるなら、相手に害があるってコトを判らせれば良いんです。戦って思い知らせるのも良いけど、戦う前に諦めて貰うのが一番落っすよね。

 そうじゃなくて、利用するなら、相手に利益を強調して《《勧める》》のがイイですね。
「ウチと仲良くすればwin-winな関係が築けますよ」
 なんて言っちゃったりして。……損は適当に隠して、ね。

「違う、そうじゃない。ドタバタ走り回せて、最終的に自滅させちゃいたい」
 ってことなら、追いかけたくてタマンナイような利益を目の前にぶら下げてあげちゃうんですよ。
 もーそっちにチューになって、他のことなんかこれっぽっちも考えられないようにして差し上げちゃう。
 そうすれば、こっちの国を攻めようなんてなことは思いもしなくなりますからね。


 だから、ですよ。
「どうせ敵なんか来ないよ」
 って感じのなーんも考えてないようなボーテキカンソクすがって、なーんもしないんじゃなくて、
「こうすれば、敵は攻めてきても大丈夫」
 っていう準備をしておくことが、上手なセンソーのやり方ってものなんですよ。
 ホントになーんも考えずに、
「攻撃されたりしないでしょ」
 って楽観するんじゃなくて、
「そりゃもう、《《えげつない》》くらいの準備をしてるし、そのことを充分アピールしてるンだから、相手さんも【ウチを攻撃したりしたらエグい反撃を喰らう】ってことは1000パー承知してるンだし、ソレを無視して攻撃してくる訳がない」
 って言い切れるくらい、自分達の態勢を整えておくのが大切なんですね。
 備えあれば《《うれしいな》》ってね。


 あ、そうだ。優秀な現場リーダーが陥りやすい「ヤバいメンタル」っていうのが五つぐらいあるんで、それもピックアップしておきますね。

 必死は殺さる可き也。必生は虜にさる可き也、忿ふんそくは侮らる可き也。れんけつは辱めらる可き也。愛民は煩わさる可き也。
 
 うん、コトワザっぽくてカッイイねー。

 つまりですね。

「必死」。
 向こう見ずな人、これヤバい。
 だって、死ぬ気で掛かって来られたら、相手は殺す気で反撃してくるからでしょ?
 当たり前ですよね。センソーですもん。
 そうなると、一番先頭の一番必死な人、この場合はリーダーさんが真っ先にられちゃう。
 兵隊さんメンバーを引っ張ってるリーダーが死んじゃったら、チームはバラけちゃいますからね。
 だからヤバいんですよ。

「必生」。
 身勝手に保身する人、これはマズい。
 自分が生き残ること第一に考える人は、ふんばりどころで逃げることが多いんですけど、そうすると大抵は敵さんに捕まっちゃうんですよね。リーダーが捕虜になっちゃうと、味方の士気はだだ下がりになっちゃうからマズい。あと、生き延びようとして敵さんにこっちの情報流しちゃう可能性もあったりして。
 これ尚更マズい。

忿ふんそく」。
 すぐ忿いかりまくる人、これはキツい。
 すぐ短気な人は敵にも味方にもあなどられちゃいます。特に味方に侮られちゃったら危ないですよー。尊敬も信頼もされない。
「あの人はすぐ怒るし、反論したらもっと怒るから、適当に返事してやり過ごそう」
 って思われて、どんな命令でも部下は真面目に聞かなくなっちゃう。頑張ろうとも思わない。そんな関係が敵にばれたらなお危ない。罠……例えば離間の計とか、仕掛けられちゃったりするんですけど、また気が短いもンだから、ホイホイ引っかかっちゃうんですよ。
 キッツいなぁ

れんけつ」。
 清く正しく欲のない人。これコワい。
 セイセキユーシューセーレンケッパクユートーセーは、馬鹿にされるのに慣れてないコトが多いでしょ? 失敗して恥をかくのも苦手だし、敵からも味方からも辱められるのなんか大っ嫌い。
 嫌いってコトは、辱めるような挑発にはあっさり乗せられちゃうってことです。
 カーっ頭に血が上って、何の策もなく飛び出して、取り囲まれて攻め立てられて、ジ・エンド。
 おお、コワい。

あいみん」。
 国中のみんなを愛しちゃってる人。これアヤうい。
 いや、民衆ファン兵隊メンバーを大切にするってのは良いことなんだけども。
 《《けど》》、ですよ。
 民のことを考え過ぎちゃって、そのことばっかり気を回してると、神経がヤられちゃうんですよ。だって、民や兵隊も一人じゃないんですから。それぞれ違うことを要求してくるのに、全部応えられないでしょ?
 優しい人は、最後には心が壊れちゃうんですね。
 アヤウいなぁ。

 この五つ、それぞれ本当に大切なことなんだけども、ほら、過ぎたるはなおおよばざるがごとしってヤツですよ。こういう性質をジョーに持っている場合は、その人は現場リーダーに相応しくないんです。

 特に、せんそーをするって場合は、ね。

 大負けして、軍隊チームはバラバラ、現場リーダー自身もご昇天、なんてサイアクな結果になっちゃうって時は、大体現場リーダーのメンタルの内ちの、この五つのどれかが過多オーバーキャパになってたンですよ。

 この辺のコトは、ホン本気マジ真剣ガチで気をつけないといけませんよ。

 「チャラ孫子・軍争篇 第七」 2019年03月10日(日) 自作小説の話題歴史関連の話題孫子

 俺の考え言っちゃいますけども。

 戦争センソーっていう国を挙げての《《大イベント》》をやる場合、将軍リーダーのところに王様から命令がきて、兵隊さんメンバーを集めて、陣地の設営をして、敵さんチームと戦うって段取りなワケですですよね。
 で、実際一番しんどいのは、どうやって戦い始めるかって事じゃないですかね。
 いや、当たり前だって話ですけども。

 さっき、センソー主導権イニシアチブを取るためには相手より早く行動した方がイイって話したじゃないですか。
 そのコツが、急がば回れ歩道橋、ですよ。
 真っ直ぐ進めば近いように見えるけど、ヒトケタコクドーは交通量バリバリで、却って渡るのが手間だし、第一危なっかしい。
 歩道橋は階段上るのがしんどいように見えるけど、実は安全確実でお得なルートだったりするんですよねー。

 これ、カッ良く言うと「ちょくの計」ってんです。
 この、マワリミチチョクシンを上手いこと使い分ける作戦、ってヤツを知っている人は、「遠回りしてるように見せかけて相手を油断させておいて、ガッツリ優位なポジに着いちゃう」とか、「遅刻確定なスタートなのに、相手より早くゴールしちゃう」みたいな凄いゴイスーなコトが出来ちゃんです。

 大体、センソーってのは、そりゃ上手いことやればお得な結果が着いてきますよ。でも、危ないことこの上ないものもまたセンソーってヤツでして。
 いくら戦場に早く着いた方が良いっていったって、「全軍グループゼンブ」をひとまとめにして進もうとしたら、どうしたって動きは鈍くなる。そもそも「全軍」の中には歩兵や騎兵や軽装備の「足の速い部隊」も、荷物の多い重装備の「遅い部隊」も混じってる訳でしょ? 全員に同じことさせたら、絶対バラバラになっちゃいますもん。
 だからって、足の速いとこだけ先に突っ走らせちゃったりしたら、大きな道具や機材を運んでる輜重部隊バックアップメンバーが取り残されちゃう。陣地を作ったりとか出来なくなっちゃったら、いくら早く現地入りしたって、準備が出来ないじゃないですか。それじゃダメじゃん。

 鎧とか着なくてもイイから、ともかく身軽な状態で、朝から晩まで、普通の倍の距離を突っ走って、四百km離れた戦場を目指せ、なんてスケジュールを組んだとしましょうよ。
 全軍敵さんに捕まってシューリョー、ですよ。
 だってそうでしょ? そんな無茶したら、元気の良い連中だけ先に進んじゃって、ヘトヘトさん達はドンドン送れちゃう。目的地に着いたときには人数が多分十分の1ぐらいになっちゃってますよ。
 半分の二百kmの移動距離だったとしても、多分一番に着いた部隊の将軍さんがヤられちゃった上に、兵隊さんメンバーも半分は落伍ドロップアウトしてるんじゃないですかね。コレじゃ勝てる訳がない。
 百二十klmでも三分の二ぐらいしか目的地まで来られないんじゃないですかね。
 付いてこられなかった三分の一ってのは、大体が足の遅い荷物の多い部隊ですよ。機材や武器やなんかを運んでくれてたり、兵隊さんメンバーのご飯のや牛馬のフードなんかを運んでくれてる大切な部隊バックアッパーですね。戦場にそういう大事な裏方さんがいなかったら……バッドエンド以外のエンディングが俺には想像できません。

 あ、そうそう。
 センソーなんていう《《でっかいイベント》》をやるからには、ご近所の王様さんにちゃんとお話をして、味方に付けとかないと不味マズいっすよね。だからそういう《《偉い人たち》》の思惑が判ってないといけない。どういうご接待をしたら喜ぶかな、とか、何をお土産にしたら仲良くしてくれるかな、とか、よーく考えて話し合っておく必要がありますよねー。
 他所の王様の皆さんだって、自分のところに得があれば協力を惜しまないでしょう。みんな利益が欲しいんですもの。逆に、損が降りかかって来るなら、むしろ敵さんチームの方に付いちゃおうってことにだってなる訳ですよ。

 あと、戦場になるところはモチロン、通り道や、万一の時の逃げ道になる場所の、地形……山とか林とか、谷や崖、川や池なんかをよく知ってないと、行くも変えるもままならなくないですか?
 そういう慣れない所に行くときには、その辺りに詳しい案内役ガイドが必要ですよ。地元の人が良いな。地形が判ってないと、例え上手く使えばこっちが有利になりそうなバツグンの地形があったとしても、気付かないまま利用できなかった、ってことになっちゃったりしますもん。

 どうしてもセンソーするのなら、あらかじめ自分のチームが有利になるようにコトを進めておいておきーの、そういうのが敵さんにバレないように……ってか、むしろこっちが不利になってるみたいに思わせて騙しーの、こっちは余裕で行動しーの、全員で固まって動いた方が良いときと小分けにして行った方が良いときを見極めてーの、臨機応変に行動しちゃうのが良いんですよね。
 ああ、俺ってば|臨機応変って言葉、大好き過ぎるかも。


 そのきこと風のごとく、そのしずかなること林のごとく、しんりゃくすること火のごとく、動かざること山のごとく、知り難きことかげのごとく、動くことらいしんのごとし。

 おっと、二千年ぐらい後の倭国ニホンの名将が旗印にしちゃうかも知れない名言が出ちゃったよ!

 動くときには風が吹くようにビューっと速くスピーディーに行っちゃいましょう。
 待機している時は静まりかえった林みたいにシーンと黙っておとなしくしてた方が良いっすね。
 攻めかかるときは火が何もかも焼き尽くすみたくにゴーっと根こそぎ奪い取っちゃう。
 動かないと決めたら山のようにピクりともしないでいましょう。
 敵さんにこっちの情報を与えないために、大事なことはカゲにコッソリ隠しておきましょうよ。
 いざ行動するとなったら雷のように、敵が思いも寄らないところへ突然且つ一気にゴロゴロドーンとやっちゃうんですよ。

 それでね。
 敵さんチームの勢力圏のサトを占領するときには、本隊でバーンと押しかけるんじゃなくて良い案配に兵力分けておきましょうね。
 そうやってゲットした占領地で、利権を一極集中にしちゃうと、後々領地が広まったときにゴタゴタに元になるンで、そういうのは分散させましょう。
 ま、それぞれの場合によってこの辺は変わってくるので、状況をハカリにかけたみたいにキッチリ見極めて、判断してから行動した方がいいンすけどね。

 とにかく、相手よりも先に「急がば回れ」の回り道ルートを見つけられた方が勝っちゃう。
 これが「兵隊を動かして戦争をする」時のセオリーです。


 昔の人はこう良くおっしゃったもんですよ。

「戦場は広いゆえ、な。口で言った命令が伝わるには時間はかかろうし、伝え間違えだって起きようものじゃて。じゃからタイ鳴り物ナリモノの合図を決めて、大きな音で伝えるのじゃ」

「手指やボウや軍配で指示したとて、遠くからでは見ようと思うてもしか・・とは確認できぬであろう? じゃから、旗とその降り方を決めて、大きな動きで命令を伝えるのじゃよ」

 こういう音や動きの合図をキッチリ決めるってのは、兵隊さんメンバー達の耳や目に間違いなく命令を伝えるナイスな方法ですね。
 コレがしっかり行き届いていれば、せっかちな勇者も出過ぎたイッけをできないし、ビビりな臆病者が勝手に撤退しちゃえない。だって、回りが「ソレはおかしい」って言えちゃいますからね。集団を動員するのにはホントに良い方法ですよ。
 それで、夜の合図に松明や太鼓を使うことが多いし、昼間は旗で合図することが多いでしょ? コレは夜と昼では物の見え方や違うからです。状況に応じて連絡手段を変えないとね。味方の情報共有はちゃんとしておかないと。

 で、ですね。
 こうやって味方に決まり事をしっかり行き渡らせてから、敵さんチームの皆さんの気力をガリガリ削り、敵さんの将軍リーダーの心をポッキリ折っちゃう作戦を実行する訳です。
 人間、朝すっきり起きられると気力が充実していて、お昼頃になるとちょいとだれて来て、夜になっちゃうとやる気がサヨナラしちゃうもんでしょう?
 だから、敵さんのやる気がビンビンな時には攻め込まないで、ダラダラにだれてる時に攻撃しちゃうのがイイ。やる気スイッチの入り具合オン・オフを見極めた上手い使い方っすよ。

 それで、こっちチームのみんながキッチリかっちり動いている状態を見せつけて、

「なんであいつらはあんな余裕ぶっこいてるんだ」

 って、敵さんチームがビビって混乱するのを待つんです。
 戦場でも落ち着いているってのを見せつけて、敵さんチームが、

「もしかしてあいつら、めちゃくちゃ強ぇえんじゃねぇの?」

 みたいに、オタオタ慌て出するのを待ち構えるんです。
 心理戦ってヤツですね。自分達のチームは勿論、敵さんチームの気力を操れれば、もう勝ったも同然ですわ。

 ソレとは違う方法もありますよ。
 先に戦場の近くに陣取って、遠くからやってくる敵さんを待ち構える。ゆっくり休んでぐったり疲れた敵さんを迎え撃つ。ちゃんとご飯を食べておいて、腹ぺこな敵さんと戦う。
 そうやって物理的な「戦闘力チカラ」を上手いこと使うっての、です。
 これ、片方だけ運用したんじゃダメです。両方を上手い案配に使うのがベストですよ。

 逆を言うとですね、敵さんチームが合図や伝令をしっかり行き届かせてて、気力体力が充実してるようならば、そりゃ攻め込んじゃダメでしょ、って事です。


 何度も似たようなことを言う感じになりますけど、物事は自分の状況と相手の状態を良く見極めて、リンオーヘンにやらないといけないんです。

 あと、大人数を引っ張ってセンソーをおっ始めようって時の注意点ですけども。
 高いところに陣取ってる敵さんに刃向かっちゃいけませんよ。高いところから石でも落っことされたら大変ですから。
 それと、丘を世にした配置で攻めてくる敵さんを迎え撃つのもヤバい。これも高低差を付けた勢いを利用されたら目も当てられない。
 逃げてるように《《見せかけてる》》敵さんを、調子に乗って追いかけてっちゃダメ。十割100パー、伏兵が横っ腹突いてきますからね。
 オラついてる敵さんに突っ掛っていっちゃいけない。カッカした状態で行動したら、思わぬ失敗をしますよ。
 こっちをおびき出そうとしてワザとらしくうろついてる敵さんに食いついちゃダメダメ。そういうときは大体、向こうさんが罠を仕掛けて待ち構えてますからね。
 国に帰ろうとしてる敵さん達の行く手を塞いじゃいけない。向こうも必死で抵抗しますよ。
 敵さんを取り囲んだときには、逃げ道を残しておくこと。窮地に追い込んだ敵さんをしつこく攻撃しないこと。でないと死に物狂いで反撃されて痛い目に遭いますから。

 コレとっても重要なことなんで、覚えておくと良いんじゃないかなーって。

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