UPDATE:2016/03/04(Fri) 20:54 |
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● | 【銭王《ドゥニエ・デ・ロワ》】
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| 柔らかい腐葉土に、人間を上から押しつけたような形の『穴』が開いている。 その中に、身体の前半分を地面にめり込ませた人間が、ぴったり填っていた。
山道を進むクレールとブライトは、突然身なりの良い剣士たちから襲撃を受けるが、難なく撃退する。 山を登り切った彼らが目にしたのは、クレールの故郷と瓜二つの地形だった。 その国の名は「パンパリア」という――。
不定期連載中。
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● | 意外な話 或いは、雄弁な【正義《ラ・ジュスティス》】
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| 若い貴族が求められて語る「昔話」。
妻と二人の息子を「事故」で失った「年寄りの殿様」は、「主上」の義理の娘を後妻にあてがわれた上、都を遠く離れた山奥の小国にお国替えとなった。 新しい領国のお城は、遺跡といって良いほどに古く、とても住めた場所ではなかった。 しかたなく殿様と奥方は小さな「離宮」に住み暮らすことになった。 ところが離宮には怪しい気配が満ちていた。 おびえる奥方のために新しく城が普請され、小振りだが立派な宮殿が完成する。 新しいお城に入った殿様は、なぜか古い離宮を取り壊さずに残した上で、何人たりともその建物に近付かぬようにと命じた。 十年後、殿様と奥方の間に生まれた子供が、好奇心からその離宮へ向かった……。
400字詰め原稿用紙換算122枚。 長編にしてはボリューム不足、さりとて中編と言うにはちと長く……。
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● | いにしえの【世界】
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| 古い世界の支配者の婚礼を祝う祭の前夜。エル・クレールは夢を見た。 倒壊したはずの我が家の中に、ただ独り取り残された朝……。 眼前に現れた「男」は彼女に問う。 「目の前にいる見知らぬ者を、それと会話する自分自身を、君は夢と言い切ることができるのか?」 目覚めると、そこにあるのは旅する日常と騒乱。 ドサ回り一座と地方巡察勅使との諍いに巻き込まれたエル・クレールとブライト。 ブライトは彼らにエルを「武者修行中の若党」、自身を「その家臣」と思いこませ、場を取り繕う。 一座の戯作者マイヤーは「美形の若侍」であるエルを妙に気に入ったらしく、芝居小屋に招いた。 この一座の芝居「戦乙女クラリス」の「原作」が皇弟フレキの手による資料であると言うマイヤーにクレールとブライトは不信感を抱く。 一方「勅使」の宿舎では怪しい儀式が執り行われていた。
400字詰め原稿用紙換算565枚。長編 一括表示版有り。
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● | 外伝 舞殿の【女帝《エンプレス》】
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| 長編。 ノベルゲームお姫様舞踏会オフラインスペシャル隠しシナリオのノベライズ版であり、クレール光の伝説外伝でもある、微妙なポジションの作品。
ギネビア宰相姫の政略で、舞踏会に出ることになったクレールとブライト。 接待役のスタッフとして登城したピエトロ。 遠国から招かれた王女パトリシア。 5人の男女が織りなす、舞踏会の裏側絵巻。
もともと、お姫様倶楽部のキングオブファイターズ的お祭りゲーム「お姫様舞踏会」のシナリオとして書かれたため、舞台設定が「赤クレール(神光寺雅版。R18指定作品)」寄りになっております。 それゆえギネビアが「ミッドの宰相姫」だったり、クレールの故郷が「ハーン公国」だったりするわけです。 (「青クレール(神光寺かをり版。一応『全年齢対象』)」だとギネビアは「ユミル女王国の若き女王」、クレールは「ミッド公国を治めるハーン大公家の姫」) ただ、舞踏会のこの部分のシナリオは「青い方の書き手(神光寺かをり)」が担当したため、物語の肝の部分(なんでギネビアが「あやつ」に執着してるのか、とか)は「青」の方に重なっております。 また、時間設定は「本編が大団円を迎えた後」となっています。
小説なので当然一本道なれど、ビジュアルノベルソフトお姫様舞踏会CGコレクションPlusに「グラフィック付き シナリオちょっとだけ追加 選択肢ありバージョン」が収録されています。
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● | 幻惑の【聖杯の3《スリーオブカップス》】
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| ハーン公都から山一つ超えた地で、クレールとブライトは錬金術師シィバと出逢う。 疑似生命体を作り出すことができるというシィバ老人は、軍に協力を依頼されて「オーガハンター」を探していた。 クレールとブライトにその素質を見抜いた老人は、彼らを軍幹部に引き合わせた。 その対面の場に現れたのは、巨大で醜悪な魔物「オーク」だった。
400字詰め原稿用紙換算130枚。中・長編
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● | 深林の【魔術師《ザ・マジシャン》】
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| 故郷を失い、宛てない旅を行く男女……レオンとガイアの前に、盗賊の一群が現れた。 彼らから「都からの手紙」を取り戻した二人は、その宛先である小国へ向かう。 そこにいたのは、心を打ち砕かれた領主と、二人の忠臣。 そして都からやってきたという領主の甥は、「ミッド公国の公女クレール姫が、ギュネイ皇弟ヨルムンガント・フレキに保護されている」と語る。 しかし彼はすでに人間ではなかった。
400字詰め原稿用紙換算54枚。短・中編
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● | 番外編 夢想の【戦車《チャリオット》】
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| ブライト=ソードマンの独白(一人称) 脳天気王国パンパリアの闇市で、望むとおりの夢が見られるという怪しげな呪札を(よこしまな思い立ちで)手に入れたブライト。 自分の望む淫夢は見られないと知った彼は、その札をクレールの枕の下に忍ばせた。 その夜、彼は不可解な夢を見る……。 壊滅前夜のハーン公国、逢ったことのない筈の人々、そしてクレールの涙。
400字詰め原稿用紙換算46枚。短・中編
魅惑の【剣の女王】ソフトウエア版付属のミニゲームの「正解ルート」の小説化。 (ちなみにこのソフト、不正解ルートを通ると、ストーリー的には「バッドエンド」となるが、ボーナスCGが見られたりする)
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● | 古砦の【棍棒の5 《ファイブオブワンズ》】
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| その土地では、新しい墓が内側から突き壊され、死なない兵士が人々を惨殺する事件が相次いで起きた。 砦を守る官軍が新兵器を投入し、迎撃するが、死兵達の足は止まることがなかった。 茫漠と立ち尽くす手練れの軍人の背後で、大きなため息をもらす者が二人いた……。
400字詰め原稿用紙換算5枚。 掌編。 クレールシリーズを始めて読む方にむけた導入編。
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● | 魅惑の【剣の女王《クイーン・オブ・ソード》】
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| 「死霊に取り憑かれた伯爵夫人が、仮面舞踏会って名前の乱痴気騒ぎを、今夜開くンだとさ」 ブライトはそういってエル・クレールに「女装」を強いた。 舞踏会の主催である伯爵夫人アーデルハイドは、ギュネイ皇帝の異母妹。 オーガに変じた彼女を、ブライトは何故か攻撃できずにいた。
400字詰め原稿用紙換算32枚。短編
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● | 外伝 レオン・クミン記
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| 「ミッド大公ハーン家祐筆 レオン・クミンによる回述」の形式を採った一人称の作品。 ハーン大公の若き寵臣レオンは、公女クレールの学友にして親衛隊長のガイアに密かに恋情を抱いていた。 しかし、レオンがプロポーズを決心し、それを行動に移す前に、互いの父と大公との策略で二人は「親の決めた許嫁」となった。 結婚式が近づいたある日、ユミル女王国のギネビアがレオンを招聘。 長旅の果てにたどり着いたその国には、誰にも見えない赤黒い死の霧が漂っていた。 同じ頃、故国ミッドにも不気味な脅威が迫っていた。 正体不明の「力」を手に入れてしまったレオンは急ぎ母国に戻る。 彼は、粗末なベッドで昏睡するガイアの内に「不可解な化け物」と同じ影を見た……。 400字詰め原稿用紙換算130枚。中・長編
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● | 間道の【塔《ザ・タワー》】
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| 無頼に襲われ死んだ女の亡骸を抱えて、クレールとブライトは間道を行く。 たどり着いた村の人々は非協力的。二人の旅人に領主の縁者殺害のぬれぎぬを着せようとする。 辛くも村を後にした二人の前に現れたのは、人の体がブロックのように組み合わさってできている、巨大なオーガだった。 400字詰め原稿用紙換算26.3枚。短編
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● | 【覚醒編】
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| 400字詰め原稿用紙換算6〜18枚の掌編連作
【覚醒編】1.暁光 見渡すばかりの焼け野原で目覚めた男。 彼はおのれの名も、この地にいる理由も、総て忘れ果てていた。 400字詰め原稿用紙換算7枚。一人称。
【覚醒編】2.覚醒 ミッド公女クレール=ハーン、13歳の誕生日の祝い……。 宮殿に現れたのは、招かれざる客だった。。 400字詰め原稿用紙換算11.2枚。
【覚醒編】3.邂逅 焼け野原、崩れ落ちた宮殿の跡に、男はたどり着いた。 動き回る死体は懇願する。 「姫殿下を……お守りせよ」 漸くたどり着いた先で、「姫殿下」は異形と化していた。 男は己に彼女を救う主税があることに気付いた。 400字詰め原稿用紙換算18枚。
【覚醒編】4.旅立ち 身体は、心に支配されている。 普通に生きていても、強い願いを持つことで、心は肉体を変貌させうる。 ならば、普通でない力を手に入れたなら? ブライトは言う……言い聞かせる。幼い心のクレールに、困惑する自分自身に。 400字詰め原稿用紙換算6.7枚。 何もない日 壊滅したハーンを後にしたクレールとブライト。 大人になること……一人で戦うこと……を切望するクレールだが、その未熟さをブライトは指摘する。 とくになにも事件の起こらないあるひととき。 400字詰め原稿用紙換算6枚。
胎動の【皇帝《ジ・エンペラー》】 ハーン公国にオーガの先兵を送った存在……【皇帝】。 彼を兄と呼ぶ存在……【愚者】。 生臭い空気を孕む宮殿で交わされる不穏な会話。 兄の企みと弟の策略。 彼らの正体は? 400字詰め原稿用紙換算9.9枚。
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● | 迷走の【吊られた男《ハングドマン》】
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| 中堅地方都市ツオイクの教区長が手に入れたのは、古の忠臣にゆかりある宝珠【アーム】。 それは強大な力を与える代償に、人であることを捨てさせる魔力を帯びていた。 クレールシリーズで一番最初に書かれたエピソードで、400字詰め原稿用紙換算37枚の短編。 キーワード:男装の麗人・触手のある魔物・ハイファンタジー
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