クレール　光の伝説　エピソードいにしえの【世界】　39回を中規模修正。
40回をアップ。

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　壮年の指揮者が白髪頭を掻いている。
「楽譜通りに、寸分違わずに、ね。アドリブ入れないで演るなんて、何年ぶりだい？」
　文句の矛先にはマイヤー＝マイヨールがいた。
「基本がしっかりできているからこその天下一品のアドリブだろう？　頼りにしてるよ、マエストロ。今の私にゃ泣き言を聞く耳の持ち合わせがないんだ」

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クレール　光の伝説　エピソードいにしえの【世界】　39回をアップ。

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『ウチの姫様《クレール》にちょっかいを出した上に、俺が野郎《ヨルムンガント・フレキ》を嫌うのが気に喰わねぇと抜かしやがる。しかも野郎の書いた物の封緘にめり込んでたと来たら……』
　小さな【アーム】の欠片が、生前は皇弟と深い縁を持っていた人物であることは間違いない。
『それどころか、野郎本人の可能性がある』

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クレール　光の伝説　エピソードいにしえの【世界】　38回をアップ。

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「殿方の手は熱が高いそうですから、長く握りしめていると、蝋が溶けてしまいます。ギュネイの家に由来するもので、お手を汚されても宜しいのですか？」
　彼女にしては珍しく婉曲な物言いをすると、ブライトは少しばかり口角を持ち上げ、
「手の冷たい自分《おんな》の方へ寄越せ、か？」
　拳を開いた。

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クレール　光の伝説　エピソードいにしえの【世界】　37回をアップ。

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「そこまで頭が回るかね？」
　訝しむブライトの顔を、エル・クレールは
「似たもの同士のご様子ですから」
　莞爾として見つめた。
「どこが！」
　一瞬、声を荒げたブライトだったが、エルの掌が鼻先に突き出されると、
「よく見てやがる」
　妙におとなしくなった。

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