フランケンシュタイン 著者について | |
宍戸儀一 著 翻訳者によるフランケンシュタインの著者「マリー・ウォルストンクラフト・シェリー(メアリ・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー:Mary Wollstonecraft Godwin Shelley : 1797年8月30日 - 1851年2月1日)」についての解説。 初出:「フランケンシュタイン」日本出版協同 1953(昭和28)年8月20日初版発行 (2009/09/07(Mon) 16:13) | |
フランケンシュタイン はしがき | |
宍戸儀一 著 翻訳者によるフランケンシュタインの解説。 一九五三年六月二十五日の日付がある。 初出:「フランケンシュタイン」日本出版協同 1953(昭和28)年8月20日初版発行 (2009/09/07(Mon) 16:00) | |
フランケンシュタイン | |
マリー・ウォルストンクラフト・シェリー Mary Wallstoncraft Shelley 宍戸儀一訳 原題:FRANKENSTEIN, OR THE MODERN PROMETHEUS (フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス) ゴシック小説、あるいはSF小説。 イギリスの探検家ウォルトンが、姉に宛てた書簡から物語は始まる。 ウォルトンの船は流氷に阻まれ身動きが取れなくなる。その氷の上に、一人の人間の姿があった。 スイス・ジュネーヴ生まれで科学者志望の若者ヴィクター・フランケンシュタインは、ドイツで自然科学を学ぶ学生。 ある時彼は生命の謎を解き明かし、それを自由に操るという野心に目覚める。 狂気に満ちた研究の末、理論を確立させると、彼は墓場から土葬されたばかりの死体を盗みだし、それをつなぎ合わせた。 そして―― 十一月のあるものさびしい夜に、私は、自分の労作の完成を見た。ほとんど苦悶に近い不安を感じながら、足もとによこたわる生命のないものに存在の火花を点ずるために、身のまわりに、生命の器具類を集めた。もう午前の一時で、雨が陰気に窓ガラスをぽとぽと打ち、蝋燭はほとんど燃え尽きていたが、そのとき、冷えかけた薄暗い光で、その造られたものの鈍い黄いろの眼が開くのが見えた。それは荒々しく呼吸し、手足をひきつるように動かした。しかしフランケンシュタインは彼の創造物「怪物」があまりに醜いことに絶望した。そして「怪物」を残して故郷へ逃げ帰る。 「怪物」は生き延び、己を捨てた創造主を追ってスイスへ向かう。高い知性を身につけていたものの、醜い容姿のため、人々から迫害される「怪物」は孤独に苛まれる。フランケンシュタインの元にたどり着いた彼は、自分のための伴侶(女の「怪物」)の創造を要求する。 「怪物」の繁殖を畏れたフランケンシュタインは彼の要求を拒否する。 創造主である人間に絶望した「怪物」は、フランケンシュタインに復讐すべく、彼の友人や妻を殺害。 これに怒ったフランケンシュタインは、「怪物」を追跡するが、極北の地で倒れる。 ウォルトンに保護され、総てを語り、息を引き取ったフランケンシュタイン。 暗い船室の底に安置されたフランケンシュタインの棺に覆い被さる影があった。 創造主であり仇であるフランケンシュタインの亡骸を前にした「怪物」は 「おれは死んで、いまこうして感じていることももう感じなくなるのだ。まもなく、この火の出そうな苦しみも消えるだろう。おれは、火葬の薪の山に意気揚々と登り、苦痛の焔にもだえて勝ち誇るのだ。燃えさかるその火の光も消え去り、おれの灰は風のために海へ吹き飛ばされるだろう。おれの霊は安らかに眠り、それが考えるとしても、きっとこんなふうには考えないだろう。では、さようなら。」悲しげに叫ぶと、氷山の海の中に消えていった。 原作初出:1818年3月11日、1831年改 本稿翻訳初出:「フランケンシュタイン」日本出版協同 1953(昭和28)年8月20日訂 (2009/09/07(Mon) 15:50) |
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